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 UEFAチャンピオンズリーグ22/23シーズンが現地時間7日に開幕する。8月にリーグ戦は開幕しており、1日には欧州主要リーグの移籍期間が終了した。昨季王者レアル・マドリードの連覇を止めるチームは現れるか、リバプールが決勝で敗れた昨季の雪辱を果たすか。注目ポイントは枚挙にいとまがないが、補強を終えた各チームの戦力は気になるところだ。今回は、各チームの戦力を4項目(攻撃、守備、選手層、勝負強さ)に分けて数値化し、ランキング形式で紹介する。

8位:パリ・サンジェルマン(フランス)

監督:クリストフ・ガルティエ
21/22リーグ戦成績:優勝
21/22CL成績:ラウンド16敗退

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 5月にキリアン・エムバペと新たな契約を結び、退団が噂されたネイマールも残留することとなった。クリストフ・ガルティエ新監督がスター軍団をどのようにまとめていくのかで結果は大きく変わってくる。

 MF陣は大きく顔触れが変わった。イドリッサ・ゲイエがエバートンに帰還し、ユリアン・ドラクスラー、アンヘル・ディ・マリアもいなくなった。ヴィティーニャ、ファビアン・ルイス、カルロス・ソレール、レナト・サンチェスを加え、一奇異に分厚い選手層となった。マルコ・ヴェラッティとヴィティーニャを中心にバリエーション豊富な起用が可能となった。

 実力と経験を兼ね備えた3バックは不動で、右CBと右WBを兼務できるノルディ・ムキエレの加入は心強い。前線も最強3トップを中心に、ポルトガルで結果を残したパブロ・サラビアが復帰し、20歳の有望株ウーゴ・エキティケが加入。イカルディの買い手がつかなったことも戦力的に見ればマイナスではない。

 不透明なのは指揮官の経験値と最終ラインの選手層だ。新監督にとっては、リール時代の19/20シーズン以来2度目で、前回はグループステージでわずか1勝しかできなかった。最終ラインはティロ・ケーラーとアブドゥ・ディアロを放出したにもかかわらず、新戦力はムキエレのみ。指揮官は守備陣の強化を求めていたが、ミラン・シュクリニアルの獲得に失敗したとも報じられている。選手層の部分で残る一抹の不安が、CLの舞台で影響してしまうのだけは避けたいところだ。

7位:トッテナム(イングランド)

監督:アントニオ・コンテ
21/22 リーグ戦成績:4位
21/22CL 成績:なし
 ヌーノ・エスピリト・サントを新監督に招聘して新シーズンが開幕した昨季のトッテナムはスタートダッシュに失敗。しかし、後任に就任したアントニオ・コンテの下でチームは立て直し、冬の移籍市場で獲得したデヤン・クルゼフスキとロドリゴ・ベンタンクール、2人の新戦力がチームにさらなる活力を与えて3シーズンぶりにCL出場権を獲得することに成功した。

 指揮官のコンテはこれまでの監督キャリアでセリエAを4回、プレミアリーグ1回と多くのリーグタイトルを獲得している一方で、欧州カップ戦のタイトルを獲得した経験がない。その要因となっているのが主力の固定化であり、ターンオーバーを苦手としているからだ。

 そうした中で今夏のトッテナムはもともと選手層の厚かったスカッドに多くの新戦力を加えた。昨季終盤、抜群の破壊力でリーグを席巻したハリー・ケイン、ソン・フンミン、クルゼフスキの3トップにはリシャルリソン、ピエール=エミール・ホイビュアとベンタンクールのダブルボランチにはイヴ・ビスマを獲得。既に不動の戦力がいるポジションに、彼ら同様の実力を持つ選手を加えたことで、コンテとしては比較的ターンオーバーをしやすい状況を作り上げた。

 多くのポジションの選手層が厚い一方で、唯一代えが効かない存在となっているのがエリック・ダイアーだ。3バックのセンターが自身の能力が最も発揮できる場所であり、最終ラインを統率するディフェンスリーダーとして躍動している。スペイン語も堪能なため、アルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロへの適切なコーチングも可能だ。コンテ就任以降、ダイアーはリーグ戦を3試合欠場しているが、その成績は1勝2敗で合計7失点。リーグカップ準決勝でもチェルシーに敗れており、不在時の成績がかなり悪い。彼の存在が今季のトッテナム躍進のカギを握りそうだ。

6位:バルセロナ(スペイン)

監督:シャビ・エルナンデス
21/22リーグ戦成績:2位
21/22CL成績:グループステージ3位(ELベスト8)
 監督交代に揺れた昨季のバルセロナは、レアル・マドリードの尻尾すら見失う屈辱的なシーズンとなった。シャビ・エルナンデス監督が初めてシーズン開幕から指揮を執る今季を前に、クラブは大幅な“改造”に着手。ウスマン・デンベレとの新契約をまとめ、フランク・ケシエ、アンドレアス・クリステンセンをフリーで加入。150億ユーロ(約180億円)以上の大金をはたいてロベルト・レバンドフスキ、ハフィーニャ、ジュール・クンデの3人を獲得している。

