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 スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。レアル・ソシエダに加入した久保建英の戦いぶりや鮮やかなプレーを、現場の空気とともに臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。


序盤から2トップの相棒イサクとの連係は良かった
 ラ・リーガ22-23シーズンが開幕した。久保が加入したレアル・ソシエダがカディスの本拠地に乗り込んで迎えた初戦を撮影した。

 キックオフ約1時間前に発表された両チームのスターティングイレブンに、14番「TAKE」の文字を見つけた。

 まだ強い日差しが降り注ぐピッチに、久保は先発メンバーの一員としてアップのため登場してきた。

 その隣には、怪我の影響で調整が遅れていたダビド・シルバの姿もある。またラインナップを見ると、久保を含めた中盤の選手が5名いる。どのようなフォーメーションになるのか、それによっては撮影ポジションにも影響を与える。

 アップを撮影していると、久保とCFのイサクがペアになり、シュートを打つメニューが行われた。このことから、久保がツートップの一角に入る可能性を予想した。

 17時半、キックオフのため選手が各々のポジションにつく。やはり久保は、最前線の選手としてイサクとペアを組む位置取りをしていた。

 試合序盤、実力的に上回るソシエダが相手陣内でボールを動かす時間が多くなる。その中で、久保の動きに連動し、ボールを呼び込むイサクの姿が撮影できた。

 また、久保がボールを呼び込むとスッとパスが足元に届く。久保は、イサクを軸に衛星のように動き、ボールに絡むシーンが増えた。さらにはサイドバックと連携しボールを奪い切り、守備での貢献も大きく感じられた。

練習でもやっていなかったというFWでのゴール
 そして24分、同じく新加入のブライス・メンデスが、一度奪われたボールをすぐさま奪い返したことで、攻撃に転じかけたカディスのDFラインが乱れた。その綻びを見逃さず久保が走り込むと、ミケル・メリノの左足から放り込まれたボールがピタリと届く。

 空中でそのボールをコントロールした久保は、冷静に右足でゴールに蹴り込んだ。

 新加入の久保にとって、練習でもやっていなかったというFWでの抜擢に見事応えたゴールは、最高のスタートになったといえるだろう。

 後半は――失点を許したとはいえ――カディスの守備ラインは固く、ソシエダとしては崩しきれない苦しい時間が続いた。

 そこでソシエダ監督のイマノルは、メンバー交代の前に、ポジションのチェンジで打開を図った。イサクを右ウイング、久保を左に張り、中央にはシルバを偽9番として配置したのだ。前述した久保のFW抜擢など、戦術の幅広さを感じさせる采配だった。

久保の抜け出しから多くのチャンスが生まれた
 その中で、得点シーンと同じ形で、久保の抜け出しに対し、後方からピンポイントのフィードが何度か届いた。

 これらのチャンスは残念ながら――得点につなげることができなかった。久保の表情が物語る悔しさ。これが決まっていれば。大きくチームを助けることができたはずだ。

 そして何より、その結果が久保自身の評価につながるのだから。

 ソシエダのメンバーとしてのリーガ初戦を、自身のゴールで勝利へと導いた久保。

 次節は、ホームにバルサを迎えての一戦となる。今シーズン多くの新メンバーを補強したものの、初戦を引き分けたバルサは、必勝で向かってくる。

 そんなバルサを相手に、久保、そしてソシエダがどんな戦いをするのか楽しみなカードだ。

 この試合の行われたカディスの街スナップ写真も追記したい。

 スペイン南西に位置し、大西洋に面する半島の街だ。そのためスタジアムからも通りを挟んだ住宅の向こう側にビーチを望むこともできる。

 この週末は連休だったため、街中には多くの観光客の姿を目にすることができた。旧市街は細い路地が入り組んでおり、様々な商店が並ぶ。首都マドリードよりアフリカ大陸の方が近い立地ながらも、大西洋からの冷たい風が心地よく湿気を感じない。

 木陰のカフェでビールやワインを楽しむ人々の姿が印象的だった。

(「欧州サッカーPRESS」中島大介 = 文) 










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