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◆明治安田生命J1リーグ第33節 湘南3―0鳥栖(29日、レモンガススタジアム)

 湘南がホームで鳥栖を3―0で倒し、残留を大きく引き寄せた。FW町野修斗が2ゴール。清水FWチアゴサンタナへ1差に迫る得点ランク2位タイ(12点)とした。9月の日本代表のドイツ遠征で得た自信と風格。23歳は積極性だけでなく確実性も増している。J屈指のストライカーへと変貌しつつある男が今季最高のゲームを創り上げた。

 前半7分だ。フリーで駆け上がると右クロスに「良いボールが上がってきた。簡単なヘディングだった」とネットに軽々と突き刺した。同21分にはショートカウンターから得たボールを受けると、ペナルティーエリア手前から右足でループ気味のシュートを突き刺した。

 2トップで先発したが、時折中盤まで落ちてビルドアップに参加。前線では屈強なフィジカルを生かし、起点やポストプレーでチャンスメーク。2得点後はマークが厳しくなったが、後半10分にはペナルティーエリア手前からFKを放った。ゴール以外の場面でも輝きを放ち、両軍の選手だけでなくサポーターの目線も釘付け。日の丸を背負うことに違わない存在感をみせた。

 ドイツ遠征では米国戦に途中出場。確かに無得点に終わり、海外組との初セッションは不発。存在感も出せなかった。だが合流からわずか数日で初対面の選手たちと連携し、W杯出場国相手に結果を出せというのは酷というもの。

 それ以上に同じピッチに立つことで得るものがあった。「たくさんの部分でレベルが1つ、2つ違った。(帰国しても)取り組む姿勢を意識している」と自ら課題を自覚し、目指すべきものがみえてきたようだ。前回出場した前々節のFC東京戦では約60メートルを強引なドリブルで右サイドを駆け上がり、自らネットに突き刺した。

 代表選出以前はどちらかというと味方との連携でゴールを決めていた。だが海外組と接することで自ら試合を決めるというストライカーとしての良い意味での「エゴ」が生まれたようだ。初の海外遠征の疲労も抜けた。目覚めた23歳は、自らの手で試合を決めた。

 昨季から指導する山口智監督は「ポテンシャルはあり、昨季から2ケタはとれるといっていた。フワフワしているところがあったが、周りがキャラクターとプレーを認めてきた」。信頼と自覚で表情からも自信がみなぎってきた。今季開幕・柏戦ではスタメンですらなかったが、閉幕前にはカタールW杯メンバーの最終候補にも名を連ねたシンデレラボーイ。湘南へも「戦術・町野」と言っても過言ではないオプションをもたらし、残留を近づけている。(湘南担当・山田 豊)

報知新聞社










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