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ジュビロ磐田から横浜F・マリノスへの期限付き移籍が21日に発表された杉本健勇の記者会見が、22日に行われた。開幕から2か月が経過したこの時期の移籍を「Jリーグでも稀な移籍」と杉本自ら表現する。30歳となった杉本はなぜマリノス“復帰”という決断を下したのだろうか。(取材・文:加藤健一)


 唐突なオファーだったという。

「話を聞いたのは1週間くらい前。ジュビロの状況を考えても、移籍するという予想はしていなかった。でも、そういう(移籍の)話を聞いたとき、自分の気持ちはそこにチャレンジしたいというものだった」


 ジュビロでプレーした昨季は30試合に出場(先発22試合)しながら、1得点という結果に終わった。シュート42本で1得点という結果に、杉本は悔しさをにじませる。

「(去年はジュビロで)チャンスがあった中で(ゴールが)取れなかったのは自分の責任だと感じているし、マリノスに来たら点が取れるという話ではない」

 杉本は昨年、ジュビロへ期限付き移籍で加入し、今季からは完全移籍へ切り替わっていた。「1年間ジュビロで試合に出て、降格してしまった。今年はその思いをぶつけようと思っていましたし、1年でJ1に上げようと本当に思っていた」と杉本は率直な思いを明かす。

 ジュビロというクラブへの思いは強いが、サッカー選手にとって1年1年の重みは大きい。「サッカー人生は長くないので、もう1回チャレンジしたいというのが僕の気持ち。マリノスから話が来たのは嬉しい反面、苦しい決断だった」。30歳となった杉本にとって、逃すことができない機会だった。

 28日に日本代表はワールドカップ後初の試合を行うが、最年長メンバーは30歳のシュミット・ダニエル、遠藤航、伊東純也といった顔ぶれだ。彼らと同じ92年生まれ(遠藤と伊東は早生まれ)の杉本にとって、日本代表という舞台はサッカー選手としての野心でもある。

「ここ(マリノス)で活躍して代表にも帰りたいと本気で思っています。次のワールドカップは年齢としても最後だろうし、そこにチャレンジしたい」

 そして、今回の復帰に際し、マリノスへの思いを改めて口にしている。

「隠すつもりもないですけど、21年にプレーして以来、ここ(マリノス)でプレーしたいと思っていた。ただ、契約の問題もあった。いつかまたやりたいなという思いはずっと胸にあった」

 思い通じてのマリノス復帰。しかし、ポジションも出場機会も保証されていない立場からのスタートとなる。マリノスの1トップはアンデルソン・ロペスが不動で、V・ファーレン長崎から移籍してきた植中朝日、関東学院大学から加入した村上悠緋も虎視眈々と出場機会を狙う。「勝ち取らないといけない」と言う杉本も、当然その立場を理解しているはずだ。


 活躍のヒントは1年半前にあるかもしれない。21年の在籍時はリーグ戦11試合の出場で3得点を挙げた。ほとんどが途中出場だった中で決めた3つのゴールはすべてヘディングだった。水沼宏太、永戸勝也ら精度の高いクロスを上げる選手との連係を深めれば、21年以上の活躍も可能になるはずだ。

「やるべきことはマリノスとジュビロで違うので、自分の特徴を活かしてゴールに絡んでいくという自信はあります。(合流して)まだ2日ですけど、フィット具合はいい感じですし、選手ともいろいろ話していて順調に来ている」

 Jリーグ制覇とワールドカップ出場という野心を胸に、杉本健勇のマリノス第2章は幕が上がる。

(取材・文:加藤健一)

フットボールチャンネル編集部



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