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 明治安田生命J1リーグで柏レイソルは16位に沈んでいる。J1優勝や天皇杯制覇を経験した時代から10年の年月が流れ、チームは大きく変化した。立田悠悟と古賀太陽という2人の中心選手はチームの現状をどう捉え、どのような未来を描いているのだろうか。(取材・文:ショーン・キャロル)

●栄光から10年。下位に沈む柏レイソル

 2013年4月30日、柏レイソルはオーストラリアで行われたAFCチャンピオンズリーグのグループステージでセントラルコースト・マリナーズに3-0で勝利し、クラブ史上最高の準決勝進出に向けて無敗でグループ首位に立った。

 1部昇格直後だった2シーズン前にはJ1優勝を果たし、その前のシーズンには天皇杯を制覇していた。さらに2013年末、ネルシーニョ監督率いるチームは国立競技場で行われた2013年末のヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)決勝で、工藤壮人の決勝ゴールにより、浦和レッズを1-0で撃破。国内タイトルを総なめにしたのだった。

 しかし、最近、このクラブはそれほど輝いてはいない。今週末の横浜FCとの試合を前に、レイソルは12試合を終えて勝ち点わずか11でJ1の16位に低迷している。

 しかし、このスローなスタートにもかかわらず、立田悠悟は潮目が変わることを信じていると言い、状況が徐々にまとまりつつあることを感じている。

「もちろん、試合には緊張感がある。でも、自分の中で余裕が出てきたと思う」。1-1で引き分けた4月29日の京都サンガ戦後、立田はそう話している。レイソルがニューサウスウェールズで勝利してから約10年が経過していた。

「いい意味での緊張感というか、『楽しい』という表現が正しいかどうかはわかりませんが、心の余裕はある」

 それでも、かつて清水エスパルスで活躍した彼は、レイソルが降格争いに巻き込まれないためには、改善しなければならないことを認めている。

●「嫌でもみんな分かった」

「強いチームは、今日のような展開で確実に追加点を決めると思う。そういうところをもっとしたたかにしないといけない」

「勝つチームは、ああいう時間帯に失点することはない。でも、細部にこだわらないといけないのは、10試合、11試合やって、嫌でもみんな分かった」

 これは、立田のディフェンスパートナーである古賀太陽も同じ意見であった。

 レイソルユース出身の24歳は、引き分けに終わったサンガ戦後「自分たちが何をしたいかという狙いをもう少し話しながら入りからやっていかないと」と話した。

「今日はお互いにロングボールが多い試合になってしまったが、相手どうこうというよりも、自分たちがどうしたいかを明確にしていかないと積み上げがない」

 今週土曜日の横浜FCとの対戦は、レイソルにとってそのための絶好の機会である。取材時点でレイソルは四方田修平監督のチームとわずか4ポイント差であり、三協フロンテア柏スタジアムでの熱い声援を前に、チームに何が求められるか、古賀に疑いの余地はない。

「理想は勝ち点を離した状態で迎えるのがベスト」と彼は語った。レイソルが5月3日にアウェイで湘南ベルマーレに2-1で勝利し、7日のアルビレックス新潟戦を0-0で終えた。結果的に横浜FCとの直接対決を前に勝ち点差を5ポイントに広げることができた。

「ホームで落とせないという気持ちでいると思います。引き分けではダメで、絶対に勝ちが必要な試合になる。展開がどうなるかはわからないが、勝ちに徹するということが必要になる」

●「今までと違った利点はある」

 まだシーズンが始まったばかりで、順位表にはあまりこだわらないという立田だが、レイソルが一刻も早く試合に勝つ感覚を再認識することの重要性も強調している。

「『勝たないと順位を落としてしまう』とかまだそういうレベルではないと思う。いつまでもこのようなことを言い続けるわけにはいかないことは分かっているけど、1試合1試合大事に戦って、勝つしかない」

「今日のように失点しても最低限引き分けを掴む、引き分けの試合を勝ちに持っていく。それが重要だと思います。一概にどことやるからというのではなく、1試合1試合に自分たちの全力をぶつけて、勝てるように戦うことが一番いいと思う」

「サポーターが欲しいものは勝利だと思うので、それに応えられるように自分たちはやるだけ。残留が目標ではないので、もっと上に行かないといけないと思う」。

 京都戦で勝ち点1を獲得した後、レイソルのファンは大きなブーイングを浴びせ、不快感をあらわにした。古賀は、そんな状況を一刻も早く変えようと決意している。

「笑顔でゴール裏へ行くのがベスト」と彼は言う。「今日のような試合を続けたくないと思いますし、勝たないといけない」

「プレッシャーを感じるわけではないですけど、(それが原因で)いい意味での緊張感もある。サポーターの期待を感じてますし、それを裏切ることはできない」

 今シーズンのJ2降格は1チームのみということで、「本来なら降格圏内だが、今年は違う」とも言う。

「あまりネガティブにはなりすぎないという面はある。下を気にしなくていいほど上にいるわけではないし、上を目指さなければいけないですが、今までと違った利点はあるのかな。あまりナーバスになりすぎないのもいい点」

 しかし、もし土曜日の横浜FC戦で勝ち点3を獲得できなければ、レイソルは焦り始めるかもしれない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

ショーン・キャロル



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