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リオネル・メッシの周囲が、騒がしくなってきている。
 
メッシは今季終了時にパリ・サンジェルマンとの契約が満了を迎える。現時点で、契約延長にはサインしていない。また先日、無許可でサウジアラビアに赴いたメッシに対して、パリSG側から2週間の活動禁止処分が下った。
 
その後、メッシはクラブに対して謝罪を行った。だが次の夏の移籍は濃厚となっており、複数クラブが状況を注視している。
 
■バルセロナへの復帰
 
メッシの去就に最も関心を抱いているのは、バルセロナだろう。
 
メッシはバルセロナのカンテラーノ(下部組織出身選手)だ。2021年夏、サラリーキャップの問題を抱えていたクラブと契約延長で合意に至らず、退団が決定。涙を流しての退団会見は記憶に新しいところだ。
 
「メッシの復帰を望んでいる。そのテーマについて、我々は動いている。だがそれは私次第という話ではない」とはシャビ・エルナンデス監督の言葉だ。
 
カンテラ出身選手とヤングプレーヤーが台頭してきているバルセロナで、メッシの復帰はプラスに働くはずだ。ただ一方で、問題がないわけではない。サラリーキャップの件である。
 
今冬に発表されたサラリーキャップで、バルセロナのそれは6億4800万ユーロ(約1020億円)だった。しかし、これは夏の段階で放映権と商業権の一部を売却して換金した上での額である。ラ・リーガのハビエル・テバス会長が「バルセロナが補強を行うためには2億ユーロ(約300億円)くらい削る必要がある」と主張するように、現所属選手の減俸あるいは次の夏の選手売却というのは不可避だとされている。
 
メッシを獲得するために、誰かを売る。矛盾がないと言えば、嘘になる。そこにはジレンマがある。
 
■恩師と再会する可能性
 
また、メッシの新天地を考えた場合、候補に浮上するのがイングランドだ。
 
「現在、10年前のバルサのようなフットボールを展開しているのは、マンチェスタ・シティだ。そういう意味で、メッシに最適なクラブだと言える。メッシは(ジョゼップ・)グアルディオラと直接話をするべきだろう。最後にチャンピオンズリーグで優勝して、キャリアを終えるためにね」とはメッシの“発掘者”として知られるカルレス・レシャック氏の弁である。
 
気の早いメディアでは、メッシのいるシティのスタメンが予想されている。イギリス『デイリー・スター』ではGKエデルソン・モラーレス、DFナタン・アケ、ルベン・ディアス、ジョン・ストーンズ、カイル・ウォーカー、MFロドリ・エルナンデス、ケヴィン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバ、FWジャック・グリーリッシュ、アーリング・ハーランド、メッシの【4−3−3】が考慮されている。
 
■サウジアラビアとアメリカの関心
 
そしてメッシには、ヨーロッパ外、というオプションもある。
 
近年、力を付けてきているのがサウジアラビアのリーグだ。昨年、アル・ナスルがクリスティアーノ・ロナウドを獲得したのは、大きな話題になった。
 
現在、アル・ヒラルが、メッシの獲得に関心を示しているという。アル・ヒラルは年間4億ユーロ(約600億円)のオファーを準備しているとみられ、本気でメッシの確保に動こうとしている。
 
メッシに興味を抱いているのは中東のクラブだけではない。インテル・マイアミが、虎視淡々と機会を窺っている。デイビッド・ベッカム氏がオーナーの一人である、アメリカのクラブだ。キャリアの晩年、MLS(メジャーリーグ・サッカー)でプレーする選手は少なくない。
 
メッシは昨年、カタール・ワールドカップでアルゼンチン代表を優勝に導いた。
ジュール・リメ杯を獲得して、自身のキャリアに花を添えた。
 
だがメッシはコンペティティブな選手である。常に競争を、勝利を望んでいる。
 
夏のマーケットが本格的に開幕するのは7月だ。とはいえ、時間は永遠にあるわけではない。メッシの最後の決断に、注目したい。

森田泰史
スポーツライター
執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。



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