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何度同じことを繰り返すのだろう。僕からすれば、また言っているのかという感じ。ただ、「変えたい」だけでは無理。それはわかっているはず。では、今回はどんな根拠があって提案がなされたのか。それがなければ反対するクラブが出て当然だし、今回も実現は難しいだろうね。

Jリーグが現行の2月開幕の春秋制から、欧州の主要リーグと同じ8月頃に開幕する秋春制へのシーズン移行の検討をスタート。各クラブや選手会とも議論を重ね、年内に結論を出すと発表した。

シーズン移行のメリットは「日本人選手の欧州移籍や外国人選手のJ移籍の円滑化」「今年から9月開幕となったアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の日程にマッチする」「夏の猛暑時期の試合減少による選手のパフォーマンスの向上」などが挙げられる。

さらに日本代表について、「マッチメークがしやすくなる」「欧州組と国内組が混在する選手のコンディションのバラつきが減る」ことも見込める。

確かにその通りで、そうなれば素晴らしい。

でも、最初にも言ったけど、秋春制へのシーズン移行はこれまでに何度も議題に上がってきた。それなのに実現できなかったのには理由がある。

北海道や東北、北陸など寒い地方のチームを中心に「積雪時には試合を開催できない」「屋内練習場がない」「寒くても快適な観戦環境が整っていない」といった強烈な反対が相次いだから。それはそうだよね。

Jリーグの野々村チェアマンが社長を務めていた札幌が本拠にしている札幌ドームみたいなスタジアムがあればいいけど、J2、J3には十分な屋根すらないスタジアムも多い。果たして、そんな環境で雪が降った時にサッカー観戦に行こうとなるかな。お客さんが減るのは目に見えている。クラブにとっては死活問題だ。

そもそもJ2、J3のチームからすると、ACLや日本代表なんて自分たちにはほとんど関係のない話。また、雪に不慣れな首都圏であれば、一気に何試合も中止になるリスクもある。

雪の問題以外にも、新卒選手はシーズン途中の加入になるなど、高校、大学との兼ね合いもある。

それらのデメリットをどうクリアするのか。「なるほど」という解決案が提案されたという話は今のところ聞こえてこないけど、それがないならシーズン移行は無理があるし、時間をかけて話し合っても意味がない。

個人的には、秋春制への移行よりも手っ取り早くできる、Jリーグの魅力を高める改革がほかにあると思う。

例えば、増やしすぎたJ1のチーム数(Jリーグ創設時10、現在は18、来季は20)を減らして、J1をプレミア化し、クラブ、選手の競争を厳しくすること。

そうすることで、J1のレベルは上がるし、選手の年俸も上がる。メディア露出の増加も見込めると思う。具体的には14チームくらいでちょうどいいんじゃないかな。

野々村チェアマンとはチェアマン就任後に食事をする機会があって、難しい問題が多いと話していた。また、僕は村井前チェアマンともよく話すんだけど、彼もチェアマン時代はあれこれ苦労していた。

大変な仕事なのはわかるし、応援したい気持ちはあるんだけど、今回も秋春制への移行は難しい。そう思わざるを得ないね。


構成/渡辺達也



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