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シンプルさを最大のセールスポイントとするサッカーにおいて、最も複雑とされるルールが、オフサイドの反則だ。これをわかりやすく説明すると、「攻撃側の選手が、相手のゴールキーパーの前に立つなどして、味方のパスを待つようなズルい行為は認められない」となる。つまり、攻撃側の"待ち伏せ行為禁止"が、オフサイドという反則の原点なのだ。

このルールが存在することで、攻撃側と守備側に高度な駆け引きが生まれ、それがサッカーの奥深さにもつながっている。そういう意味では、オフサイド・ルールは「サッカーの肝の部分」と言っても過言ではないだろう。

そんなオフサイド・ルールが、来年の夏から大きく変わろうとしている。これは、5月のFIFA(国際サッカー連盟)年次総会で協議された案件で、日本サッカー協会の田嶋幸三会長がその改正案を明かしたことから、サッカーファンの間で大きな話題となっている。

では、オフサイド・ルールはどのように改正されるのか? あらためて、現在施行されているルールを確認した上で、その変更点と影響を整理してみよう。

まず現行ルールでは、味方選手がパスを出した瞬間(ボールを蹴った瞬間)に、受け手となる攻撃側選手の手や腕を除く体の一部が、オフサイドラインより前に出ていた場合は、オフサイドの反則と判定される。

オフサイドラインとは、守備側の後方から2人目の選手(GKを含む)を起点とするゴールラインと平行の線のこと。つまり、攻撃側のパスの受け手が、ディフェンスライン最後尾の選手とオフサイドライン上で重なった場合、頭や爪先など体の一部が少しでも前に出ていれば、オフサイドの反則になってしまう。

しかし実際は、これを審判団が目視で正確に判断することは困難を極める。そこで、FIFAは2018年W杯でVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を導入。ゴールにつながったオフサイドについて、より厳密に見極められる環境を整えることで、長年にわたって物議を醸してきた問題の解決を図った。

画面上で、静止画を拡大しながら正確に判定を行なうVARは、オフサイドか否かを、それこそ数センチ単位で見極められる。すると今度は"正確すぎる"判定に対し、選手や監督が「センチメートル・オフサイド」と揶揄(やゆ)するようになり、逆に批判の対象になってしまったのだ。

そんな状況を見て、昨年2月に「あくまでも私見」としてオフサイドの新ルールを提案していたのが、かつて名古屋グランパスの監督を務めたこともあるアーセン・ベンゲル(現FIFAグローバル・デベロップメント部門チーフ)だった。

いわく「体の一部がオフサイドライン上に残っているなら、その選手はオンサイドと見なされるべきだ」。ベンゲルは、現在VARによって横行する「センチメートル・オフサイド」に対するアンチテーゼとして、ルールの緩和を提起したわけだ。

実際、今回の改正案は、まさにベンゲル氏のアイデアをFIFAが取り入れた格好になっている。田嶋会長によれば、来年7月からの施行が確定的とされる新ルールでは、「攻撃側選手の体が、オフサイドライン上に一部でも残っていた場合は、オフサイドの反則とは見なされない」という。

これにより、例えば攻撃側のパスの受け手は、頭や足のかかとなどをオフサイドライン上に残しておけば、オンサイドとしてプレーを続行できることになる。

注目は、改正によってサッカーがどう変わるかだ。「攻撃的で、より得点の入るサッカーになる。戦術にも大きく影響する」とは、田嶋会長の見解だが、そもそも今回の案を主張していたベンゲル氏の狙いもそこにあった。

FIFAの調査によれば、新ルールが施行されると、過去のデータと比較してゴール数が50%増加する可能性がある、とのことだ。

確かに「センチメートル・オフサイド」に象徴されるように、現在はわずかな体の位置の違いから、多くのゴールが取り消されている。それがすべてゴールとなれば、サッカーの醍醐味(だいごみ)でもあるゴールが増加することは必至。

明らかに攻撃側に有利なルール改正で、日本代表でいえば、ポストプレーを得意とする大迫勇也より、スピードを生かしてディフェンスの背後を狙うプレーを好む浅野拓磨、永井謙佑、鈴木武蔵のようなタイプのフォワードが、これまで以上に重宝されるかもしれない。

大変なのは、最終ラインを形成するディフェンスの選手だ。これまでは、一糸乱れないラインをつくって網を張り、オフサイド・ルールを前提に、思い切って前に出て相手フォワードと駆け引きをしてきた。

