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■9月10日/明治安田生命J1第29節 川崎フロンターレ 4ー0 サンフレッチェ広島(等々力)


 2位サンフレッチェ広島との大一番を等々力で迎えた川崎フロンターレ。緊迫した上位対決は、終わってみれば4得点差のつく結果となった。

 その試合の途中、ピッチ上では絶対に負けられない戦いもあった。その主役は家長昭博と知念慶。そう、川崎フロンターレの3トップを構成する2人だ。

 ホームチームは2-0で迎えた後半21分、PKを獲得する。人数をかけて攻勢を強める中で、山根視来の浮き球パスに脇坂泰斗が反応。背番号14がペナルティエリア内でトラップし、切り返そうとしたところを相手DFが足をかけてしまったのだ。倒してしまったDF住吉ジェラニレショーンも抗議の素振りは見せなかった。

 その直後、ボールを持ってキックポジションに向かったのは知念慶だった。川崎のPKキッカーを務めているのは家長昭博で、8月中には27日の鹿島アントラーズ戦、20日のアビスパ福岡戦でも蹴っていた。その家長は、当然、知念の元に近寄っていってボールを要求。しかし、知念はボールを離さず、懇願しているように見えた。

 2人はその後もやり取り。その場に脇坂が来て、知念の背中を叩く仕草を見せるなどしたが、その後、PKキッカーは知念に。背番号20がこれをきっちり決めて広島との差を3点に広げた。

■家長「知念にPK取られたんで、もう一点取れて良かった」
 試合後、等々力競技場でヒーローインタビューのマイクを向けられたのは家長だった。前半に決めた先制ゴール、そして、後半に決めたダメ押し弾の計2得点でチームに勝利を呼び寄せたからだ。その家長は、「知念にPK取られたんで、もう一点取れて良かった」と話して場内を笑わせた。PKを誰が蹴るかという問題は、場合によってはチームに不穏な空気をもたらすこともあるが、それを笑いに変えられるほどチームの雰囲気はいいようだ。

 さらに、川崎フロンターレの公式ツイッターは試合後の動画を公開。その中で、知念にPKについて尋ねていた。

 知念は、「アキさんありがとうございます!」とカメラにお辞儀をしたうえで、「アキさんは(ボールを)寄こせって言ってたんですけど、“マジでお願いします”って(笑)。“マジで、お願いします”って(言いました)」とお願いの様子を明かした。

 とはいえ、家長も「何でやねん」と返してPKを蹴ろうとしたそうだが、「“まあまあ、ええわ”みたいな感じでした。ほんとは多分、蹴りたかったと思います。けっこう強引にゴリゴリに行きました」と家長とのやり取りを振り返っている。

 知念はこれで3試合連続ゴールを決めることができたが、家族が観に来る試合では得点ができていなかったという。川崎広報の「やっと有言実行だね。家族が今日来てるから」との言葉に、知念は「やっとそのジンクスが打ち破れました」と笑顔を見せた。

■鬼木監督も賞賛
 家族が来た試合で得点が取れないことを、知念は以前にも明かしていた。家長は、そういったことも分かったうえでPKを譲ったのかもしれない。だとすれば、あのやり取りは“仁義ある”PK争奪PKバトルだったことになる。

 家長はこの試合で流れの中から2得点を奪ったことで、今季の得点数を2ケタ台に乗せてみせた。36歳での2ケタ得点はJリーグにおける日本人最年長記録だ。得点だけでなくフル出場する試合も多く、鬼木達監督はかつて試合前のメディア対応の場面でその体力やプレーのスゴさを笑顔で絶賛していたのが印象的だ。

 2位だった広島からそのポジションを奪い返し、優勝争いは実質的に横浜F・マリノスと川崎フロンターレの一騎打ちとなった。3連覇に向けて、チームの雰囲気の良さは大きな武器となる。

サッカー批評編集部 










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