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現状では浅野が1トップの適任者かもしれないが…

 コンディション不良などを理由に大迫勇也を日本代表で見なくなってから、約4か月が経つ。その間、4-3-3の1トップには多士済々のFWが起用された。オーストラリア戦は浅野拓磨、ベトナム戦は上田綺世、パラグアイ戦は浅野がスタメンで、途中から前田大然や古橋亨梧も試されている。

 勝てばワールドカップ出場が決まるオーストラリア戦で先発した浅野は、パラグアイ戦ではゴールを奪った。やはり広島時代にも師事した森保一監督が求めるタスクを理解しているおかげか、ライバルたちよりも動きはスムーズだ。とりわけ前半は、右SBの山根視来からクサビのパスを引き出すシーンが何度もあった。

 一方、他の3選手はどこかもどかしさが残るパフォーマンスに終わった印象だ。どのタイミングでパスを引き出し、自らが生かされるためにはどう動き出せばいいのか、探り探りにプレーしているように見える。

 ならば浅野が大迫不在の現日本代表で1トップの適任者なのだろうが、ブラジル戦やワールドカップ本大会でも通用しそうなイメージがどうも沸かない。確かにパラグアイ戦で決めたゴールは、スピードという武器を生かした裏への抜け出しから、冷静なループシュートまで見事だった。一方で相手DFの守備がだいぶ緩かった事実も見逃してはいけないだろう。試合をとおして評価すれば、存在感が希薄になる時間帯もあった印象も残る。
 
 浅野も含め、上田、前田、古橋のプレーを見て、どこか歯がゆい気持ちになるのは、彼らの強みを最大限に生かすにはもっと良い起用法があるのではないかと、思うからだろう。日本代表の4-3-3の1トップは、大迫が生きる定位置であって、他のFWを同じように活用できるポジションではない気がする。例えば、パラグアイ戦で未出場の上田を次のブラジル戦で使うなら、気が利くFWとセットにして2トップを採用するのも手かもしれない。それは鹿島を見ればよく分かる。

 大迫不在の今の日本代表で1トップの適任者が見当たらないなら、4-3-3の解体もありかもしれないが、フォーメーションを変えればバランスが崩れて他のポジションに弊害が出る可能性もある。一概にはシステム変更を推奨しにくいとはいえ、大迫が万全ではない現状、少なくとも浅野、上田、古橋、前田らを生かせる布陣を試すくらいはしておいたほうがいいと思う。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)










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