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◆国際親善試合 デンマーク女子1―0なでしこジャパン(11日、デンマーク・オーデンセ)

 なでしこジャパン(FIFAランク11位)は、アウェーでデンマーク(同15位)と対戦し、0―1で敗れた。後半33分にDF南萌華が痛恨のオウンゴール。攻撃面でも精彩を欠いた。今回の欧州遠征2連戦は1勝1敗。7日、ポルトガル(同21位)には2―1で逆転勝利したが、7月開幕の女子W杯メンバー発表前で最後の実戦では多くの課題を残した。元日本女子代表FWの大竹七未氏は「なでしこらしさが見えなかった」と厳しく指摘した。

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 なでしこジャパンは前半の立ち上がりをミスからゲームに入ってしまい、ホームのデンマークに勢いを与えてしまった。相手の勢いに押されてボールを下げることが多かった。DFラインまでボールを下げて、作り直し、前線へのフィードのところのパスが雑になってしまい、もったいなかった。

 デンマークはFIFAランク15位のBクラス。速さと強さがあるが、うまさは足りない。これがFIFAランク1位の米国、2位のドイツ、3位のスウェーデンなど世界のAクラスだったら、前半から失点を重ねてしまっただろう。

 後半33分、オウンゴールで失点した。DF南はヘディングでGK山下にバックパスするつもりが、山下とタイミングが合わなかった。この場合、リスク回避としてゴールの枠を外してバックパスしなければならない。W杯本番で同じ状況になった時、南は必ずゴールの枠を外したバックパスをするはず。いい経験になったと思うしかない。

 ミスからの失点は本当に精神的なダメージが大きい。ただ、この失点は南ひとりの責任ではない。あの状況をつくった全員の責任。誰かのせいにするのではなく、みんなでカバーし合うのがサッカーであり、チームスポーツだ。痛い失点の後、何人の選手が「次、切り替えよう!」と大きな声を出したか。ミスによる失点の後、反発力が見られなかったことが気になる。

 ひたむきさや頑張り。日本女子サッカー界のために戦い抜く、という、なでしこらしさが、この試合では見えてこなかったことが残念だ。

 なでしこジャパンは、うまさはある。前線からの守備は連動、連係ができている。でも、ボールを奪いきることができなかった。いい守備から攻撃につなげることができれば勢いがつくが、あと一歩足りなかった。

 攻守ともに、今のままではW杯の苦しい戦いは勝ち抜けないだろう。

 厳しい指摘が多くなってしまったが、期待しているからこそ、だ。19歳の藤野、18歳の浜野といった若手も台頭してきた。W杯まで、あと100日を切った。W杯では、本来のなでしこらしいプレーを見せてほしい。(元日本女子代表FW)

報知新聞社



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