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 レアル・ソシエダに新加入した久保建英は、デビュー戦で鮮烈なボレーシュートを決めると、続くバルサ戦では敗れたもののチーム最高のパフォーマンスを披露した。新天地で輝きを取り戻した21歳の日本人プレイヤーを現地バスク在住の英国人コラムニストはどう見ているのか。
 このクラブ独特の文化と、久保が活躍するための展望を2回にわたって斬る! (前・後編の「後編」/「前編」を読む) <翻訳・構成:田邊雅之>

 久保の加入と活躍は、私にとっても最高のニュースだ。

 そもそも私は1991年からサン・セバスチャンに住んでいる。少年時代に最初に恋に落ちたのはイングランドサッカーであり、今でもイングランド4部のグリムズビー・タウンを追いかけ続けているが、この街に住むうちにソシエダの魅力に取り付かれ、深く関わるようになってしまった。

 私の場合は、息子のハリーがソシエダのジュニアチームやソシエダと提携している育成アカデミー、シャビ・アロンソやミケル・アルテタを輩出したアンティグオコでミッドフィルダーとしてプレーしたことも、クラブと縁を深める要因となった。しかも日本とは仕事でも付き合いがあるだけに、久保がソシエダに加わり、いきなり順調なスタートを切ったのは嬉しい驚きだった。

メディアと監督を唸らせたカディス戦
 では、地元の人々はいかに反応したのだろうか。まずは初戦のカディス戦、試合翌日にツイッターで目立ったのは「久保を疑ってかかっていた連中が、しおらしくしているな」という皮肉を交えた呟きだった。 この指摘はきわめて正しい。さらに述べるなら久保は「懐疑派」を沈黙させただけではなく、新たな「支持派」も生み出している。

 バスクの人々は控えめで、感情を表に出して喜んだり興奮したりするようなタイプではないが、久保に熱い注目を注いでいる様子は、メディアの報道からもうかがえる。

 当地で最も売れている新聞『El Diario Vasco』は、一面のトップに「La Real baila al ritmo de Kubo」(久保のリズムでラ・レアルが踊る)という見出しを掲載。彼のパフォーマンスに5点中5点(満点)を与えている。 久保は他の地域でも注目を集めていた。スペインで最多の発行部数を誇る日刊スポーツ紙『マルカ』は開幕節直後の月曜日、ソシエダが3シーズン連続でアウェーのカディスで勝利したことを踏まえ、久保の活躍を称えている。

 彼がいかに評価されているかは、チーム関係者のコメントからも明らかだ。

 現在、ソシエダを監督として率いているイマノル・アルグアシルは、サン・セバスチャン近郊のオリオという町で生まれたバスク人で、多分にもれず地に足の着いた考え方をする。サッカーの指導に関しても個々の選手を褒めそやしたりせず、チームワークの大切さを強調する傾向が強い。だがカディスに1-0で勝利した後には、久保を絶賛した。

「ゴールを別にすれば、私が一番気に入ったのは運動量の豊富さ(献身的なプレー)だ。 彼は我々と共に活動するようになった初日から、このような姿勢を見せてきた。まるで何年も前から、チームに所属しているかのようにね。彼にとっては、素晴らしい選手たちに囲まれていることもプラスになったと思う」










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