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 ラ・リーガ第22節、レアル・ソシエダ対セルタが現地時間18日に行われ、1-1のドローに終わった。ここにきて足踏みが続いているソシエダ。日本代表MF久保建英とエースであるミケル・オヤルサバルの連係は魅力だったが、イマノル・アルグアシル監督を悩ませる問題はどこにあるのか。(文:小澤祐作)


●10人相手にドロー

 来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を目指すレアル・ソシエダが、ここにきて足踏み状態だ。現地18日に行われたセルタ戦を1-1のドローで終えたことで、リーグ直近4試合の成績が1勝2分1敗となっている。

 イマノル・アルグアシル監督は、セルタ戦の結果を「フェアだ」と評した。確かにセルタは、90分間攻守において高い集中力を維持した好チームだった。しかし、だからといって勝ち点1で満足できるようなゲーム内容でなかったことは事実。確実に勝ち点3を奪っておくべきだった。

 ソシエダは開始わずか5分で先制に成功。着実にコンディションを上げてきているエースのミケル・オヤルサバルがさすがのシュートセンスを披露した。

 その後はお互いにチャンスを作りながらもスコアは動かず、時計の針は70分を過ぎた。すると、74分に交代で入ったばかりだったレナト・タピアが退場。数的優位を得たソシエダの勝利はこの時点で確実かに思われた。

 ところが、試合の流れはそこからセルタに傾いた。そして後半アディショナルタイム、ロビン・ル・ノルマンが痛恨のオウンゴールを献上。勝ち越し弾を奪いにいく時間は残されておらず、土壇場で勝ち点2を取り逃がしてしまった。

 では、なぜソシエダは終盤までリード、そして数的優位を得ながらも白星をあげることができなかったのだろうか。

●システム変更後に安定しないのは…

 3-2で勝利した前節のエスパニョール戦後、アルグアシル監督は「怒っている」とコメントを残した。3-0でリードしながら、終盤に一挙2点を失って相手を“復活”させてしまった守備に大きな不満を抱いていたからだ。

 その軟弱な守備が今節も露呈してしまった。

 ソシエダはオヤルサバルが復帰したこともあり、それまでの4-3-1-2から4-3-3にフォーメーションがチェンジしている。最も大きな違いはやはり中盤の人数で、前者では外側のスペースを使われることはあったが、中央を締めることはできていた。しかし、後者の場合は中盤の人数が減るだけでなく、選手1人ひとりの間が空きやすい。それゆえ中盤で相手を食い止めること、またセカンドボールの回収が困難となり、いとも簡単に深い位置までの侵入を許してしまうケースが増えた。

 たとえば62分の場面では、ディエゴ・リコのプレッシャーをかわし中に侵入したカルレス・ペレスに対して誰もカバーリングできず。ズルズルとラインを下げられ、最後はマルティン・スビメンディの背後と脇のスペースを突かれてフィニッシュに持ち込まれている。66分にも、ドリブルでハーフスペースを突いた相手に誰も寄せられず、ハリス・セフェロビッチに背後に抜け出されて決定機を作られている。このように、ファーストDFが外されるとほぼ高確率でシュートに持ち込まれてしまうのが、ソシエダの致命的な弱点だった。

 また、終盤のアルグアシル監督のベンチワークが裏目に出てしまったのも痛かった。

 1-0でリードしているかつ相手が10人という状況で、アルグアシル監督は80分過ぎに一気に4人の選手を入れ替えた。しかし、ピッチに入った選手のパフォーマンスがことごとく低く、とくにパブロ・マリンはわずかな時間の中で2回も致命的なミスを犯し、セルタに決定機を与えている。相手に「いけるぞ」という雰囲気を作らせてしまったのは確かだった。

●久保建英とエースの連係は魅力

 4-3-3を採用したレアル・マドリード戦は1-1、4-3-2-1採用のバジャドリー戦は0-1、そして4-3-3採用のセルタ戦は1-1と、4-3-1-2以外の戦績がやはり安定しないソシエダ。では、4-3-1-2に戻すべきなのかというと、それもまた難しい問題と言えるだろう。

 先にも記したが、4-3-3はオヤルサバルが復帰したことで採用されたものだ。同選手の強みが最も発揮されるのは左ウィングのポジションであり、実際2トップの一角として出場していた時のパフォーマンスはそれほど目立っていなかった。オヤルサバルを使うならば、4-3-1-2への回帰は考えられないのだ。

 また、ソシエダの4-3-3は守備面に課題があるが、攻撃面には少なからずメリットがある。久保が高い適応力を発揮してエースであるオヤルサバルとうまく連係しているからだ。オヤルサバルの先制ゴールは久保の絶妙なスルーパスから生まれており、65分にはこの2人でセルタ守備陣を攻略して決定機を作った。コンディションを上げてきたエースのオヤルサバル、FIFAワールドカップカタール2022後絶好調の久保をウィングに置くことで、ソシエダは以前よりも攻撃に怖さが増したと言ってもいいだろう。

 試合中に4-3-3から4-3-1-2に可変するという手もあるが、そうなると恐らく久保の負担がかなり大きくなり、それはそれで攻守の強度が落ちるので得策とは言えない。やはりアルグアシル監督が詰めなければならないのは、4-3-3でどう守備を整備するかという部分になるはずだ。

(文:小澤祐作)

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