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1: Egg ★ 2019/02/26(火) 20:20:53.11 ID:CuIOzhvx9
■ロングボールを放り込むか、ショートパスをつないで攻めるか。そうしたスタイルや戦い方が議論の的になることも多いのが、サッカーというスポーツ。今回は、ロングボールの是非について、福田正博氏が自らの考えを述べた。

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 日本代表でもJリーグでも、対戦相手にリードを奪われ追いかける展開になる試合では、終盤になると、『ゴール前にロングボールを入れろ』という意見がある。もちろん、実際にそうした戦術を採るチームは少なくない。先日のアジアカップ準決勝で日本が対戦したイラン代表をはじめ、終盤にロングボールを前線に放り込む戦術を採ったチームもある。

 今回は「ロングボール」や「放り込み」とも言われる戦術について検証したい。まずはその意図と効果について考えてみたい。

 言うまでもなくサッカーの目的は「勝つこと」で、そのためにはゴールを決めなければならない。チャンスをつくるには、「ボールをどうやって相手ゴール前に運ぶか」が重要だ。”ロングボール”“ポゼッション”“ドリブル突破”などは、そのための手段に過ぎない。

 どの手段を採るかの判断は、より高い確率で相手ゴール付近にボールを運べるかどうか。また、終盤にリードを奪われている展開では、ロングボールを狙った場所へピンポイントに蹴る能力の高い選手と、高さと強さを持つ選手がいれば、もっとも確率の高い手段になるだろう。

 わかりやすいケースが、W杯ロシア大会で日本代表が敗れたベルギー代表だ。ベルギーのスタメンで180cm以下だったのはエデン・アザール173cmと、ドリース・メルテンス169cmのふたりだけ。ベルギーは2点を追う展開になると、空中戦を仕掛けるためにロングボールを多用し、ヤン・フェルトンゲン(189cm)の1点目と、マルアン・フェライニ(194cm)の同点弾を生み出した。

 ベルギー代表はやみくもにゴール前に蹴っていたわけではなく、高さで劣る日本に対して、自分たちのアドバンテージを最大限に活かすために、ロングボールを素早くゴール前に入れることを選択したのであり、非常に理に適った判断だった。

総務省発表によれば26歳から29歳の日本人男性の平均身長は170cmで、これは180cm以上のオランダやドイツと比べるべくもない。日本人選手の弱点は”高さ”にあり、海外の強豪相手に空中戦で競り勝つのは容易ではない。この点で考えると、W杯で対戦した時のベルギーのようなロングボール戦術は日本代表には向いていないと考えるべきだろう。

 Jリーグであれば、日本人のこの弱点を突くための選手補強をした編成で優勝に近づくことができる。2006年の浦和レッズ、2010年の名古屋グランパスがその好例で、センターフォワードとセンターバックに”高さと強さ”で圧倒できる選手を置き、栄冠を手にした。1トップには、浦和は元ブラジル代表で190cmのワシントン、名古屋は当時オーストラリア代表の194cmのジョシュア・ケネディを据え、センターバックには185cmある田中マルクス闘莉王(現京都サンガ)がいた。ただし、こうした高さと強さは国内リーグ戦では”ストロングポイント”になるものの、世界を見据えた場合にはアドバンテージになりにくいという課題は残る。

 現在のJリーグでは、川崎フロンターレを始め、ヴィッセル神戸や名古屋、横浜F・マリノスなど、「ポゼッション」を志向するクラブが増えている。その理由は、「高い技術を生かしたパスワーク」という日本人が得意なことを生かしながら、強豪国ほど高さがなく、フィジカルも強くないという日本人の弱点をカバーできるからだ。

 選手たちの足元の技術の高さを生かして主導権を握り、ボールを保持する時間が長くなれば、それだけ守備の時間が短くなる。つまり、攻守は表裏一体で、ポゼッションして攻撃時間が長くなることで守備のリスクが軽減するという狙いもある。これは、ボール保持率の高いバルセロナにもあてはまることだ。

 一方で、日本のサッカーファンは、ゴール前に放り込むロングボールの「好きか嫌い」と、「効果的か否か」を混同している人が多いようにも感じる。もしかするとヨハン・クライフの『美しく勝利せよ』に影響を受けていることもあるのかもしれない。

 私自身、クライフの唱えたトータルフットボールや、バルサのスタイルはすばらしいと考えているし、日本サッカーが目指す方向だと思っている。同時に、元プロ選手として、勝たなければ何も残らないことを知っているからこそ、ときとして美しさが犠牲になることがあっても仕方ないとも思う。

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2/25(月) 6:42配信 スポルティーバ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190225-00010001-sportiva-socc&p=1