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◆明治安田生命J1リーグ 第6節 湘南4―1G大阪(1日・レモンS)

 6試合でリーグワーストの15失点。G大阪は守備崩壊が止まらず、開幕から6戦未勝利のクラブワーストタイ記録に並んだ。前半21分、日本代表GK谷晃生のミスから失点。DFラインの裏に出たパスに飛び出したが、クリアではなくボールをつなごうと判断した一瞬の迷いが失点につながった。それでも取り返す時間は十分にあった。しかし反撃どころか、さらに前半だけで3失点。これはもはや、GKだけの問題ではない。

 自陣で守備を固めれば、失点は減る可能性は高い。しかしボールを動かして試合を支配するスタイルの構築を目指すポヤトス監督は「チームのやることは一切、変える意思はありません」と語っている。では改善点はどこにあるのか。失点を重ねる理由について、指揮官が語った「一言でいうと怖さ」という言葉が耳に残った。

 1失点目の直後。G大阪は自陣からビルドアップを開始しても、なかなか縦パスを通すことができない時間が続いた。するとサイド、または後方へとボールを動かす回数が増え、相手守備のプレッシャーを受けた。守備からショートカウンターにつなげたい湘南の術中にはまり、何度も決定機をつくられた。

 今季のG大阪は、ボールを大切にする意識が昨季より上がった。しかしチームの狙いは、自陣でのパス回しを増やすことではない。GK東口は言う。「監督は後ろでつなげ、とはひと言も言っていない。もちろん、GKも使って相手を外すプレーが必要なときもある。でも、狙いとしてはできるだけ相手陣地で回したい。今は(ボールを)失わないように後ろでつないで、(相手の)プレッシャーを受けている。それをもう一個、前でやらないといけない」。ここ数試合は個人のミスからの失点が続いた。その結果、ミスを恐れた消極的なパスが増えている現状からの脱却を訴えた。

 ここ3試合の8失点中、7失点が前半に集中した。敵のプレッシャーを受けやすいボールの動かし方をしていることで、特に相手の出足が鋭い前半の失点が止まらない、と見える。「ボールを大切に」という思いが先に立ち、安全策に見えて自チームの首をじわりと絞めるようなプレーが増えては本末転倒だ。GKがリスクのあるパスを狙う必要はないが、DFライン、特にセンターバックからタイミングを逃さず、縦パスを入れる意識を高める必要がある。勝利のためには、まず対戦相手の前に、ミスへの恐怖心という内なる敵に打ち勝つ必要がある。

【G大阪担当・金川誉】

報知新聞社



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