1: 2020/04/11(土) 08:49:50.77
<もしもし日刊です>

サッカー元日本代表FWで1968年メキシコ五輪銅メダル獲得に貢献した「ご意見番」こと、松本育夫氏(78)が「もしもし日刊です」の取材に応じた。1年延期になった東京五輪の代表チームへ、強化方針で気になっていることがあるという。川崎Fや鳥栖で監督を務めたJリーグの第一人者。愛情ゆえの厳しい言葉も出た。【聞き手・横田和幸】

-新型コロナウイルスの影響で今夏の五輪が1年延期になった

松本氏 五輪は難しい問題を抱えておるね。僕が心配するのは、本当に来年になれば開催できるのかという点。アフリカを含めて終息しているのだろうか。

-サッカーでは日本は強化試合、合宿など中止が相次いだ

松本氏 その前に言わせてください。まず、タイで開催した1月のU-23アジア選手権で、日本が代表の選手選考の意味合いを持たせたのがよくない。アジア王座を取るため、ある程度は固定した選手でやるべきだった。だって五輪は18人しか登録できないのよ。本番の半年前になるはずだった、1月の時点でレギュラーが固まっていないとは。

-松本さんが主力を務めたメキシコ五輪では

松本氏 僕の時は本番の1年前にはメンバーがほぼ固まっていて、当落線にいたのは2、3人だったよ。だからみんな(五輪への)自覚があった。今回1勝もできずに敗退したのは、強化方針が間違っていたということ。森保監督の構想として、みんなによろしく(平均的に扱うという意)ではダメ。彼の決断力が問われますよ。

-森保監督は、松本さんの後輩(広島の前身東洋工業=マツダ)にあたり、松本さんがJリーグ京都ゼネラルマネジャー(GM)時代に獲得した選手。愛情を裏返しにした厳しい言葉に聞こえる

松本氏 いやいや、重ねていうけど、五輪の登録は18人。実際に本番で使われるのは14、5人程度のはずで(考えが)甘いよ。

-本来の出場資格は原則23歳以下だが、今回は延期なので24歳以下の方針が示された

松本氏 確かに現在23歳の選手が、来年になれば出られないのは気の毒。ただオーバーエージ(OA)枠で24歳以上が3人使えるわけだし、24歳で出られなくなった選手はOAを目指し、さらにダメならA代表を目指せばいいと思う。

-森保監督はA代表と五輪代表を兼務している

松本 兼務はいい面もあるけど、五輪代表を100%指揮できる日程になっていない。そりゃあ、ないと思う。ましてや、今後はW杯予選と五輪の活動が同時進行していく。今の代表の組織は若い方中心で決めており、その中にベテランが入って話し合うようにしないと。組織とはそういうものですよ。

-松本さんの代名詞「エネルギッシュトーク」は健在だった

松本氏 とにかく日本には、50年以上も遠ざかるメダルを取ってほしい。今の日本協会田嶋幸三会長は、僕がユース代表監督だった時の最初の教え子です。頑張ってほしい気持ちだけですよ。

-松本さんが今、取り組んでいることは

松本氏 おかげさまで78歳になっても、どこも悪いところはありません。来年始動予定の女子サッカーチーム「UDN香川」の最高顧問と、将来のJリーグを目指すFC延岡AGATA(宮崎県リーグ)でアドバイザーをしております。競技の普及強化活動を支援する、一般財団法人日本サッカー後援会理事長もです。でも、サッカーは現場に立つのが一番、楽しいのは変わっておりませんよ。

◆松本育夫(まつもと・いくお)1941年(昭16)11月3日、宇都宮市生まれ。都内在住。宇都宮工、早大を経て東洋工業入りし、68年メキシコ五輪銅メダル獲得。引退後はJリーグ京都GM、川崎Fで監督と社長、鳥栖の監督と専務執行役員など歴任。02年に長野・地球環境高監督に就任し即全国選手権出場。高校選手権などの情熱あふれる解説でも有名。

4/11(土) 8:00配信 日刊スポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-24100541-nksports-socc

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