しかし新ルールが採用されると、相手の位置よりも確実に自分たちのラインを下げておく必要があるため、より慎重に対応すべく、ディフェンスラインを下げざるをえなくなる。

そうなれば、これまでハイライン、ハイプレスを基本に戦ってきた横浜F・マリノスのようなチームは、戦術の再構築を余儀なくされる。そういう意味では、今回のルール改正によってゴールが増える可能性がある一方で、守備的な戦術を採用するチームが増え、逆にゴールが減る可能性も否定できない。

いずれにしても、このままいけば来年11月に開幕するカタールW杯では新ルールが採用される。前回大会ではVARが話題となったが、今回はオフサイドが脚光を浴びることになりそうだ。


取材・文/中山 淳 写真/アフロ



2021/06/09(水)
VARの功績は明らかなミスジャッジが減ること。
VARのせいで得点が入りにくくなったと言うのと同列に語るのは少し疑問。同じようにセンチオンサイドの議論が再出するだけとも思うが。

2021/06/09(水) 
サッカーの醍醐味(だいごみ)でもあるゴールが増加することは必至。

なんだかなーって感じ。
点を奪い合うスポーツだから醍醐味なのは間違い無いけど野球やバスケ等に比べて得点が少ない(難しい)のもサッカーの醍醐味だと思うんだけどな。どんな競技もだと思うが得点が多ければ楽しいもんでもない。
センチメートルオフサイドって結局ルール変更したところで出てるか残ってるかの違いでセンチメートルで揉めるのは今と変わらないだろ。
変更する意味がわからん。

2021/06/09(水) 
得点が入るようになっても面白い試合になるとは思えないね
スルーパスで抜け出す場合、加速して前傾姿勢になったFWの後ろ脚が僅かにライン上に残ればいいなんてことになったらDFが反転して対応できるわけがない
そしたら守備時は裏のスペース消す為に引くしか無くなる
攻撃も適当な縦ポン一発で快速FWに渡れば一点なんだから、ますます全体押し上げる意味が薄くなる
ドン引きロングカウンターの応酬で得点だけはよく入る大味な試合が増えるだけ

2021/06/09(水) 
オフサイドトラップはサッカーディフェンスの醍醐味の1つなのに得点ばっかり増えてもなぁ。身体張る守備が益々重要になって身体の小さい日本は不利になると思う。

2021/06/09(水)
正直やめてほしい。
これにしたら守備時にハイラインにするチームが激減すると思うんですよね。
日本でもこんなに戦術だったりが発展してきているからやめてほしいです

2021/06/09(水)
ハイラインを採用するチームは激減する。そして守備的なチームが増えゴール数は減る。時代に逆向する攻撃側に不利なルール。ドン引き縦ポンサッカー増える…

2021/06/09(水)
結局はオフサイドラインに対して身体の「先」か「末端」かになるだけで、審判が難しいジャッジをすることに変わりはないと思うけどね
むしろ慣れないうちはVARによる確認も増えるだろうし

2021/06/09(水)
副審は攻撃側の体が出てるかどうかを判断するのは見やすいが、体の一部が残っているかどうかを判断するのは難しい気がするな。VARのない試合、アマの試合も証明できないから、もめるんじゃないかな?
手の先とか指だけを残してオンサイドってなるので、どちらもセンチメートルのルールだよ。

2021/06/09(水) 
守備的な戦い方が増える不安があるのはよくわかる。
ただ、サッカーに大きなメリットをもたらす可能性もある案だし、やってみないとわからない部分も多いので、実際に試験運用してみるのは良い事だと思う。後戻りできないわけでもないし。
もちろん現場は大変だけど、そのあたりの負担も考慮した上で思い切って決断したのでしょう。どんな結果になるのか、それはそれで楽しみ。

2021/06/09(水) 
ライン統率で世界と戦う日本にとって、大ダメージでしょ。スピード大事と思うかもだけど、DFはライン上げないから、高さだよ。オフサイド狙いなんてしないからベタベタライン下げて、攻撃はミドルと放り込みで高さ勝負。
ポストプレーが最も重要になるね。

