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2022年に入って最も経験を積んでいる若手選手は誰なのか? 高卒ルーキーながらFC東京でいきなりチャンスを掴んだ松木玖生(19歳)は、世界基準で見るとどれくらいの経験を積んでいるのか? そんな疑問を紐解くランキングがある。サッカーの研究機関『CIES Football Observatory』が5月30日に発表した「今学期の若手選手」というリストは、2022年に入ってから5月後半までを「1学期」と考えて、その間に積んだ若手の経験値をランキング化している。これは20歳未満の選手が対象で、もちろん出場時間が重要なのだが、出場した試合のレベルも考慮に入れて計算される。まずは所属するリーグのレベルだ。スペインのラ・リーガを頂点に、続いてイングランド、ドイツ、イタリア、ブラジル、フランスの順番でランク付けされており、それぞれにポイントが設定されている。同国の2部リーグは、そのポイントの半分で計算される。さらに、所属クラブのレベルも数値化されており、プレミアリーグではマンチェスター・Cが最高値を持っている。そのためリーグ戦の出場経験値の計算方法は「出場時間」「リーグ数値」「クラブ数値」で算出され、国際試合にもレベルが設定されており、代表チームはワールドカップ決勝が、クラブチームではチャンピオンズリーグ(CL)決勝が最も高いポイントを有する。そのためCL決勝に出場すると極めて高いポイントを獲得できることになり、今季のCL決勝に出場(途中出場)した唯一の10代の選手、レアル・マドリードのMFエドゥアルド・カマヴィンガ(19歳)は出場時間こそ短かったが高いポイントを貰えたことになる。こうして算出された「2022年“1学期”の10代選手の経験値」のランキングで1位に輝いたのは、ドルトムントのMFジュード・ベリンガム(18歳)だ。ドルトムントの中盤でレギュラーとして活躍するベリンガムは、2021-22ブンデスリーガで欠場したのは2試合だけ。2022年に入ってからは1試合を除いて全試合でフル出場(計1525分)。さらにヨーロッパリーグ(EL)のレンジャーズ戦2試合や国内カップ戦のベスト16もフル出場し、3月の国際親善試合でもイングランド代表として2試合に出場した。高いレベルのクラブや代表チームで「計1895分」の出場時間を得て、堂々の1位に輝いている。2位はスペインの期待の星であるMFガビ(17歳)だ。2021-22シーズンにトップチームデビューを果たしたばかりの生え抜きは、2022年に入ってから欠場したリーグ戦は2試合だけ。EL決勝トーナメントでもベスト8まで勝ち上がり、3月の代表戦でも2試合とも出場した。今回の集計には入っていないが、6月のネーションズリーグではスペイン代表の最年少ゴール記録を樹立して話題になった。今年の“1学期”は世界最高評価のラ・リーガなどで「計1716分」の出場時間を得て2位に入った。3位はガビの同僚のMFペドリ(19歳)だ。2021-22シーズンは怪我に泣かされ、シーズン前半戦に続いて4月にもハムストリングを痛めて戦列を離れた。それでも3月の代表選などを含めて「計1500分」の出場時間で3位に入った。4位はリヨンのU-21フランス代表DFカステロ・ルケバ(19歳)だ。2021-22シーズンの開幕戦でトップチームデビューを飾った若きセンターバックは、シーズン後半戦に定位置を確保。2022年に入ってからリーグ戦で欠場したのは1試合のみ。ELでも16強から全試合にフル出場してチームのベスト8に貢献して「計2051分」の出場時間を得た。しかしリーグのレベルがスペインやドイツよりも低いため、4位に留まる結果となった。それでもヨーロッパで最も“ホット”な若手センターバックと言えるだろう。5位は今月19日に20歳の誕生日を迎えたパリ・サンジェルマン(PSG)のポルトガル代表左SBヌーノ・メンデスだ。スポルティングの下部組織出身のDFは、昨年8月にローン契約でPSGに加入すると、リーグ戦27試合に出場してリーグ制覇に貢献し、リーグ・アンのチーム・オブ・ザ・シーズンにも選出された。そして移籍金およそ55億円の大金で完全移籍。A代表で既に15試合に出場している彼は、2022年に「計1543分」に出場して5位に入った。トップ10で2番目に出場時間が短いながら6位に入ったのは前述のMFエドゥアルド・カマヴィンガ(19歳)だ。昨年の夏にスタッド・レンヌからレアルに加入したMFは、2021-22シーズンにリーグ戦26試合に出場。