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システム上のミスマッチをアドバンテージに持っていけなかった

[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 0-1 オマーン/9月2日/市立吹田サッカースタジアム

 日本は最終予選の初戦でオマーンにホームで0-1と敗れて、最悪のスタートとなってしまった。日本が徹底的に押し込んでゴールを決めきれず、ワンチャンスを決められた訳ではない。

 先に88分の失点シーンを振り返ると、オマーンがセカンドボールを拾ったところから、右サイドに流れていたサラー・アル・ヤヒアエイが、アル・アラウィとのワンツーで古橋亨梧、柴崎岳、長友佑都のディフェンスを突破する。その間にゴール前ではFWアル・ハジリが植田直通とマッチアップした場所に、途中出場のアル・サビが外側から植田の手前に飛び込み、アル・ヤヒアエイのクロスに右足で合わせた。

 この局面を切り取ると、サイドでアル・ヤヒアエイを挟み込みながら奪いきれなかった古橋と柴崎の問題、さらに長友のカバーリングが中途半端になったこと、そして植田が目の前のアル・ハジリを意識しすぎて、外側から来たアル・サビに対応できなかったことなどの問題の指摘はできる。

 しかし、それまでに得点を奪えず、相手にチャンスを与えていた試合展開に向き合わなければ、この試合の本質的な問題は見えてこない。コンディションやオマーンとの準備期間の差、森保一監督の采配など、いろいろな敗因が指摘されるが、オマーンとのシステム上のミスマッチを日本側のアドバンテージに持っていけなかったことが大きいと見ている。

 オマーンが採用したダイヤモンド型の4-4-2は対日本で特別仕込まれたシステムではなく、クロアチア人のブランコ・イバンコビッチ監督が2020年1月に就任してからメインに用いているもので、日本側にも情報はあったはず。もちろん日本のホームということで、スタートから引いてブロックを組んでくるとか、異なるシステムでくる可能性も考えられたが、実際は違っていた。

「誠心誠意を尽くして戦った結果」と振り返るイバンコビッチ監督は「戦術的にどうやって驚かせたかというと、ハイプレスだ。ハイプレスをすることによって、日本が最近経験してきた3、4試合とは違う内容の試合をしたと思う」と攻略法を説明した。

 実際、オマーンはダイヤモンド型のままで、立ち上がりからハイプレスをかけてきた。日本がボールを高い位置まで運ぶとラインを下げ、2トップを残しながら4+3にトップ下のアル・ヤヒアエイが加わる形でバイタルに蓋をしてくる。しかし、いきなり引いてくる相手ではなく、攻撃時には中盤に起点を作ってくるので、4-2-3-1の日本はミスマッチの中でのアダプトを求められることになった。

 そしてオマーンの攻撃において「選手は雨に慣れていないので、雨は大問題だった。なのでGKからどうやってビルドアップしていくかについて考えていた」と語るイバンコビッチ監督によれば、通常よりもロングボールを前線に当てて、セカンドボールを拾って仕掛ける意識を強めていたようだ。

伊東が中に絞ったことで生じた広大なスペース

 ダイヤモンド型の中盤で生じる日本とのミスマッチにより、プレッシャーを受けずに前を向ける“発射台”が常にあり、そこに誰かが動いて抑えに行くと、周囲の選手が空くという状況が生まれていた。ただ、オマーン側としては流れの中で、特に立ち位置をズラしながら位置的優位を取るというより、元々あるミスマッチを生かして起点を作れていたと言える。

 例えば10分のシーンを見ると、ボランチの遠藤航から大迫勇也に縦パスを付けたところでディフェンスに潰されて、オマーン側のボールになったところで、右ワイドにボールを運ぶインサイドハーフのアル・アグバリに対して柴崎がチェックに行き、外側からは長友がチャレンジするが、ボールを奪いきれずキープされた。

 そこで遠藤がセンターバックの吉田麻也と植田の手前にあるスペースを一人で埋める形になり、さらに手前の中央エリアがポッカリと空いた。そこでアンカーのアル・サーディがフリーになり、さらにアル・ヤヒアエイ、左インサイドハーフのファワズと繋がれた。

 そこに右から伊東純也も中央の守備に参加するが、そうなると空いてくるのが日本から見て右側の大外だ。オマーンは2トップに加えてアル・サーディも上がることで、日本の4バックがフラットにラインを形成して対応していた。つまり酒井宏樹がラインに落ち、伊東が中に絞ったことで生じた広大なスペースを左サイドバックのアル・ブサイディに使われた。

