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この4年で顔ぶれは大きく変わろうとしている

カタール大会出場を決めた日本代表 photo/Getty Images

いよいよ迎えたW杯イヤー。新型コロナウイルスの脅威など思いもよらぬ事態もあった4年間だったが、この4年で日本代表も大きく変わった。

ポジティブな要素としては、前回のロシア大会・ベスト16を知るメンバーを若い選手たちが脅かし始めたことだ。大会後に代表引退を表明したMF長谷部誠など一部世代交代があったのは事実だが、今の日本は4年前のロシア大会からスタメンの大半が代わろうとしている。

はじめに激闘となった4年前のベルギー戦を振り返っておくと、日本の先発はGK川島永嗣、最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都。中盤は長谷部誠と柴崎岳がボランチを組み、2列目は右サイドに原口元気、左に乾貴士、トップ下に香川真司、そして1トップに大迫勇也だ。途中出場では本田圭佑、山口蛍の2名が出場している。

あれから4年。日本代表の顔ぶれは大きく変わろうとしている。

前線では今も大迫勇也がエースだが、セルティックでFW古橋亨梧が大ブレイク。ロシア大会が開催された2018年にようやくJ1初出場を飾った苦労人ストライカーで、ヴィッセル神戸に加入するまではJ2のFC岐阜でプレイしていた。まさかこの4年で古橋が欧州でゴールを量産することになると予想していた人は少数だっただろう。今では大迫の良きライバルでもある。

2列目はリヴァプール入りを果たした南野拓実、いつしか森保ジャパンのエースとなった右サイドの稲妻・伊東純也、この4年ですっかりブンデスリーガで通用する攻撃的MFになった鎌田大地、リーガ・エスパニョーラへ向かった久保建英、PSVの堂安律など、海外組による競争が激しい。

4年前のロシア大会では乾貴士、香川真司、原口元気の3人が2列目を構成していたが、現在は原口がクラブでセントラルMFを任されていることもあり、この2列目はロシア大会から全変更になる可能性が高い。

そして忘れてはならないのが、川崎フロンターレ組だ。2列目ではアジア最終予選突破の切り札になった三笘薫、中盤では川崎からポルトガルのサンタ・クララへ向かい、今では名門スポルティング・リスボン行きも噂されるまでに成長した守田英正、川崎からドイツ2部のデュッセルドルフへ向かい、代表でも定位置を確保しつつある田中碧が森保ジャパンの中心になっている。

さらに川崎からセルティックへ向かった旗手怜央もブレイク。セルティックでは中盤を任される機会が多いが、攻撃的なウイングからサイドバックまでこなすユーティリティ性も併せ持つ。まだA代表での経験は浅いが、今の活躍ぶりなら今年のカタール大会でメンバー候補になるのは間違いない。

中盤では前述した原口、その原口がベルギー戦で決めたゴールをアシストした柴崎岳がカタール大会でも中心になると思われたが、このアジア最終予選ではアンカーが長谷部の後継者となった遠藤航、インサイドハーフに田中、守田が入るパターンが固定された。川崎組の成長もあって中盤のポジション争いが激しくなり、良いサバイバルになっている。柴崎や原口とてカタール大会での立場は安泰ではない。

最終ラインもこの1年でポジティブな要素があった。このエリアは酒井宏樹、吉田麻也、長友佑都とロシア大会を知る経験豊富な3人がチームを引っ張ってきたが、センターバックでは冨安健洋に加えてシャルケで板倉滉が急成長。今では1部昇格へ近づくシャルケに欠かせぬキーマンとなっており、代表でも十分にスタメンを張れるレベルになっているのではないか。それこそ吉田も所属するサンプドリアで出番を失うようなことがあれば、板倉&冨安の若手コンビにポジションを奪われてもおかしくない。その板倉も川崎フロンターレから世界へ羽ばたいた選手で、改めて振り返ると川崎フロンターレより出てきたタレントが代表を一歩も二歩も前へ進めた印象だ。

また序列はまだまだ下となるが、シュツットガルトではレフティーのDF伊藤洋輝も急成長している。ここ1、2年でセンターバックのピースが豊富になり、日本サッカー界の弱点がセンターバックにあると言われていた時代が嘘のようだ。ここのポジション争いもかなり激しい。

右のサイドバックでも現川崎フロンターレの山根視来が2021年に代表デビュー。川崎でプレイしているだけあってプレイのアイディアが独特で、攻撃面で酒井とは異なる強みをもたらしてくれる。守備や経験値を考えればマルセイユでも活躍してきた酒井が一歩上を行く印象だが、山根の成長も大きなプラスと言える。

左サイドバックは長友が健在だが、ここもオランダのPECズヴォレで成長する中山雄太がライバルに名乗りを上げてきた。長友ほどの攻撃力はないが、中山はセンターバックや守備的MFもこなす守備力を備えている。今や安定感では長友を脅かしつつあり、長友も良い刺激を受けているはず。こうした若手の突き上げは代表強化に欠かせない。左サイドバックはワールドカップ本番までに序列がひっくり返る可能性のあるポジションだ。

GKは大ベテランの川島永嗣から権田修一、東京五輪を経験した21歳の谷晃生、ベルギーのシント・トロイデンで守護神を務めるシュミット・ダニエルなど、4年前から守護神は変更される可能性が高い。

若い選手が次々と海外に出て経験を積んだことや東京五輪世代の台頭もあり、森保ジャパンでは確実にサバイバルが激しくなっている。これは歓迎すべき流れであり、4年前にはここまで激しくなると想像できなかったのではないか。

セルティックに日本人選手が一斉加入したり、日本人センターバックが5大リーグで高い評価を得るのも良い意味で想定外だった。ロシア大会からスタメン全変更も可能なほど若手の頑張りは目立っており、このサバイバルは確実に代表強化へ繋がったはずだ。

構成/ザ・ワールド編集部


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