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FIFAワールドカップ・カタール大会のグループステージの第4日4試合が23日、現地で行われ、日本代表がドイツ代表に2-1で逆転勝利、勝ち点3を奪った。PKで先制を許したが、後半に入って森保監督が5選手を交代させて3バックにシステムを変更。その采配がズバリ的中して、堂安、浅野のゴールで逆転した。W杯優勝4度でFIFAランキング11位のドイツを同24位の日本が破った歴史的快挙を海外メディアも「衝撃の勝利」と伝えた。

「日本は知性と素晴らしいクオリティを見せる」
 ドーハに奇跡が起きた。前半33分にGK権田の犯したミスからPKで先制点を奪われ、ドイツに縦横無尽に中盤を支配されていた日本だが、後半に入ると長友に替えて冨安を投入して3バックにシステムを変更。さらに三笘、浅野、堂安。南野と次々と攻撃的な選手を投入してリズムを奪い返すと、後半30分に堂安が同点ゴール。さらに同38分には板倉のロングパスに反応した浅野が個人技で名GKノイヤーの鉄壁の守りをこじあけて逆転ゴールを奪い、そのまま逃げ切り2-1で逆転勝利したのだ。格上を倒した日本の歴史的な勝利を海外メディアも大々的に取り上げた。
 欧州をカバーするスカイスポーツは「終盤の堂安と浅野のゴールが衝撃の勝利を生む」との見出しを取り、「日本がW杯初戦に終盤の反撃でドイツへ衝撃を与えた。日本はこれまで欧州のチームを相手に(W杯で)勝ったことはなかったが、ドイツのミスと(得点)機会を逃したことにつけこみ、グループEの初戦でとびきりの勝利を手にした」と伝えた。 
 同記事は、元イングランド代表DFで評論家のガリー・ネビル氏の感想を紹介。同氏は「私はドイツの勝利を期待していただけに大変ショックだ。日本は本気で、ドイツがうまくやらねば、サプライズを受けるということを示した。2つ目の(堂安の逆転)ゴールで驚かされたことは、GKのマヌエル・ノイアーが体をそらしてボールの通過を許したことだ。普段のノイアーは力強く立ち塞がる素晴らしいキーパーだ。この結果は、大会を通じて衝撃波となった」と語った。 
 また元アイルランド代表の“闘将”ロイ・キーン氏も、日本の勝利を絶賛した。
「日本の監督の采配は称賛に値する。前半にリードされていた彼は(選手、戦術の)変更をしなければならず、(後半に)リフレッシュすることは彼のゲームプランの一部だった。非常に論理的だった。2ゴール目(堂安の逆転ゴール)のノイアーの対応については疑問が残るが、日本の勝利を妬む必要はない。日本の魂、戦い、エネルギーになんの疑いもなかったが、彼らは知性と素晴らしいクオリティーを見せた。控え選手が、試合のテンポを上げることができない場面はよく見かけるが、彼ら(交代選手)は全員が他のチームメートを高めるインパクトを持ち、試合に影響を及ぼした。彼らは自分たちの国を高揚させたのだ」
 米スポーツ専門チャンネルのESPNも「最も新しいW杯の衝撃…ドイツが日本に終盤の仰天反撃を食らう」との見出しを取り、「サウジアラビアのアルゼンチンへの勝利の後に、格下だと思われていたチーム(日本)が圧倒的に有利なチーム(ドイツ)を打ち負かす、また新たな逆転の番狂わせを起こした」と、日本の歴史的勝利を報じた。
 記事は、「4年前のロシア大会で、日本はベルギーを打ち倒しW杯の準々決勝に進出する寸前だった。今大会ではW杯4度優勝のドイツを破り、疑いなく彼らがこれまで手にしてきた最大の衝撃でスタートを切った」と2018年のW杯ロシア大会の決勝トーナメントの初戦でベルギーに2-0とリードしながら、2-3と逆転負けした試合を引き合いに出し、ドイツ戦の勝因について、こう分析した。
「平静さを保ち、選手変更で試合を変える力をチームが示したことが勝因だった。日本は前半のカウンターアタックの戦術から後半は、より中盤での激しいプレッシングに変え、速攻のスタイルでドイツを混乱させた。5人の選手交代がなければ、彼らが状況を好転させられたかは定かではない」と森保監督の采配を称えた。 
 
 英BBCは「日本の森保一監督がドイツへの『歴史的勝利』で歓喜」との見出しを取り、元イングランド代表のストライカーだったクリス・サットン氏の声を紹介した。
「なんと奇妙なW杯、変わった試合だろうか。前半はドイツがコントロールして日本に流れはなかった。だが、突然、日本は彼らが戦えることを見せつけた。浅野が素晴らしいゴールでノイアーを抜いてゴールを決めた」
 同氏は、さらにこう続けた。
「日本が抵抗を見せたことでグループEはとても面白くなった。現段階で(どのチームが決勝トーナメントに進むのかの)予想がつかない」
 一方、敗れたドイツのテレビ局「ドイチェ・ヴェレ」は「ドイツがW杯初戦で日本に敗れる」との見出しで衝撃を伝えた。
「前半にイルカイ・ギュンドアンのPKで先制したが、後半に日本の交代選手が、センセーショナルな逆転を完結させたことでドイツが2大会続けてW杯初戦で敗戦を味わった」
 ドイツがロシア大会でもグループステージの初戦でメキシコに0-1で敗れ、決勝トーナメントに進めなかったことを紹介。「ハンス・フリック監督のチームはFIFAが(差別に抗議する)『One Love』腕章の使用を禁止したことに対する抗議で試合前の写真撮影で口を手で隠していたが、彼らのサッカーが語りかけてくることはなかった」と続けた。
 そして試合後のトーマス・ミュラーの「ショックを受けている。我々の戦い方で、通常であれば、勝てる試合だっただけに当惑している。我々は支配していて、ボールがあるところ、ないところで譲ることはほとんどなかった。集中してゲームをしていたと感じていた。しかし、目の前にあるチャンスをものにできなければ勝つことは難しく、あのような反撃でゴールを許してしまった。今、我々は、この敗戦を振り払って、体を回復させてスペイン戦に勝つために臨む必要がある」という声を紹介した。

 同じくドイツの「ビルド」紙も「大失敗のスタート」との見出しを取り、「代表チームはW杯初戦で格下の日本に1ー2で敗れ、恥ずかしい思いをした。この大失敗は、メキシコに0-1で敗れ、初めてグループステージで敗退した2018年のロシア大会での激しいトーナメントを強く彷彿させる。ゴールチャンスのずさんな処理だけでなく、守備も不安定で穴だらけに見えて不注意なボールロスが目立った」と、厳しい論調で母国の敗戦を叩いた。
 同紙は別記事で、試合後にギュンドアンが語ったコメントを「爆弾発言」「チーム批判」と問題視した。
 マンチェスター・シティでプレーしているMFのギュンドアンは、「2点目のゴールを簡単に取られてしまったのはどうかと思う。あんなことが起きてはいけなかった。我々がゲームを支配していたと思うし、後半マヌエル(ノイアー)に救われたが、かなりのチャンスがあったのにゴールにつなげられなかった。後ろからボールを持って出ていく信念が少し不足していた。もっと動かなきゃいけないし、積極的にいかなくちゃいけなかった。後半はロングボールに頼りすぎた。そして短いパスは、あまりにも簡単に取られた。誰もがゴールを欲しがっていないと感じた」とコメントしたが、この「ゴールを欲しがっていない」という部分がドイツメディアには引っ掛かったようだ。 










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