 ここは伊東が持ち前の走力で何とかスライドして縦の進出を阻んだが、こうしたシーンを繰り返し作られることで、日本が高い位置でボールを持って縦に仕掛けていくといった、6月の試合で見られたような攻撃が著しく限定されてしまったのだ。

 ただ、オマーンがディフェンスで日本を完全にハメて、さらに攻撃で常に主導権を取りながら位置的優位を取っていた訳ではなく、そもそものシステム上のミスマッチを生かしていたことが、日本のリズムを奪う要因になっていた。

 そうした相手に対して日本も戦いようはあった。局面の対応に関してはピッチ上の選手たちもただ手をこまねいている訳ではなかった。遠藤は「相手が中盤を菱形にしてきたり、じゃあそこでどういう風に自分たちが押さえていくのか」を考えながら対応していたと振り返る。

「相手のサイドバックが持ったときに、縦に上がってそこを経由するみたいなことをしていたので、じゃあそこでどう行ったらいいかというのはあった。個人的にはサイドバックを当てたほうがいいのかなとか。それで(鎌田)大地がアンカーを押さえながら、サコくん(大迫)に両センターバックを抑えてもらって、両サイドバックが縦を切られると(オマーンは)きついんじゃないかなというのを話しながらやってました」

 ただ、そうした選手間の相談というのはピッチに立った選手たちが、肌感覚で調整するべきディテールの部分と、そもそもの準備段階で相手の出方を想定し、監督が伝えておくべき部分がある。このオマーン戦で既視感を得たのはアジアカップ決勝のカタール戦だが、カタールの場合はシステム上のミスマッチだけでなく、可変性の高いパスワークに対して、ピッチ上の選手たちには混乱が見られた。

攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった

 今回のオマーン戦はシステム上のミスマッチ以上の混乱は無かったが、やはり2トップにシンプルに当てる攻撃と併用してきたこと、ピッチの影響もあり日本の攻撃面でのミスも多く、連続的な攻撃ができないことで、慌しくなる流れに自分たちからしてしまったことも、試合運びに安定感を欠く要因になっていた。

 オマーンはセルビアで1か月キャンプを張って準備してきたというだけあり、組織としての練度が高く、雨のピッチに足を滑らせたり、ボールが止まったりといった影響は見られたものの、組織として機能していた。それに対して日本側は立ち上げからほとんど慣れたメンバーで臨んでいるとは思えないほど、守備対応だけでなく、攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった。

 試合後の選手たちのコメントを聞いても、オマーンに対する試合前の事前共有が足りていなかったと認識せざるを得ない。特にダイヤモンド型の4-4-2を4-2-3-1のままでどう封じ込めるのか。高い位置からプレッシャーをかけるために、基本的にどういう立ち位置を取ってハメに行き、外された時にどこの選手がどうスライドして対応するか。それが難しい時間帯は一度ブロックを引いて自陣に構えてしまうのかなど。

 もし日本のコンディションがパーフェクトで、パスのテンポや距離、攻守の切り替えスピードでオマーンを完全に上回ったら、今回生じた問題もあまり露見することなく、オマーンを勢いで飲み込んでしまった可能性も大いにある。しかし、今回のような強度で、上回れない状況で突き付けられた問題は、サウジアラビアやオーストラリアとの試合でも問題になってきそうだ。

 そもそもの攻め口として、中央を固められたらシンプルなサイドアタックを増やすべきとか、古橋を投入すると同時にシステム変更すればもっと効果的な攻撃ができたとか、いろいろな指摘はできる。あるいは4-2-3-1でハメきれない様な試合があれば、途中からでも3-4-2-1に切り替えて戦う。そうした森保監督が常々口にしていた“臨機応変さ”がオマーン戦ではまるで見られなかった。

 森保監督もアジアカップのカタール戦を苦い経験として学んだことを語っていたが、相手のスタイルが違うとはいえ、失敗の形としては最終予選の最初に繰り返してしまった。短い準備期間の中ではあるが、相手のプランをいくつか想定しながら、共有しておくことを事前にしておかないと、ここから先の戦いでも痛い目に遭う可能性は極めて高い。

 ただ、中国はまた違った特徴を持つ相手で、オマーンよりも個人の対応がより重要になってくる部分もある。すでにカタール、しかも同じ会場でオーストラリア戦をこなしている相手にどう挑んで行くのか。日本側はオマーン戦より試合感が戻るにしても、移動や入国後の検査など、引き続き相手側より不利な状況での戦いになるなかで、しっかりとしたシミュレーションで臨んでもらいたい。