 大型補強にはつきものだが、スタートダッシュには失敗した。開幕節で引き分け、第2節は勝利したものの、前半は3バックの新布陣が機能していたとは言い難い内容だった。ただ、徐々に状態は上向いており、リーグ戦では多彩な攻撃で得点を量産している。

 攻撃陣は質・層ともにトップレベルで、中盤も個性豊かな実力者が並ぶ。センターバックは人材豊富でロナウド・アラウホのサイドバック起用や3バック採用など柔軟に対応できるが、機能性という意味では未知数の部分もある。

 冬までに最適なバランスを見つけることができれば決勝トーナメントを勝ち進むことも十分に可能。しかし、インテル、バイエルン・ミュンヘンと同居するグループになっただけに、敗退した昨季の悪夢がちらつく。ポテンシャルは十分にあるが、自信をもって優勝候補とは言えないのが正直なところだ。

5位:チェルシー(イングランド)

監督:トーマス・トゥヘル
21/22 リーグ戦成績:3位
21/22CL 成績:ベスト8
 昨季チェルシーは前回大会王者としてCLに臨んだが、レアル・マドリードに準々決勝で敗戦。その敗退の仕方もショッキングで、1-3で敗れた1stレグから立ち直り、2ndレグでは75分までに2戦合計スコアで4-3とリードをしていた。ところが80分に同点に追いつかれると、延長戦にカリム・ベンゼマに痛恨の勝ち越しゴールを許して連覇の夢は途絶えた。

 今夏のチェルシーはオーナー交代の影響もあって移籍市場を賑わす存在となった。アントニオ・リュディガーやアンドレアス・クリステンセン、ロメル・ルカクが退団した一方でラヒーム・スターリング、カリドゥ・クリバリ、マルク・ククレジャらを獲得し、移籍市場最終日にはトーマス・トゥヘル監督のドルトムント時代の教え子であるピエール=エメリク・オーバメヤンを獲得した。

 トゥヘル政権における課題は就任以降ずっと同じである。それは、シーズン20点以上決められる絶対的なストライカーが不在ということだ。かつてはディディエ・ドログバやジエゴ・コスタら「エース」と呼ばれる選手が最前線に君臨していたが、現監督の下ではいない。昨夏に加入したルカクはその役割を期待されていたが、シーズン途中の不必要な発言もあって期待に応えられなかった。そういった意味では今夏に加入したオーバメヤンに対する期待は大きい。

 今季のチェルシーは開幕から不調が続いている。というのも、チーム全体に元気がなく、あまりにも簡単に失点をする場面が多い。またエンゴロ・カンテが開幕早々に怪我をしてしまった影響も大きく、中盤での攻防で優位に立てないのも調子が上がらない要因だ。前述したオーバメヤン以外にも最終日にはデニス・ザカリアをユベントスから補強しており、土壇場で獲得した2人の新戦力が今季のCLでの躍進のカギを握りそうだ。

4位:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)

監督:ユリアン・ナーゲルスマン
21/22リーグ戦成績:優勝
21/22CL成績:ベスト8
 直近2シーズンは準々決勝で涙を飲んでいるが、3シーズンぶりの戴冠の可能性は低くない。ロベルト・レバンドフスキとニクラス・ズーレという攻守のキーマンが去ったが、穴埋めの補強も抜かりない。

 マヌエル・ノイアーを最後方に置く守備陣は、マタイス・デ・リフトとヌサイル・マズラウィを加えたことで層が厚くなった。中盤はヨシュア・キミッヒとマルセル・ザビッツァーを中心に、20歳のライアン・グラーフェンベルフが加入。怪我で出遅れたレオン・ゴレツカが戻ってくれば、先発を選ぶのにも苦労しそうな陣容になるだろう。

 2トップ+サイドアタッカーという配置が基本となる攻撃陣はサディオ・マネが中心だ。セルジュ・ニャブリやトーマス・ミュラー、ウイングにはジャマル・ムシアラ、レロイ・ザネ、キングスレイ・コマンと人材は豊富。レンヌから獲得した17歳のマティス・テルもブレイクが期待される逸材だ。ブンデスリーガでは開幕から4試合で16得点を挙げており、絶対的エースの退団の影響はないと言っていい。

 リーグ戦と国内カップ戦、CLを並行して戦っていけるだけの戦力は有している。ただ、決勝トーナメントで一昨季はパリ・サンジェルマン、昨季はビジャレアルに敗れている。互角の力を持つ相手と対峙したときのユリアン・ナーゲルスマン監督の采配がカギを握る。

3位:リバプール(イングランド)

監督:ユルゲン・クロップ
21/22 リーグ戦成績:2位
21/22CL 成績:準優勝
 昨季のリバプールはリーグカップとFAカップを制し、シーズン最終盤までリーグとCLを含めた4冠の可能性が残されていたが、結局2冠に終るやや悔しさの残るシーズンに。CL決勝では4シーズン前にファイナルで敗れた相手であるレアル・マドリードと対戦。9本の枠内シュートを放つなど試合の主導権を握っていたが、最後までティボー・クルトワの牙城を崩すことができず。逆にヴィニシウス・ジュニオールにワンチャンスを決められ、リベンジは叶わなかった。

