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 サッカー日本代表は22年ワールドカップ(W杯)カタール大会で「死の組」と呼ばれる1次リーグE組を突破できるのか? オーストラリア代表として4度W杯に出場したティム・ケーヒル氏(42)と、アジアサッカー、日本代表について精通する識者2人に話を聞いてみた。(聞き手=千葉修宏)

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 22年W杯は通常の夏場ではなく、冬に開催される。ケーヒル氏は「(欧州各国の)シーズンが始まってまだ数カ月。選手たちはフレッシュな状態で大会に臨む。カタールでは移動疲れの心配もない。技術、戦術的にレベルの高い、得点が多く生まれる大会になる。それ故、多くの番狂わせも起きるだろう」と予想する。

 そんな中、日本のE組における戦い方についても言及。「よく『簡単なグループに入った』とか『難しいグループだ』とか言うが、W杯ではそう簡単に判断できない」というケーヒル氏は「“死の組”を勝ち抜かなければという意識ではなく、現実的に自分たちのできることを遂行することが大事」と強調した。

 同氏は「初戦のドイツ戦はあわよくば引き分けられればという感じだと思う。でもコスタリカからは勝ち点3を取れる。大陸間プレーオフを見たけど、(負けた)ニュージーランドの方が強いと思った」と第2戦での勝ち点3が16強には絶対条件だとした。

 コスタリカに勝利した上で、ドイツかスペインを相手に引き分けて勝ち点4。あとは運を天に任せるというシナリオだ。ただケーヒル氏は「コスタリカも同じことを考えている」と笑顔で付け加えるのも忘れなかった。

 次に話を聞いたのは、ESPNの記者として主にアジアサッカーを担当し、現在はW杯カタール大会組織委員会の一員として大会の成功に向けて尽力するアビラッシュ・ナラパット氏。同氏は「論理的に考えて、日本が16強に進む可能性はかなりある」と断言。「日本がアジアの国々の中で1番難しいグループに入ったことは否定しない。だがW杯は、失うものがないチームの方が良いプレーをする傾向にある。スペインやドイツが日本と戦う時には、彼らにより大きなプレッシャーがかかる」と強調する。

 ナラパット氏もケーヒル氏同様、日本はドイツ戦で苦戦するとみている。「ドイツ戦は厳しい。フィジカルでくるから。18年W杯で韓国がドイツに勝ったが、それは韓国がフィジカル的に優れているから。日本はもっとポゼッションを重視し、ボールを動かすスタイル。韓国とは違う」と話す。

 一方、スペイン戦は勝利の可能性すらあるという。「スペインと日本は同じスタイルだから相手の戦い方が分かるし、対応の仕方も分かる。東京五輪準決勝でもPK戦なら日本が勝つ可能性だってあった。W杯でもスペイン戦は運が味方すれば勝ち点3を取れる。そうすれば16強は間違いない」。

 さらに「最近の代表戦2試合を見て、よりその思いを強くした。米国戦ではボールを持った時に相手を圧倒していた。伊東、久保、鎌田、遠藤、守田という強力な中盤がその要因だ。あとは南野がクラブで調子を上げてくれれば、よりチーム力は上がるだろう。堂安も期待できる。日本は素晴らしい中盤を持っているし、スペインに問題を引き起こすことができると思う」とサムライブルーの活躍に期待した。

 最後に話を聞いたのは韓国メディア「ベスト・イレブン」の記者としてW杯など国際大会の取材経験も豊富なキム・テソク氏。同氏は逆に「ドイツ、スペインと同組なのは明らかに不運。コスタリカも14年W杯ブラジル大会でウルグアイ、イタリア、イングランドとの“死の組”を勝ち抜いた経験もある。侮れない」と、コスタリカですら要注意だと警鐘を鳴らした。

 キム氏は日本がベスト16に進むには「ドイツかスペインから勝ち点を取り、コスタリカから白星を挙げることが条件」とケーヒル氏同様のシナリオに言及。その上で「ドイツかスペインなら、初戦のドイツ戦に最も力を注ぐ必要がある。初戦で結果が出ないと、悪い流れの中で大会を戦わなければならない。韓国は前回のW杯ロシア大会でドイツとの最終戦を勝ったにもかかわらずベスト16に行けなかった。これは勝ち点を取れると思っていた初戦のスウェーデン戦で負けたのが決定的な要因だ」と、初戦が一番大事だと主張した。

 同氏は加えて、コスタリカがドイツやスペインから勝ち点を奪い、混戦になることも、日本の16強入りには不可欠だと指摘。「日本の決勝トーナメント進出には外的要因も必要。コスタリカが1次リーグ全敗なら、日本のベスト16の可能性も低くなる。日本がコスタリカに勝つのとは別にコスタリカがドイツやスペインの足を引っ張れれば。E組が混戦になるほうが日本にとっては有利だと思う」と説明した。

 ◆ティム・ケーヒル 1979年12月6日、シドニー生まれ。空中戦に強く得点力のあるFW、MFとしてエバートンなどで活躍。米国、中国、インドでもプレーした。オーストラリア代表ではW杯4大会連続出場。06年ドイツ大会1次リーグ日本戦で2得点して逆転勝利の立役者となった。代表通算50ゴールは同国歴代最多。19年3月に引退した。










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