取材・文●河治良幸



2021/09/04(土)
森保ジャパンを見てると
「そもそもの準備段階で相手の出方を想定し、監督が伝えておくべき部分」がぼんやりとしたイメージを伝える程度しかできてないんだろうと感じる。

「選手間の相談というのはピッチに立った選手たちが、肌感覚で調整するべきディテールの部分」の割合があまりにも大きいから試合ごとに選手たちが意識を共有することから始まってる。
「臨機応変」って基本的な動きやパターンを散々教え込んだ上で、個人のインスピレーションを足せって意味で使うべきなのに、ディテールまで指導する能力がない人が使ってるのは凄く違和感がある。
五輪の女子バスケのヘッドコーチが選手が嫌になる程戦術と攻守の配置を教え込んだ話とか聞いた方が良いよ。
なんとなく選手並べて「臨機応変な!あとは気持ちだ!」なんて何の意味もない。

2021/09/04(土) 
河治さんの記事は指摘内容がディテールまで踏み込んでるのでやっぱり分かりやすいですね。これぐらいの采配批判をもっと続けていってもらいたいです。できれば直接的に森保監督にぶつけてもらいたいくらい。
森保監督の代表チームは同じ問題を繰り返し過ぎ。個人レベル以上のチームとしての成長が感じられない。監督が考え方、やり方を変えられないのであれば監督自体を変えなきゃいけないと思います。

2021/09/04(土) 
代表活動の様子を見ていると森保監督はモチベーターとしての資質はあるようだが、そもそも指揮官に必要な経験、戦術の引き出しが不足している。
攻守において原理原則が示されておらず、何時だって対応は選手任せ。
効果的な選手交代も出来ず、ひたすら選手達の科学反応を待つばかり。
森保監督が代表を率いている限り世界との差は埋まるどころか、離される一方だ。
中国に負けるような事があれば森保監督の解任は元よりW杯の出場も怪しくなってくる。

2021/09/04(土)
現時点での日本人監督のメリットって
「海外経験に乏しく欧州の最新の戦術には疎いが、言語の壁が無くコミュニケーションが
取りやすいため、戦術も浸透しやすく、チームとしての共通認識が素早く出来る」
ってことだと思うのだが、森保だったらそのメリットを享受出来ないよな。
意味ないじゃん。デメリットしか無いじゃん。

2021/09/04(土)
岡ちゃんが森保さんを「自主性を与えてくれる良い監督」って評価してたけどそれジーコJAPANの繰り返しでしか無いのよ。悪い言い方すれば監督自身はカードを持っていないってことだし。
選手も何年前からメンバー変わらんのよw何のためのA代表とU代表の兼任なのw

大戦犯は間違いなく田嶋会長とサッカー協会。会長職も日本の政治と同じようなどろどろしたものが溢れてるのに誰も指摘しないのが謎です。

2021/09/04(土) 
スペースを消してくるチーム相手には日本の2流のパスサッカーでは点を取れない。
これは以前からずっとそうで、スペインでさえ点を取りあぐねるのに日本のチンタラ回すだけの苦し紛れの逃げパスで点を取れる気はしない。

動きが止まった段階からでも相手を抜き切れるドリブラーがいないことには決定的なチャンスさえ作れないよ。

2021/09/04(土)
今さらハリルが良かったとは言わないが、ハリルホジッチ監督を解任理由に選手と監督の間のコミュニケーション不足が挙げれていたが、今も同じではないか?海外組の選手の意識と監督含めたスタッフと協会の間に戦術理解に対するコミュニケーションの乖離があると思う。
臨機応変って選手交代自体もだけれど、交代のときにポジショニングや戦術を伝えて変更することもできると思う。

日本人に拘らずW杯で勝利数の多い監督を連れてくる体制に変えないと、欧州スタイルが馴染んできているアジア勢に男子も女子も勝てなくなる気がする。

2021/09/04(土)
大迫選手頼みは限界かと。
あと、さすがに連戦つづきのオリンピック組は疲弊していると思うから、
コンディションのいい国内組という選択肢もあると思う。

2021/09/04(土)
選手のコンディションの悪さで戦術云々じゃなかったかもしれないが、そんなの事前の視察などで分かるはず。強度が全く足りてなかった。それでいて、あの立ってるだけの無策ではそりゃ勝てないわ。せめてセルティックの試合だけでも見てたら古橋は真ん中でしょ。

2021/09/04(土) 
≫試合後の選手たちのコメントを聞いても、オマーンに対する試合前の事前共有が足りていなかったと認識せざるを得ない。

本当にこの通りであり、日本はオマーンに対する事前の共有と対策不足が露呈し、そのことが試合の内容と結果に最悪の形で結び付いてしまったものだと思われ、次戦以降もこのようなことが続けば予選通過も遠い夢となる危険性さえ感じられます。