2022年に入ってからはCL決勝トーナメントで決勝のリヴァプール戦を含めて6試合に途中出場するなど大舞台でも起用されて「計1164分」に出場した。出場時間だけを見ると、これまでの選手の中では断トツに少ないが、ラ・リーガやCLなどのハイレベルな試合に出ているため6位となった。一方で、7位に入ったのはトップ10で最も出場時間が多かったポルトガルU-21代表MFファビオ・カルヴァーリョ(19歳)だ。ポルトガル生まれの若き才能は、子供の頃にベンフィカ下部組織に所属していたが若くして家族と共にイングランドのロンドンに移住してフラムに所属。昨季は同クラブの2部リーグ優勝に貢献し、自身もリーグ戦36試合10ゴール8アシストの大活躍を見せてプロ選手協会の2部リーグ年間ベストイレブンにも選出された。2022年に入ってからはリーグ戦全試合(23戦)に先発するなど、今回の「経験値リスト」のトップ100人の中で最長となる「計2360分」に出場。しかしイングランドの2部リーグだったためポイントが半減されて7位に留まった。得意のドリブルで切れ込んでフィニッシュに持ち込む攻撃的MFは、フラムとの契約が今年の夏までとなっていたため名だたる強豪クラブが興味を示したが、最終的にはリヴァプールが争奪戦に勝利。来季からアンフィールドでプレーすることが決まっている。ランキングの8位にはバイエルンに所属するドイツ代表のジャマル・ムシアラ(19歳)が入った。出場時間は「1161分」とランキング上位33名の中で最短だったが、バイエルンで試合に出たことで見事にトップ10に名を連ねた。9位はバレンシアのアメリカ代表MFユヌス・ムサ(19歳)、10位はウディネーゼのイタリアU-21代表DFデスティニー・ウドジェ(19歳)となった。欧州5大リーグ以外で見ると、最上位は7位のファビオ・カルヴァーリョ。続いて12位のチェコ代表FWアダム・フロジェク(19歳)で、彼は昨季までスパルタ・プラハでプレーしていたが既にドイツの強豪レヴァークーゼンへの移籍が決まっている。14位もスパルタ・プラハの選手でチェコU-21代表DFマルティン・ヴィティク(19歳)となっている。ヨーロッパ以外で最上位は、ブラジルのサントスに所属するFWマルコス・レオナルドだ。サッカー王国期待の若きセンターフォワードは、19歳にして既に名門クラブで主軸を担っている。欧州と南米以外のクラブで最上位は、シャバーブ・アル・アハリ(UAE)に所属して同国のA代表でも活躍するウィンガー、ハリブ・アブダラ・スハイル(19歳)の31位だ。続いてニューヨーク・シティ(USA)に所属するブラジル人FWターレス・マグノ(19歳)が42位、大邱FC(韓国)に所属のDFファン・ジェウォン(19歳)が50位にランクインした。日本人として、そしてJリーグの選手として唯一トップ100にランクインしたのはFC東京のMF松木玖生(19歳)だ。同選手はまだ高校在学中の今年2月にJリーグの開幕戦で先発デビュー。その後もレギュラーとして試合に出続けており『CIES』の集計時には「1092分」に出場し、今回のランキングでは81位に入った。77位にはウォルヴァーハンプトン(ENG)所属のポルトガルU-21代表FWファビオ・シルヴァ(19歳)がいるため、今年に入ってプレミアリーグで14試合に出場したアタッカーと同じくらいの経験値を積んだ評価となっている。このランキングの上位に入るような選手は大半がステップアップしていくので、若い才能を発掘するためにも「20歳未満の経験値ランキング」には今後も注目したい。■2022年“1学期”の20歳未満の経験値ランキング (データ『CIES Football Observatory』)1位 ジュード・ベリンガム(ドルトムント) 1895分2位 ガビ(バルセロナ) 1716分3位 ペドリ(バルセロナ) 1500分4位 カステロ・ルケバ(リヨン) 2051分5位 ヌーノ・メンデス(PSG) 1543分6位 エドゥアルド・カマヴィンガ(レアル・マドリード) 1164分7位 ファビオ・カルヴァーリョ(フラム) 2360分8位 ジャマル・ムシアラ(バイエルン) 1161分9位 ユヌス・ムサ(バレンシア) 1469分10位 デスティニー・ウドジェ(ウディネーゼ) 1585分~81位 松木玖生(FC東京) 1092分(記事/Footmedia)SOCCER KING
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