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 森保ジャパンが再スタートを切っている。次回ワールドカップに向けて、あらゆる角度からチームのレベルアップを目指している日本代表で、サッカージャーナリスト・大住良之は、ある選手に注目している。選外の続く旗手怜央に、1982年ワールドカップでの伝説的「黄金の4人」ではなく「黄金の5人」と呼ばれるべきだったブラジル代表選手を目指すべきだと説く。


■森保ジャパンの泣きどころ
 「森保体制第2期」がスタートした日本代表、選手層が厚すぎて優秀な選手をベンチに置かざるを得ないポジションもある一方で、手薄、あるいは決定的な選手に欠けるポジションもある。そのひとつが左サイドバックだ。

 3月の2試合(ウルグアイ戦、コロンビア戦)では、伊藤洋輝(シュツットガルト)とバングーナガンデ佳史扶(FC東京)の2人がこのポジションに起用された。しかしともに「合格点」とは言えず、「人材不足」は明白だった。

 伊藤は左利きの長身選手。所属クラブではセンターバックとしてプレーしている。ヘディングが強く、元来はボランチだったこともあって視野が広く、ロングパスも正確だ。だが味方とからんでサイドを切り崩し、チャンスをつくるという重要なポイントでとても物足りない。ウルグアイ戦では左サイドバックとしてフル出場し、コロンビア戦ではセンターバックとして先発、後半14分にバングーナガンデから瀬古歩夢(グラスホッパー)への交代が行われると、残り時間を左サイドバックとしてプレーした。

■長友の後継者は?
 バングーナガンデは2001年9月24日生まれ、21歳。「パリ五輪世代」の若い選手で、今回は「手元で見てみたい」という森保監督の希望による招集だった。スピードと突破力が持ち味だが、コロンビア戦ではそれを十分発揮できたとはいえなかった。いずれにしろ、ワールドカップ出場は「パリ経由」となる選手。まずはU-22日本代表で確固たる地位を築かなければならない立場だ。

 日本代表の左サイドバックは10年間以上長友佑都(FC東京)がポジションを不動のものとし、そこに2022年ワールドカップの予選期間中に中山雄太(ハダースフィールド・タウン)が台頭してワールドカップでは主力になるかもしれないと期待された。しかし大会直前に所属クラブの試合で右のアキレス腱を断裂するという大けがを負い、まだ復帰できていない。

 しかしこの中山も強さと高さはあるものの、攻撃にからむという点では十分満足なレベルとは言えない。1986年9月12日生まれ、現在36歳の長友が昨年のワールドカップで主力となり、現在も日本代表への待望論があるのは、仕方がない状況だ。

■驚きが続く日本代表での選外
 そこで浮上するのが、現在セルティックで攻撃的なMFとして活躍する旗手怜央の左サイドバック起用である。

 旗手は2022年1月に川崎フロンターレからスコットランドのセルティックに移籍、デビューから2戦目で鮮やかなミドルシュートを決めてファンの度肝を抜いた。2シーズン目を迎えた今季は、4-3-3システムの「インサイドMF」として完全に中心選手となり、実力を遺憾なく発揮している。「シーズンのMVP」に推す専門家も少なくない。

 しかし昨年のワールドカップでは選外。ことし3月の代表活動にも招集されず、日本だけでなくスコットランドでもファンに大きな衝撃を与えた。昨年来のセルティックでのプレーを追いながら、私自身、旗手なら攻撃的ポジションのどこでも十分チームに貢献できると考えていただけに、ワールドカップからもことし3月の活動からも漏れたのには少なからず驚いた。

 だが3月の日本代表2試合を見ながら、旗手を左サイドバックとして育ててみればいいのではないかと考えるようになった。ウルグアイとコロンビアを相手に左サイドの攻撃を担当した三笘薫(ブライトン)が期待どおりの活躍ができなかったのは、左サイドバックからのサポートが足りなかったためだ。左サイドバックがもう少し気の利いたポジションを取れていれば、三笘が自分の得意とする間合いでボールを受ける回数が大幅に増えていたはずだ。

大住良之



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