2021/09/04(土)
なんせ監督力がないし、選手がレベルが高い所でやってるから、選手の基本に監督がついていけてないと思う。やっぱ外国人監督がちょうどいいと思う。森保監督では相当な役不足でしかない。オマーンに負けるなんて海外のメディアの表現借りるけど「恥」だよ。
アジアカップでカタールに負けた時も思ったけどカタールやオマーンごときに予選でつまづき、その原因が監督ならば即刻解任だよ。日本のサッカーの為にならないからね。

ついでに協会も一新するべき。有能なFWの育成もせず、スペインだ?メキシコだ?そんな非現実的な国を模範にして日本サッカーをつくるとか全く時間の無駄。挙句は日本人監督にしてカタールやオマーンに負ける?銅メダルも逃す?なでしこもメチャクチャ。辞任する要素沢山あるんやけどね。なんで辞めないのか逆に不思議?

田嶋、反町、即刻辞めるべき。進歩進化を妨げているよね確実に。

2021/09/04(土)
もう森保ジャパンは無理だって…

なんたって策が無いのが丸分かりで相手監督はいつもやってる戦術、システムを分析し丸裸にできるのだからカウンターのみの戦術でも勝てるかも知れないと判断できる。

次も同じ様な事がおこれば予選敗退は現実味が出てしまう…

2021/09/04(土)
森保さんになってから得点が必要な状況になっても厚みのある攻撃を見たことがない
どういう指示を出したら鎌田や原口や古橋が地蔵になるんだ?
攻撃が明らかに枚数不足なのにどうやってゴールを奪うつもりだったのか森保さんに聞きたい

2021/09/04(土) 
ハリルの方が
何故この選手なのか、何故必要なのかって言うハッキリとした説明も有ったな人選も。ミドルを打て、16m内はシュート、デュエルを強く、負けも有ったけど、まだ何かやりそうって気がしたもんなぁ。ポイチの人選、そのハリル時代に活躍してた選手をまだ選考。融合って何やったの?って感じ、ベスト16以上ところか本大会すら危ういね

2021/09/04(土)
この前の試合、オマーンに準備期間が一ヵ月あったのに対して日本は若干一日のみ。だがこれは言い訳にすらならず、こういう局面でこそ戦術面や人員配置での修正力が物を言うのだと思う。
森保さんは所謂、引き出しの少ない監督なのだと思う。試合の中で修正しようにも時間を掛け過ぎていたり経験不足なのが見てるこっちにも伝わってきた。
アジアではなく、もっと欧州で経験を積まないと日本人の監督では勝てる試合も勝てない。
良い選手が揃ってるのに勿体ないですね。

2021/09/04(土) 
女子サッカーの高倉監督と同じだよね
どうみてもだめだから
そのレベルにないと周囲に言われながら
最後に惨敗の結果をだす
協会は国内のリーグちょっと見てあと適当にやってるんだと思う
監督もそうだろう
海外の早いトレンドにまるでついていけてない

2021/09/04(土)
雨の芝生でボール回し。
この監督はもう辞めた方が良い。
せっかく古橋を出したと思ったらサイドだって。
これじゃあ彼の能力は生かせない。
中央で使って、後方から素早くパスを出し速攻による攻撃が一番良いはず。

2021/09/04(土)
優秀な監督は引き出しも多いし、決め事も細かくしっかりしている。森保にはそれがない。アジアカップやオリンピックで結果が出せないのに変えない理由を協会は説明してほしい

2021/09/04(土)
所属チームで調子の良くない古株をあえて呼ぶメリットは連携の成熟度があるからかと思いきや、試合を見てて「攻撃イメージの共有」と言うものが全く感じられない。
個々の技術はあるけどお互いを理解してない。本当にどういうチーム練習をしてるんだろうと思わされる。
選手のコンディション不良、連携の拙さ、怪我人の続出、意図不明のメンバー選考など、一つ二つを解決して良くなるものではない。
抜本的なチーム作りを変えなければいけないと言うことが、いつになったら理解されるのだろう。

2021/09/04(土) 
監督より選手の方が経験豊富で、監督の役目果たしてないね。
リスクマネジメントができていなく、監督自身が臨機応変に対応する戦術も持ち合わせていないのだろう。
この監督の限界にきているのだから、早く変えないと大変なことになる。
アジアのレベルならワールドカップ出れて当たり前と思っている人も多いだろうが、心配になるよね。
これでは出れても期待もてないね。











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