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【専門家の目|金田喜稔】セットプレー問題に言及「ゴールの可能性を感じない」

日本代表が抱える「絶対に解決しないといけない」課題とは?【写真:徳原隆元】

 森保一監督率いる日本代表は、第2次体制の初陣となった3月24日のウルグアイ戦で1-1と引き分け、同28日のコロンビア戦で1-2と逆転負けを喫した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、森保ジャパンが発足時から抱える“持病”について触れ、「次の2026年北中米W杯に向けて、絶対に解決しないといけない」と持論を展開している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)


   ◇   ◇   ◇

 2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)後から森保監督が日本代表を率い、22年のカタールW杯はベスト16に終わった。その後、森保監督の続投が決まり、新生日本代表として3月シリーズを終えたなか、金田氏は「新しいビルドアップの形にトライしていること自体は前向きに捉えられるが、機能していないのが実情だ」と指摘する。

「日本のストロングポイントは、やはり三笘薫と伊東純也の突破力。では、この個をどう生かすかというところで、カタールW杯からスタイルの転換を図り、効果的なビルドアップの形を模索しているのだが、思うようにハマっていない。3月の代表活動期間が短いこともあり意思統一が図れず、約束事も作れていないのは、ピッチ上の事象からも選手のコメントからも分かる」

 そんなビルドアップの課題とともに金田氏が挙げたのは、セットプレー問題だ。金田氏は「次の26年北中米W杯に向けて、セットプレーの問題は絶対に解決しないといけない」と力を込める。

「これまで日本代表には木村和司、名波浩、中田英寿、中村俊輔、遠藤保仁、本田圭佑と、名キッカーがいた。だが、森保ジャパンの5年前で『日本代表のキッカー』と言える存在が見当たらない。これは大きなマイナス点だ。正確なキックを持っている選手はいるだけに、育てるぐらいの感覚で取り組まなければ解決しないだろう」

 森保ジャパンの持病とも言えるセットプレー問題。金田氏は「日本が圧倒的な得点力を備えていたり、1点取られても2点を取り返すような攻撃的なサッカーができるのであれば話は別だが、貴重なセットプレーの機会でゴールの匂いがしないのは大きな問題だ」と説く。

「相手のレベルが高ければ高いほど1点の価値は増す。以前の日本代表はセットプレーが得点源の1つだったし、日本の武器の1つとも言えた。ところが今、極論を言えば全くゴールの可能性を感じない。むしろサッカーファンに聞きたい。『今の日本代表でセットプレーからゴールが決まる匂いを感じるか?』と」

 森保ジャパンは6月15日(対戦国未定/豊田スタジアム)と同20日(対戦国未定/パナソニック・スタジアム)に2試合を予定。9月の海外遠征、10月の国内2試合を経て、11月からW杯アジア2次予選兼アジアカップ予選に臨む。



[プロフィール]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

FOOTBALL ZONE編集部



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