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【W杯まで1カ月 日本代表欧州組を直撃】#3

 南野拓実(27歳・仏1部・モナコ)

「鎌田大地(フランクフルト)よりも序列が下」「代表落選危機」などと酷評されている森保日本の背番号10・南野は確かに9月のドイツ遠征2連戦のエクアドル戦では見せ場をつくれなかった。


「ピッチが良くなかったんで、ワンタッチでしっかり止めて前を向いたり、ボランチとの関係性を良くして、前向きな選手を早く見つけて出したかったけど、距離感が良くなかった。しっかり収めて前を向いていく力は課題だと感じたし、もっとシュートに関わっていきたい」と本人も悔しさをにじませた。<迷えるエース>の復活はなるのか?

  ◇  ◇  ◇

 2018年9月に発足した森保日本は、中島翔哉(アンタルヤスポル)、堂安律(フライブルク)、南野の「三銃士」の推進力がウリだった。

 だが、中島がアルドゥハイル、ポルトへの移籍で困難に直面。堂安もPSVでコンスタントに出番を得られなかったことで定位置を失う形になった。そんな中、ザルツブルクからリバプールへと飛躍した南野だけが主力の地位を維持。中島から「10番」を引き継いだのも当然の流れだった。

 しかし、最終予選で基本布陣が4-3-3にシフトしてから不穏な空気が漂い始めた。本職ではない左サイド起用が増えて得点数が激減。一気に台頭した三笘薫(ブライトン)を先発に抜擢すべきという声が高まった。

 それでも森保一監督は使い続けたが、9月のドイツ遠征から4-2-3-1に戻した後、南野を「トップ下の控え」に位置付けるようになった。

 南野自身は、エクアドル戦が主力奪回の好機だったが、アピールは不発に終わり、今夏赴いた新モナコでのプレーに集中するしかない状況だ。

「モナコでは(今季初ゴールを決めた9月18日の)スタッド・ランス戦のように右サイドに入ることもあるし、左サイドや4-4-2の前めもやっている。システムも頻繁に変わるので、かなり流動的な感じです」

 本人が語る通り、モナコでの起用法は目まぐるしく変化している。

■タキなら何でも柔軟にこなせる

 10月の4戦を見ても2日のリーグ・ナント戦と6日の欧州ELトラブゾンスポル戦が左サイド、9日のリーグ・モンペリエ戦が2トップのセカンドトップ、13日のELトラブゾンスポル戦が右サイドとほぼ毎回役割が違う。CKやFKを任されることもあり、クレマン監督は「タキなら何でも柔軟にこなせる」と考えているもようだ。

「代表に来た時の頭の切り替えは大丈夫。森保さんのチームでは4年やっていますし、W杯前なんで言い訳はできない」と南野は断言するが、複雑な状況を完璧にこなしつつ、代表でも結果を出すのはハードルが高い。

 そんな中、モナコでの出場時間が増えつつあるのは朗報だ。クレマン監督も「我々は欧州トップ5に入るハードなフィジカル強化をやっているので、タキも最初は疲労困憊でキツかった。でも週ごとに改善しているから状態はもっと良くなる」とランス戦後に前向きな見通しを話していた。

 勝負は11月23日の初戦ドイツ戦。大一番で何ができるか、なのだ。

 10年南アW杯の松井大輔(YS横浜)、18年ロシアW杯の乾貴士(清水)はケガによって「本番は難しい」と見られていた。完璧にフィットしたのは1週間前。そして大ブレークを果たした。

 南野も本大会に照準を合わせ、一発逆転を狙って一気に走り抜けてほしい。

(元川悦子/サッカージャーナリスト)










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