2021/06/09(水)
このルールが適用されると、FWがDFよりもゴール側にいる事が可能になりますね。
腕でDFを抑えて背負う形にしちゃえばいい。

そうなるとDFは接触されない、かつオフサイド取ろうと前へ上がるしかない。
試して見ないと分からないけど、サッカーの根幹に関わってくるルール改正だと思います。

2021/06/09(水) 
サッカーの醍醐味は年齢国籍問わず、そのプロセス。決して点の取り合いではない。

ナイスパス、ナイスカットや体の入れ方、ワンタッチパスやそのディフェンス。

最終ラインに足や手が残ってれば良いとか、意味わかりません。

2021/06/09(水) 
センチメートルオフサイドを減らすための対策には全くならない。体の一部に手は含まれないそうだが足は?足は高速で回転しているんだから LINE 上に残ってるかどうかなんてわかるわけないよ。足を除外するとするとどこまでが体なんですか? それ、今までの判定より難しいですよね?
アルツハイマーが始まった人達が集まってカッカして話し合ってる内に変な結論が出てしまい、歳食ってるぶんだけ権威があるもんだからそれで止まんなくなってしまった・・・ということだと思う。
センチメートルオフサイドはこの改正じゃどうにもならないんだから、さっさと却下されるべきだ。

2021/06/09(水)
コレは微妙なルール改正、、、VARあってのものだけどわざと手だけでも残しながら走るとかって言うのも増えそう。明らかに体の半分以上がライン内とかなら裏抜けするの方の技術アップにも繋がりそうだけど、、、岡崎とかが取られまくってたレベルのオフサイドを無くせるようにルール見直して欲しいな。

2021/06/09(水)
止めるなら今のうち。
サッカーが死ぬ。

と思うんだけどなぁ、他の人達もコメントしているように。

やっぱり、一番の解決方法は、どうせ今VARで2人試合会場にいるのだから、その2人を狭い部屋に閉じ込めるんじゃなくて、副審にしちゃえばいいのよ。両サイドにハーフウェーラインで分けて2人ずつ配置して、常に両サイドから監視出来るようにする。
それであとはマイクでやり取りすれば、今の審判の技術力があれば、ほぼ問題無くなるんじゃないかと思うんだけどね。

サッカーはミス前提のスポーツなのに、それを機械で判定しようとするから違和感が出てくる。

現代のスピーディーなサッカーに合わせて審判を増やす代わりに、今までのように最終的にはミスも許容する。
それがあるべき姿だと思うけどなぁ。

2021/06/09(水) 
オフサイドの判定ラインが変わるだけで、センチメートルオフサイドの問題は変わらない。
ディフェンスラインは下げざるを得ないし、オフェンスは今まで以上に裏を取ろうとするから、間延びしたサッカーが増えてくる気がする。
結果、縦ポンの空中サッカーが多くなるか。
コンパクトなスピーディーなサッカーから離れるのは確実。

2021/06/09(水)
陣形が間延びして、ボールの奪い合いが少なくなりそう。
しかし逃げ切るための守備固めを目的で最後の10~15分ほどラインを下げたままにするのも減りそう。
プレシーズンマッチ等の練習試合でテストプレイしてから実施でも良いと思う。すでにテストプレイしているのかな?

2021/06/09(水)
寧ろVARの運用に問題があるんだよ
ジャッジの判断で使うのではなく、チームないし選手のチャレンジ制にすれば良いだけよ
局面に関わった選手が自信あれば、オフサイド、或いはオフサイドではなかった
PKに相当するファウルだった、そうではなかった
それをジャッジに申請してVARが適用される。
ミスチャレンジ2回でイエローとか。チーム全体でワンハーフに2回までとか。
それで乱用も防げる。
勝負の局面をジャッジの恣意的な判断でコントロールできてしまうのが、
少なくともそう見えてしまう事が起きるのがサッカーの一番いやな処じゃん
中東の笛のように

オフサイドラインに対してどうこうは、どっちにしても同じことよ

2021/06/09(水)
引用
・オフサイドにおける手や腕の境界線
オフサイドの項目に「腕の上限は脇の下の最も奥の位置までとする」

この解釈によると『手』というより、胴体の一部がオフサイドラインに掛かっていればオンサイドになる、ということ

ナルト走りは解釈を間違えてるよね。

『足』のみオンサイドで『手の境界線(胴体)』がオフサイドの場合はどうなるんだろ?

1次情報みてないけど、やはりオフサイドになるのだろうか、、

2021/06/09(水)
コメ主さんは、一度審判の資格を取って、副審を経験されてみることを提案します。
間違いなく、オフラインをキープするどころか、オフサイドを見極めることすらできないのは必至です。
ちゃんと審判を経験した人間にしてみれば、このルール改正はありがたいものです。











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