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 来季J2に降格する横浜FCのサッカー元日本代表FW三浦知良(54)の周辺が騒がしい。12月4日に終了した今季のJ1で出場は1試合、1分にとどまり、カップ戦を含めても出場は計4試合のみ。55歳になる来季も現役を続行する意向が報道されると、賛否両論が巻き起こった。

 所属する横浜FCからは契約延長を打診された一方、出場機会を求めて移籍する可能性もあり、候補としてJ2、J3のチームのほか、兄の三浦泰年氏(56)が監督兼ゼネラルマネジャーを務める日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重)や高知ユナイテッドなどの名前が挙がっている。JFLは日本の4部リーグにあたる。

 気になる「引き際」について、2019年3月に引退したイチローさん(48)=本名鈴木一朗、米大リーグ・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=と自身の考え方の違いを神戸新聞のインタビューで語ったことがある。横浜FCがJ1復帰を決めた同年11月末、神戸の街を訪れ、イチローさんと食事を共にしたエピソードに触れた時だった。

 話を聞いたのは、和歌山県で横浜FCのキャンプが行われた2020年1月。当時の記者とのやりとりは以下のようなものだった。

 -J1昇格を決めた直後に神戸に来ていましたね。

 「(ヴィッセル神戸時代に4年半過ごし)幸運を呼ぶ街って言われていますからね。イチローさんに会いました。明日(草野球の)試合ですって言って。俺も(会場のほっともっとフィールド神戸に)行きたかったんですけどね。迷惑を掛けると嫌だったから。本当は行きたかったんですよ、自分も神戸にいたから」

 -イチローさんが引退して最初の年でした。どんな話をしましたか。

 「イチローさんみたいな人に掛ける言葉って難しいじゃないですか。『じゃあとりあえずお疲れさまでした。乾杯!』って言ったら、『なんか、とりあえずってあれだなあ。アバウトだなあ』って言われたねえ。元気そうでしたね、すごく」

 -現役を続けてほしいという思いは話したのですか。

 「それも失礼かなって思うしね。僕はイチローさんがマリナーズに戻った時にも会っているんですよ。神戸に来る時はだいたいイチローさんもシーズンが終わって帰ってきているんですよ。あの時もマーリンズから離れて、次のチームが決まるのが遅かったじゃないですか。あの時にイチローさんの覚悟にびっくりしましたね。(米大リーグで行く先が)なければ自分はもう辞めるっていう覚悟でいたみたい」

 「僕はイチローさんはそういう考えじゃないって思っていたんで。メジャーがなければ、カテゴリーを下げてでも、日本じゃなくても中南米のメキシコとか、野球の盛んな国ってたくさんあるじゃないですか。メジャーの下のクラスでも独立リーグでもどこでも続けるのかなって思っていたんですよ。僕個人の意見としては続けてほしいっていうかね。僕自身はカテゴリーを下げたとしても、どこでも続けたいという思いがあるので」

 「イチローさんはそうではなく、メジャーが最低であり、メジャーが最高って自分の中で決めていてね。そうじゃなければ辞めるという覚悟があって、俺は自分は甘いなって思いましたもんね。イチローさんにはあの時すごみを感じましたよ。あそこまできっぱり決めているんだなって。最低でもメジャー、最高でもメジャーってね」

 -そういう話を今回はイチローさんにしたのですか。

 「しません、全く。何かのインタビューで言いましたけど、イチローさんには直接は言っていないんですよ。でも、飯食ってるところではだいたいそんな感じじゃないですか。いつか、します」

     ◇

 このインタビューでカズは自身を「甘い」と振り返ったが、年齢的な衰えを感じながらも体調管理やトレーニングを日々徹底し、試合出場に向けて準備を怠らない姿は、また違うすごみがある。賛辞も批判もエネルギーに変え、「カズであること」を貫く覚悟で、プロ37年目のシーズンに向かう。(小川康介)










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