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◆明治安田生命J1リーグ▽第5節 横浜FM2―1鹿島(18日、日産ス)

 【横浜FM担当・小口 瑞乃】横浜FMはホームで鹿島に2―1で勝利し、3試合ぶりの白星をつかんだ。後半11分にDF松原健がスーパーミドルシュートを決めて先制。6分後にオウンゴールで加点した。同23分に失点を喫したものの、30年間続く「オリジナル10」同士の一戦を制した。

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 横浜FMの攻撃をけん引するMF西村拓真が、試行錯誤を重ねている。今季リーグ5試合で先発出場。圧倒的な運動量で攻守に効いた存在となり、トップ下でのチャンスメイクやゴール前への走り込みで自身も得点を奪う。ゴールを決めた後も「物足りない」と満足感を示すことはめったにない。飽くなき向上心の持ち主だ。

 向き合っているのは「走りの質」。フル出場する多くの試合で走行距離は13キロを超える西村だが、2月25日・浦和戦ではJリーグ歴代3位の14・379キロをマークした。驚くべき数字だが、数字に対する喜びや達成感はなく、むしろ「走らされている感覚」とポジティブに捉えていなかった。コーチ陣からも指摘を受けたといい、映像で研究中。「無駄な動きが多いことが分かった。守備で走らされていることも多くて、自分が走ることで味方のスペースが消えてしまうこともあった。力の使いどころやプレー強度はもっと伸ばせる。走りの質を上げる、賢く走ることができるように」。鹿島戦でも、トライする姿があった。

 「あえて走らないことを意識していた」と動きすぎず、味方のためのスペースを作る働きをした。この日は鹿島の中盤に激しくマークされていたこともあるが、逃げるのではなく我慢することを選んだ。走行距離は85分間のプレーで11・641キロ。まだまだトライの最中で、体得しつつある”賢い走り”を、より大事にしている「味方とつながる」プレーにつなげていくことが求められる。シュートは0本だっただけに「もっとゴールに絡むシーンは増やせたし、増やさないといけない」と課題も忘れず、高いレベルを見据えていた。

 昨年7月のE―1選手権以来となる、2度目の日本代表メンバー入りを果たした。国内組が中心だった前回とは違い、海外組の選手が大半。2列目の起用であれば、MF鎌田大地らがライバルとなる。「僕の良さを評価されて選出されていると思うので、人と比べるのではなく強みを出したい」。自慢の走力を生かしてチームのために汗をかくことはもちろん、よりワンプレーにおいてパワーが求められる国際試合では、ポイントを抑えて力を出すことも欠かせない要素になるはずだ。

 連覇を目指す上で、連敗は避けなければいけない。前節・札幌戦は0―2と完敗を喫したが、ホームで決して内容に満足いかないながらも勝利を収め、「とにかく勝てて良かった」と、どこかホッとした様子もあった。3試合ぶりの勝ち点3を弾みに、代表活動へと臨む。

 横浜FMに昨季加入した当初、日の丸への意識を問われると「あまり考えていない」と答えた。しかしE―1選手権を経験したことで、「国を背負って戦うことのうれしさや責任を感じた。また行って戦いたい気持ちが本当にわいてきた。もっともっとそういう舞台で戦いたい」と思いは変わった。「ギラギラと」「やってやる」「遠慮なんていらない」といった、貪欲さを前面に出す言葉が増えたように感じる。第2次森保ジャパンの中で、賢くも泥臭く、熱く戦う西村の姿を見たい。

報知新聞社



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