 今夏には昨季のポルトガルリーグ得点王のストライカー、ダルウィン・ヌニェスを高額な移籍金で獲得した一方で、ユルゲン・クロップ体制において欠かせない存在だったサディオ・マネが退団。戦術理解力と身体能力の高さを併せ持ち、前線からのプレスも果敢に行っていた10番の穴はあまりにも大きく、今季は開幕から勝ちきれない試合が続いている。

 また2シーズン前同様に、今季は開幕から怪我人が続出していることは懸念材料であり、ジョエル・マティプやチアゴ・アルカンタラの負傷の影響は不在時に顕著になっていた。本稿執筆時点では主将のジョーダン・ヘンダーソンを含め8人の選手が離脱しており、移籍市場最終日にアルトゥールを補強したとはいえ、中盤の選手層の薄さは壊滅的だ。

 一方でポジティブな要素もないわけではなく、今季はフラムアカデミー出身のハーヴェイ・エリオットとファビオ・カルバーリョ、2人の若者が開幕から躍動。両者ともにプレミアリーグ初ゴールを決めるなど自信も高めている。また昨季は終始不調だったロベルト・フィルミーノもパフォーマンスレベルを上げてきているのもチームにとっては大きなプラスだ。

 昨季と比較すると戦力ダウンは否めないが、ホーム「アンフィールド」での勝負強さは本物であり、サポーターの後押しはホーム&アウェイの試合が続くCLでは大きな後押しになるだろう。

2位:マンチェスター・シティ(イングランド)

監督:ジョゼップ・グアルディオラ
21/22 リーグ戦成績:優勝
21/22CL 成績:ベスト4
 マンチェスター・シティは昨季リバプールとのデッドヒートを制してプレミアリーグ連覇を達成したが、CLではレアル・マドリードに準決勝で大逆転を喫し、またしても念願のビッグイヤー獲得とはならなかった。

 そうした中で迎えた今夏の移籍市場では例年以上に大きな動きをみせた。ドルトムントからアーリング・ハーランド、リーズからカルヴィン・フィリップスらを新戦力に迎え、今冬に完全移籍での加入が決まっていたフリアン・アルベレスも合流。一方でラヒーム・スターリングやフェルナンジーニョ、ガブリエウ・ジェズス、オレクサンドル・ジンチェンコら主力を放出し、スカッドの新陳代謝を図ることに成功している。

 昨季までのシティと大きく異なるのがハーランドの存在だ。セルヒオ・アグエロ以降、生粋の点取り屋がいなかったシティはチーム全体でゴールを奪うサッカーを展開していたが、世界最高のストライカー加入により、攻撃の破壊力がさらにアップ。ケビン・デ・ブライネとの相性も良好で、対戦相手からするとこれまで以上に失点を防ぐことは難しくなりそうだ。

 弱点を挙げるとすれば左SBの選手層の薄さと守備能力の低さだろうか。ジョアン・カンセロはボール保持の局面であれば抜群の働きをみせるが、守備の対応には難があり、特に対角線のクロスへの対応や押し込まれた展開では後手を踏んでしまう。新加入のセルヒオ・ゴメスも攻撃的な選手であり、対強豪との試合では使いづらい。昨季のマドリーとの試合で守り切れなかったことを考えると、時には割り切ってナタン・アケら守備的な選手を起用するなどの工夫も必要となってくるだろう。

1位:レアル・マドリード(スペイン)

監督:カルロ・アンチェロッティ
21/22リーグ戦成績:優勝
21/22CL成績:優勝
 現時点では、連覇へ視界良好だ。昨季はセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランの代わりにダビド・アラバが加わり、不動の中盤にはエドゥアルド・カマヴィンガが加入したことで厚みが出た。エデル・ミリトンやヴィニシウス・ジュニオールの覚醒、ロドリゴの成長なども追い風となり、リーガを独走した。CLでは神がかり的な逆転突破もあり、決勝ではリバプールを倒している。

 オーレリアン・チュアメニとアントニオ・リュディガーの加入が今夏の補強のメインとなった。後者は最終ラインの全てのポジションをこなすことができ、ターンオーバーの質が上がることになるだろう。怪我の多い両SBをバックアップできるのは大きな魅力だ。

 中盤はトニ・クロースとルカ・モドリッチはまだ健在で、若いチュアメニやカマヴィンガら若いメンバーを擁する。前線の主要メンバーは昨季と変わらない。選手層が唯一の不安材料だが、手が付けられないカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールの破壊力は抜群だ。

 カゼミーロの退団はマイナスだが、新加入選手の質も高く、長い目で見れば大きな穴にはならないだろう。ベンゼマやルカ・モドリッチ、ティボー・クルトワといった替えの利かない選手がピッチに立ち続ければ、ファイナルの舞台に再び立つことも想像に難くない。 










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