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 ◇FIFA W杯カタール大会決勝 アルゼンチン3―3フランス(2022年12月18日 ルサイル競技場)

 サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝が18日に行われ、アルゼンチン代表がフランス代表に3―3(PK戦4―2)で勝利し、36年ぶり3度目の優勝を果たした。FWリオネル・メッシ(35=パリSG)はPKによる先制点を挙げるなど貢献。延長戦では値千金のチーム3点目を決め“最後のW杯”となる5回目の出場で悲願の初優勝を手にした。

 “神の子”ディエゴ・マラドーナ氏がW杯優勝トロフィーを掲げてから36年、アルゼンチン国民が待ち望んだ3度目の栄光をもたらしたのは、同じ“神の子”メッシだった。

 バロンドール(世界最優秀選手)最多受賞7回、欧州CL優勝4回、スペイン1部得点王8回など欧州で数えきれないほどのタイトルを手にしてきたメッシだったが、アンダー世代では北京五輪優勝などを飾るもA代表としては一度もタイトルが獲れず。14年W杯ブラジル大会では決勝(ドイツ●0―1)で敗れるなど“アルゼンチン代表では輝けない”と周囲から言われ続けてきた。

 しかし、風向きが変わったのは昨年7月の南米選手権。4得点5アシストの活躍でチームを93年以来11大会ぶりの優勝へ導き、大会MVPも獲得。メッシは試合後、仲間と抱擁を交わしながら感極まって涙を流し「悲しい思いをしてきたけど、いつか優勝できると思っていたよ」とA代表での初タイトルに喜びを爆発させた。そして、これが14年W杯決勝でドイツに敗れたマラカナン競技場で宿敵ブラジルを破っての優勝という巡り合わせに「神様がこの瞬間を取っておいてくれた」とコメントした。

 それでもアルゼンチン国民にとって最も熱望していたのはW杯のタイトル。そしてそれこそが唯一メッシが手にしていない“最後の栄冠”となった。

 35歳となり迎えた「最後のW杯」として臨んだ5度目の大舞台は、1次リーグ初戦サウジアラビア戦でまさかの黒星発進。いきなり“崖っぷち”に追い込まれたがメキシコ、ポーランド相手に2連勝を飾り同組を首位通過。メッシもチームも試合を重ねるごとに状態を上げ、オーストラリアとの決勝トーナメント1回戦では見事な股抜きシュートを決め、W杯通算得点でマラドーナ超えを達成。過去4大会16強以上ではゴール決められなかった“ジンクス”も破って見せた。

 続く準々決勝オランダ戦ではPKを決め、節目の通算10点目。今度はバティストゥータが持つアルゼンチン代表の歴代最多記録に並んだ。また、この試合ではイエローカード乱発など“大荒れ”の展開となり、試合後「何見てんだよ、バカ野郎」と相手選手に対し珍しく声を荒げた。ここでの発言が世界で波紋を呼んだが、メッシがこの大会に懸ける“情熱”が感じられる印象的な場面だった。

 準決勝クロアチア戦はPKからゴールを決め、通算11得点でアルゼンチン代表として最多得点新記録も樹立。後半24分には相手DFを翻ろうする圧巻のドリブル突破から追加点をアシストするなど3試合連続のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に輝き、今大会通算5得点3アシストとして、得点だけでなくアシストランクでも首位タイに浮上した。

 そして悲願のタイトル獲得へ決勝戦でも先発出場。ローター・マテウス(ドイツ)と並んでいたW杯最多記録出場試合数を「26」とし、新記録を樹立。W杯出場時間でもパオロ・マルディーニ(イタリア)が持っていた史上最多「2217分」を超え、ここでも新たな大記録を樹立した。

 前半23分、ディマリアが敵陣左サイドのエリア内で倒され得たPKを冷静にゴール右隅に決め、決勝トーナメント4戦連発となる先制ゴール。延長後半には右足で勝ち越しゴールを押し込み得点ランクトップに並ぶ今大会7点目を挙げた。その後、エムバペがハットトリックを達成し最年長得点王は逃したが、自身初、そして母国にとっては36年ぶり3度目Vに貢献。数々のW杯記録を打ち立て、歴史の1ページに“新たな伝説”を刻むことになった。










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