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 日本代表は6月、ブラジル代表などとの4連戦に挑む。開幕まで半年を切ったワールドカップに向けて、重要な準備期間となる。中3日で試合が続き、「模擬ワールドカップ」とも言える6月シリーズを、いかに本番での躍進につなげるべきか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くす。

■正念場に立つ選手たち
――今回がワールドカップ行きに向けて正念場、という選手はいますか。

大住「浅野拓磨かな。前田大然もいるから、スピードがある選手を何人も入れておく必要があるのか。それに柴崎岳。現状、中盤の3人は固まっているわけだから、これが最後のチャンスかもしれない」

後藤「柴崎も久保建英と一緒で、本当に手の打ちようがなくなった時にお願いして、昔のプレーを思い出して1点取ってくれれば、という起用法しか考えられない。柴崎のところでボールを奪われる場面は何度もあった。当然、相手は狙ってくるよ。柴崎は素晴らしくうまい選手だと思うけど、特に劣勢の試合で役に立つかといったら難しいと思う。原口元気は、試合展開によっては役に立つよね。むしろ気になったのは最終ライン。長友佑都のコンディションが良くないようだから、今回のメンバーであとの左サイドバックは中山雄太だけなんだよね」

大住「伊藤洋輝は左利きだからできないかな」

■初戦で先発起用すべき選手とは
――初戦となるパラグアイ戦は、どんな先発になるでしょうか。

大住「GKは権田修一から変える必要がないね」

後藤「コンディション次第だろうけど、その点から考えれば、板倉滉は当選確実じゃないかな。状態が良ければ吉田麻也と冨安健洋だろうけど」

――相方は谷口彰悟か伊藤洋輝ですか。

大住「伊藤の起用の可能性は十分にあると思う」

後藤「長友のコンディションを考えると、左サイドバックは中山で決まりだろうね」

大住「直前まで試合をしているJリーグ組は、きついかもしれない。そうすると、右は菅原由勢かな」

後藤「中盤ではコンディションには問題がなさそうな遠藤航は決まりだね。田中碧も問題なさそうだし、守田英正も含めて中盤は最終予選の3人」

――鎌田大地はどうでしょうか。

後藤「鎌田をどの試合で起用するか、が問題だね」

大住「パラグアイ戦の先発もあると思うよ。最終予選の3人は全員、ボランチもできるから。フォーメーションも変えられる」

■鎌田は4-3-3にハマるか
――3トップは上田綺世、南野拓実、伊東純也ですか。

後藤「上田はJリーグの試合に出た直後だろうから、状態によっては古橋亨梧かもしれない。ケガの影響がなければだけど、シーズン中には離脱期間が長かったので、かなり休めていたし。鎌田をどう使うかは、やはりパラグアイ戦で試しておくべきだね。もしもフィットしたらブラジル戦でも武器になるかもしれない。一度使ってみるべき。少なくとも45分間は使った方がいい」

大住「使うならスタートからがいいと思うな。後半だと状況次第でチームがどういうプレーになるか分からないから」

後藤「システムを4-2-3-1に変えるのか、4-3-3に鎌田を組み込むのか、どちらを選択するか、だね。僕は最初は4-3-3に鎌田を組み込んでみた方がいいと思う。それでうまくいかなかったら、残り3試合のどこかで4-2-3-1にする」

大住「前半残り15分や20分の段階で、選手を変えずにプランBとしてフォーメーションだけ変える、という手はあるよね」

後藤「それはいいね。4-3-3に鎌田を組み込んで、うまくはまったらそれでいいし」

大住「4-3-3のインサイドハーフと4-2-3-1のトップ下だと守備の負担が違うからね」

――ブラジル戦はどうでしょうか。

後藤「コンディションの問題が全部解決したら、吉田と冨安のCBコンビだよね。左サイドバックは長友。右は山根視来しかいない。あるいは、板倉滉をCBに入れて、冨安を右サイドバックにまわすという手もある」

大住「そうなると、人材の最大限の活用ができるかもしれないね」

後藤「コンディションの問題がなければ、それが最強じゃないかな。中盤では遠藤は間違いなく起用される。パラグアイ戦で素晴らしかったら、また鎌田を起用したい。前線は上田、南野、伊東。堂安律を右ウィングで先発起用する手もありかもしれない」

■「模擬ワールドカップ」に課すノルマ
――この6月シリーズを模擬ワールドカップととらえるとして、どんなノルマを課しますか。

後藤「最初の3試合をグループステージとみなせば、確実に勝ち抜ける勝点5、最低でも勝点4を獲得したい。それで、最後の4試合目に勝ち切る。本番ならラウンド16にあたるわけで、そこを勝ち抜ければカタール大会の組み合わせを見ると、準々決勝で再びブラジルと対戦することになるんじゃないかな」

大住「数字的な目標よりも、やりたいテストを十分にやれたらいいかなと思うけど」

後藤「もちろんその方が重要だよ」

大住「森保一監督は常に、まずは勝つことを考えてからやりたいサッカーに近づけていくと言うけど、今回は視線を少し変えてもいいのかなと思うけど」

後藤「最終予選では結果を出すしかなかったけど、今回はあくまでもテストだからね」

大住「最初の2試合で出た反省を活かして、残り2試合でメンバーの使い方や選手のテストをしたらいいと思うけどな」

後藤「問題点を解決することもそうだし、意外な活躍をした選手をうまく使うというのも大事だよね。板倉と伊藤のCBコンビが、完璧な守りを披露してくれるかもしれないし。目の前の試合に勝つことにも意味があるし、ワールドカップのシミュレーションとして戦術や個人のテストをするなど、この4試合にはいろいろな意味がある」

大住「ケガや移籍の状況もあるかもしれないから、9月に誰を呼べるか分からないしね。だから、この6月シリーズは本当に楽しみだけど、本当に選手の状態が心配だな。選手たちはワールドカップに向けて最大限に頑張るだろうけど、FIFAには選手を休ませることを考えてほしい」

後藤「本当に、そうですね」

大住良之,後藤健生 










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