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サッカー日本代表キャプテンの吉田麻也選手が、元日本代表DF中澤佑二さんと対談。憧れだと語る中澤さんに、どんな思いでW杯を戦ったのか、本音を明かしました。

3大会目のW杯出場となった吉田選手は今大会、フィールドプレーヤーでは日本唯一のフル出場。しかし目標に掲げていた"ベスト8入り"は果たせませんでした。

中澤「今回のW杯振り返っていかがですか?」
吉田「もう1個勝ちたかったなと。あと一歩届かなかったというのは、個人的には2回目。またかという気持ちと、このチームで1日でも長くやりたいな、チームメートと喜びを分かち合いたいなというのが強かったです」


対談をする吉田選手と中澤さん

♢ ♢ ♢

■ドイツ戦、喜ぶチームメートとは歓喜を分かち合わず・・・

グループリーグでは、優勝経験のあるドイツとスペインに逆転勝利を飾った日本代表。初戦のドイツ戦で浅野選手の逆転ゴールが決まった後、ピッチには選手たちの歓喜の輪ができましたが、ここに吉田選手の姿はありませんでした。

吉田「すぐベンチに行って『どうするんですか!?』って聞きました」
中澤「このままいくのか、それとも守るのか」
吉田「このチームになって逆転勝ちがあまりなくて、僕も実は内心不安なところでした。
W杯でワーって喜んでいる姿はずっと(映像として)使われるじゃないですか。それ捨ててでも、次どうするの?っていうのを意識しました」

■スペイン戦は途中出場のアセンシオを最重要警戒

第3戦のスペイン戦では後半6分に逆転し、守る時間が長くなった日本。吉田選手はスペインで最も要注意に挙げていた人物がいました。

吉田「何とか集中しなきゃという時間が続き、途中残り20分ぐらいから『ああ、もうこの形いけるな』と思いました。守り切れるパターンだなって思ったんですけど、アセンシオ選手が入ってきて、1年半前にやられてますし」

吉田選手がオーバーエイジ枠で出場した東京五輪。3位決定戦でアセンシオ選手が左足で放ったシュートが決勝点となり、日本はメダルを逃していました。

吉田「東京五輪ではアセンシオ選手の左足にやられているから、みんな左足を叩いて、足出せってずっと言っていました」

選手たちは必死な声かけと、体を張ったブロックでアセンシオ選手のシュートを封じ、1点のリードを守った日本が決勝トーナメント進出を決めました。

吉田「東京五輪で負けたのも、このための伏線だと思って戦ってきたので、今大会で回収したかったので良かったなと思いますね」
中澤「すごく感動的だったのが、試合終了のホイッスルなった時にこうやったでしょ(天を見上げてキス)。そこにみんなが集まってきて、いいキャプテンなんだろうなって思いました」


スペイン戦に勝利した後、吉田選手のもとに集まってくる選手たち(写真:新華社/アフロ)

吉田「(ピッチの)上にカメラがあるじゃないですか。それが来ていたので、日本のみんなにありがとうの意味を込めてやりました。僕は的が大きいので、みんなが来てくれて(笑)」
中澤「俺も現役の時にやっておけば良かった笑」

■クロアチアとのPK戦「練習ではスパスパ決めていた」

そして迎えた決勝トーナメント1回戦。クロアチアとの戦いはPK戦までもつれ込みました。

吉田「PK戦がある試合の前は、PKの練習をするじゃないですか。みんな結構スパスパと決めていたんですよ。だから自信を持っていきました」

しかし1番手の南野拓実選手は右サイドに蹴り失敗、2番手の三笘薫選手は左サイドに蹴り失敗し、4番手となったのは吉田選手。

中澤「南野選手が右で止められて、三笘選手が左で止められたので、これは一番迷うパターンだって見ていて思いました」
吉田「ボール置く時にちょっと『うーん』って思いました」

吉田選手のPKも外れ敗退した日本。ベスト8入りまであと1歩届きませんでした。

■38歳で迎える4年後の挑戦は?「W杯はやっぱり楽しい」
初めて吉田選手と中澤さんが対談したのは2021年7月。そのとき吉田選手は「吉田麻也は中澤さん、(田中マルクス)闘莉王さんの亡霊を追いかけちゃっている。どうやったら超えられますか?」と尋ねると、中澤さんは「もうワールドカップでもベスト8いくしかない」と答えていました。

中澤「まだ亡霊は見えますか?」
吉田「見えますね、見させてください。実は闘莉王さんから連絡をもらって、『本当におめでとう、本当にすごかったよ』って。お二人の言葉は僕にとってちょっと(重みが)違うなと思います」

現在34歳の吉田選手、今後の代表活動については。

吉田「正直大会前は迷っていました。そのときの感情に委ねようと思っていて、それは家族にも話していました。もしかしたら最後になる可能性もあると思っていたので。そういう覚悟も一応持っていましたが、W杯をやったらやっぱり楽しいですね」
中澤「4年後をイメージできます。ベスト8、本当に優勝を目指して、僕たちの亡霊なんて、もうそれで吹き飛ばしてください!」
吉田「それで吹き飛ばしたいです!」

吉田選手の長い戦いは、また新たに始まりました。 










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