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【W杯現地発 カタールは今日もクレージー】#1

 ボンジーア!(こんにちは!)日本の皆さん! ついにカタールでW杯が始まるね。今回は異例ずくめの大会。冬のイスラム圏での開催。エミール(首長)の鶴の一声で全てが決まるのがこの国で、カタールが登場する開幕日が、いきなり前倒しになったのも、皆さん記憶に新しいんじゃないかな? つまり何が起こるかわからないというわけだ。ボクは8日にカタール入りするんだけど、前代未聞のW杯の裏側を語りながら一緒にカウントダウンしていこう!


 ◇  ◇  ◇

 カタールではホテル不足が深刻。人口290万人の国に150万人ほどがやってくるわけだから、それも当たり前だ。とにかく値段が高く、かくいう私も予約していたホテルが値上げし、万が一のために寝袋を買ったところだ(笑)。

 選手たちも悩んでいる。彼ら自身は困らないが、問題は応援に来てくれる家族。しかし金持ちの発想は違うね。彼らはホテルなんて予約しない。その期間、家を一軒借り切ってしまうんだ。

 例えばメッシ(アルゼンチン)は、プール付きの豪邸をこの春から押さえている。チームの宿泊先にも近いので、オフの日には自分もここで英気を養えるってわけだ。ちなみに家賃は月1850万円。さすが時給200万円の男だ。

■ネイマールは友人用を含めて二軒

 どこへ行くにも取り巻きと一緒のネイマール(ブラジル)は、家族用の他に友人用の家も借りた。毎回、奇抜なヘアスタイルが話題になるため、専属のヘアスタイリスト2人も帯同させている。ネイマールが借りた家は1軒が週300万円。「思ったよりも高い」と嘆いているらしい。

 彼らほどでないにしろ、選手たちが共同で家を借りたり、出場国のサッカー協会がアパートを借り切ったりと、カタールは今、空前の賃貸ブームだ。

 現地の豪華物件のほとんどは金持ちの自宅で、彼らはW杯期間中バカンスに出て高額で家を貸す。そもそもカタール人の多くは、サッカーに興味がない。1カ月のバカ騒ぎから逃れられ、おまけに金儲けができて一石二鳥っていうわけ。さすがアラブ商人。商機にはさとい。

突然家を追い出された英国人家族

 賃貸沸騰で泣くのは一般人だ。高額で家を貸し出すために大家から追い出される例が後を絶たない。

 ある英国人家族は、家を空けるよう突然言われた。彼らは月35万円の家賃を払っていたが、予約サイトを見るとその家が1泊25万円、最低14泊の条件で出されていたという。

「不当な扱いを受けた借り主は申告するように」と政府に奨励されても、この独裁国家で危険を冒す者はいないだろう。

「この大会はカタールに住んでいるすべての人のもの」

 このスローガンがむなしく聞こえる。W杯によって苦しめられる人が多いのが、カタールの現状だからだ。

 さて! 2回目は「カタールで恋人とキスをしたら……」の話をしよう。

 アテ・アマニャン!(また明日!)

(リカルド・セティオン/ジャーナリスト)

▽翻訳=利根川晶子(とねがわ・あきこ) 埼玉県出身。通訳・翻訳家。82年W杯を制したイタリア代表のMFタルデッリの雄叫びに魅せられ、89年からローマ在住。90年イタリアW杯を目の当たりにしながらセリアAに傾倒した。サッカー関連記事の取材・執筆、サッカー番組やイベントで翻訳・通訳を手がける。「カカから日本のサッカー少年へ73のメッセージ」「ゴールこそ、すべて スキラッチ自伝」「ザッケローニ 新たなる挑戦」など著書・訳書多数。 










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