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1: Egg ★ 2019/02/25(月) 23:44:38.92 ID:llAEbQXq9
川崎に根付く大卒を化けさせる伝統と適材適所の補強

 久保建英の変貌に話題が集まったJ1リーグ開幕戦の“多摩川クラシコ”だったが、王者・川崎フロンターレでは改めて強化(スカウト)の充実ぶりが目についた。

 スコアレスで推移した試合で最初に動いたのは、川崎の鬼木達監督。後半10分に右サイドバックのマギーニョを下げると、馬渡和彰を送り込んだ。新加入選手同士の交代で、同監督も「昨年まではエウシーニョという絶対的な存在がいたが、今年は競争になりキーになるポジション」と語っている。

 馬渡は昨年サンフレッチェ広島に移籍し、初めてJ1を経験したが、リーグ戦の出場は4試合に止まった。だが3連覇を狙う川崎は、助っ人外国人とのレギュラー争いを期待して獲得してきた。実際、16日に行われた富士ゼロックス・スーパーカップに続きマギーニョとの交代出場だったが、馬渡がピッチに立つと明らかに効果的な崩しが増えた。マギーニョが開始早々に初対面の久保に翻弄され、まだ味方との呼吸が微妙に合わず順応に時間がかかりそうなことを考えると、これで序列が入れ替わった可能性もある。

 Jリーグ初参戦が1999年と後発の川崎には、もともと大卒を化けさせる伝統があった。無名に近かった中村憲剛はもちろん、東京都リーグ出身の鄭大世(現・清水エスパルス)も練習生として獲得し、これで彼の人生は一変した。現在も筑波大時代に風間八宏前監督(現・名古屋グランパス監督)の指導を受けた谷口彰悟や車屋紳太郎以外にも、小林悠は言うに及ばず、昨年ルーキーイヤーで日本代表に選ばれた守田英正や、愛知学院大出身の知念慶らを獲得し、着実に重要な戦力に引き上げている。

 一方でスペインや韓国でもキャリアを積んだ家長昭博は、ガンバ大阪と大宮アルディージャを経て、昨年見事に開花しJリーグMVPを獲得。G大阪から来た阿部浩之や北海道コンサドーレ札幌から移籍してきた奈良竜樹もしっかりとフィットした。逆に生え抜きで芽を出しかけた三好康児(札幌→横浜F・マリノス)や板倉滉(昨季ベガルタ仙台に在籍)は他のクラブに貸し出し、結局板倉は欧州へ進出している(1月にマンチェスター・シティへ完全移籍後、フローニンゲンにレンタル)。

飛躍する可能性のある選手の意思を尊重し、“リスク管理”を徹底

 残念ながら可能性の大きな若い才能が海の外へ出ていくのが“輸出国”の宿命で、それが活力の源になる。また、アジアカップ決勝で日本代表のスタメン全員が海外クラブ所属の選手で占められたように、今後は欧州で活躍しなければ日の丸をつけるのは、ますまず難しくなるはずだ。FC東京の牽引車に成長した久保も欧州“帰還”は秒読みに入っているはずで、おそらく長谷川健太監督もそれは重々承知している。

 かつてFC東京には、アルベルト・ザッケローニ監督時代の日本代表候補が溢れていた。だが代表候補選手は合宿や遠征に加わっても、実戦でプレーしないとコンディションは低下する。夢のない話になるが、極論すれば日本代表には招集されず、所属クラブに専念してくれる有能な選手を集めるのが国内で勝つ近道になる。

 もちろん川崎からも日本代表選手は次々に誕生しており、決してクラブの志が低いわけではない。むしろ大きく飛躍する可能性のある選手たちの意思を尊重したうえで、リスク管理を徹底している様子が見て取れる。

「川崎へ行けば上手くなる」というブランドイメージを確立した点で風間前監督の功績は計り知れない。ただし功労者が去ってからも、フィットする選手を見極めるスカウトの力、さらには獲得した選手の能力を引き延ばす現場の指導力が、着実に進化していることは間違いない。

2/25(月) 20:30 フットボールゾーン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190225-00172602-soccermzw-socc&p=1

写真
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