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 7月19日に開幕したE-1選手権の初戦である香港戦に6-0で勝利した日本代表。そのなかで眩い輝きを放っていたMF藤田譲瑠チマのパフォーマンス、そしてカタール・ワールドカップ(W杯)へのメンバー入りを考察する。

■急造チームをあらゆる局面で支え続ける
 E-1は普段代表に呼ばれることの少ない国内組で構成されており、そのうえ今大会は追加招集の岩崎悠人を含めた11人が初招集。チーム、グループとして機能しにくく、より個の能力が求められる舞台だ。試合後の会見で相馬勇紀も発言していた通り「即席チーム」なので、ピッチ上にて即興で自身の力を発揮できるかどうかは大きなポイントとなる。

 そのなかで藤田の存在はピカイチだった。

 フリーでボールを受けた際、ターンせずにバックパスを選択してしまう選手がいたが、藤田は認知をしっかりと行って判断を間違えることなくしっかりとターンして前を向ける。さらに東京ヴェルディの下部組織で培われた足元のテクニック、そして東京Vトップチーム、徳島ヴォルティス、横浜F・マリノスで見せている運ぶドリブルも遺憾なく発揮していた。

 また、日本がボールを保持する際にポジションのバランスが崩れ、奪われるや危険なカウンターを受けそうになった場面では、藤田が何度かカバーして即時奪回に成功している。

 得点には直接関与しておらず、自陣ゴール前で決定的なシュートブロックをしたわけではない。しかし、攻守に欠かせない存在として稼働した。

 いるべき場所に人がいない、パスコースの数が十分に確保されていないといった急造チーム特有の綻びを常に予防し、縁の下の力持ちとしてファインプレーを連発した影のMOMである。

■カタールW杯に食い込めるか
 海外組を含めたベストメンバーの日本代表では4-3-3を採用しているが、ここに藤田を当てはめると、ポジションはIHもしくはアンカーだろう。

 しかしIHには田中碧と守田英正、鎌田大地が、アンカーには遠藤航が君臨しており、この牙城を崩すのは今のところ現実的ではない。ただ、アンカーの遠藤はターンが得意ではなく、ボール保持の際にプレッシングで狙われる機会が増えており、先日のチュニジア戦ではそれが如実に表れた。

 守備面では遠藤に軍配があがるが、攻撃時の能力として藤田はとてもいいものを持っている。このままE-1残り2試合でも躍動すれば、上限が26人まで増えたW杯招集メンバーに中盤の控え枠として藤田が呼ばれてもおかしくない。

 W杯初戦のドイツ戦で敗れてしまい、第2戦のコスタリカ戦で勝利必須となった場合には、遠藤よりやや攻撃的なアンカーである藤田を置くオプションを考慮しておくのも手ではないだろうか。遠藤とは異なるタイプの選手だが、この20歳のMFがサムライブルーに新たなアンカー像をつくるかもしれない。

サッカー批評編集部










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