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 試合が終わっても、あうんの呼吸が続いていた。U-24日本代表を快勝に導いた2人のレフティーから、お互いを表現し合う同じニュアンスの言葉が返ってきた。
 
「こう言うと正しいのかどうかわからないですけど、感じたままに動いて、感じたままにプレーするのが、2人のよさを最も引き出し合えると思っています」
 
 前半16分に先制点を叩き込んだ堂安律(ビーレフェルト)が声を弾ませれば、同32分に2点目を決めた久保建英(ヘタフェ)も「感覚」の二文字を繰り返した。
 
「正直、感覚ですね。話し合っているところもありますけど、実際に試合に入ったら感覚なので。けっこう波長も近いですし、すごくわかりやすいですね」
 
 U-24ガーナ代表に6-0で勝利した5日の国際親善試合。無観客のベスト電器スタジアムでキックオフ直後から何度も繰り返され、相手を混乱させたのは[4-2-3-1]のトップ下に入った久保と、右サイドの堂安によるポジションチェンジだった。
 
 先制点はセンターサークル内でボールを受けた堂安が、前方の右サイドへ開いて前を向いた久保へ通したパスが起点になった。ペナルティーエリア内の右側へ侵入した久保は細かいステップを踏んで身体の向きを変え、間髪入れずに利き足の左足を一閃した。
 
 対峙したガーナのディフェンダーの股間を抜けた強烈なシュートを、キーパーがかろうじて弾き返す。山なりのこぼれた球に反応したのは、久保をフォローしてきた堂安。落ち際を見極めて放たれた左足ボレーが、ゴール右隅を正確に射抜いた。
 
「(久保)建英が一発で決めてくれれば、それが一番よかったんですけど」
 
 森保ジャパンへ飛び級で招集されてきた関係で、東京五輪世代となる年代別の代表では意外にも初めてのゴールを苦笑しながら振り返った堂安は、さらにこう続けた。
 
「ちょっとラフなところにこぼれてきたんですけど、僕自身がまだシュートを打っていなかったので、一本打っておこうかな、と。軽い気持ちで打ったのが功を奏したというか、当て感のフィーリングがすごくよかったですね」
 
 右足から放たれた強烈なシュートはゴールバーに嫌われたが、前半25分には堂安とのワンツーで、右サイドからペナルティーエリア内へ侵入した久保があわやのシーンを作り出している。そして、追加点の場面も堂安と久保が起点になった。

 オーバーエイジの一人として先発したボランチ遠藤航(シュツットガルト)が、前方にいた堂安へボールを預ける。このとき、右サイドにいた久保が斜め左前方へ走っていく。堂安からパスを受けて仕掛けるも、マークに来たガーナ選手と交錯した。
 
 ペナルティーエリア内の右側へこぼれていくボールを見た瞬間、久保の脳裏にはゴールする絵が浮かび上がった。ワントップの上田綺世(鹿島アントラーズ)がモードを攻撃から守備へ素早く切り替え、ガーナの選手と競り合おうとしていたからだ。
 
「フィフティー、フィフティーのボールなら上田選手が勝ってくれると思って、(ゴール前へ)入っていきました。そこでしっかりと勝ってくれて、自分の方を向いたのでボールを要求して、いいコントロールができた。あとは落ち着いて流し込むだけでした」
 
 身体の強さを生かしながらボールを収め、身体を反転させた上田と久保がイメージを共有する。堂安もペナルティーエリア内へ入り込んできたが、すでに開通していたホットラインに気がつき、上田から久保への横パスをスルーした。
 
 左足でボールを止めた久保はそのまま前へ進みながら、重心を左から右、再び左へ瞬時に、そして細かく移動させる。これが絶妙のフェイントとなってガーナのキーパーを惑わせ、左足から放たれた久保のシュートに対する反応を遅らせた。
 
 U-22代表として出場した2019年3月のU-22東ティモール代表戦以来となる、東京五輪世代となる年代別代表で決めたゴール。前日4日に「大人のサッカー、大人の自分を見せたい」と20歳になった抱負を語っていた久保にとって、試合の流れをさらに日本へ引き寄せる、テクニックと冷静さを融合させた有言実行の一撃となった。
 
 カメルーン、コートジボワール両代表と対戦した昨秋のA代表のオランダ遠征で、すれ違う形で出場していた堂安と久保が同じピッチで共演するのは、2019年11月のU-22コロンビア代表戦(エディオンスタジアム広島)以来となる。
 
 もっとも、当時は[3-4-2-1]システムで左右対のダブルシャドーを形成するも上手く噛み合わず、攻撃陣全体も機能しないまま試合も0-2で完敗した。
 
コロンビア戦より前にA代表へ招集されはじめていた久保と、A代表の[4-2-3-1]の右サイドハーフで重なっていたポジション争いを問われるたびに、堂安はやや困惑した表情を浮かべながら、3歳年下の久保に対してこう言及していた。
 
「建英の存在には刺激しか感じないですよ。建英の成長によって焦らされる自分がいるので。生かし、生かされながら、チームのためにいいプレーができればと思う」
 
 東京五輪のグループリーグ初戦、7月22日のU-24南アフリカ代表戦を想定したU-24ガーナ代表戦は、攻撃陣のなかで化学反応が起こる要素が整っていた。
 
遠藤に加えてセンターバック吉田麻也(サンプドリア)、右サイドバック酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)と、A代表でも主力を担うオーバーエイジ候補がそろって先発した相乗効果に、堂安は「あの3人は頼もしすぎます」と声を弾ませた。
 
「後ろに3人がいるだけで、前の選手がすごく伸び伸びとプレーさせてもらいました」

 さらには左サイドハーフに、1対1での仕掛けを得意とする相馬勇紀(名古屋グランパス)が先発した2列目の顔ぶれが、ある攻撃パターンを閃かせたと堂安は続ける。
 
「相馬くんは僕たちとはタイプが違うと練習からわかっていたので、僕と建英とでポジションを入れ替えながら相手を崩して、サイドチェンジをする場面が多くなる、と。だからサイドに張っていて、仕掛けてほしいという話をしていました」
 
 A代表に専念する森保一監督に代わり、U-24代表の指揮を執る横内昭展監督から「流動的に、流れのなかで変わったらそのままでもいい」とお墨付きももらっていた状況が、お互いを生かし、生かされるポジションチェンジをスムーズに機能させた。
 
「理屈や戦術だけじゃ上手くいかない。僕は建英のよさをわかっているし、建英も僕のよさをわかってくれている。チームを引っ張っていかなければいけない2人が最初に点を取れたことは、チームとして勢いに乗っていきやすいと思う」
 
 後半に決まった相馬や上田、そして途中出場の三笘薫(川崎フロンターレ)のゴールの呼び水になった2発に手応えを深める堂安に、久保も思いをシンクロさせた。
 
「自分がやりたいプレーを、堂安選手もしている。同じレフティーで特長も似た選手がいると自分もすごくやりやすいし、相手にとっては嫌なのかなと思います」
 
 東京五輪の開幕まで50日を切った土壇場で、オーバーエイジを招集していない攻撃陣の中心で、競争から共存へと関係を昇華させた堂安と久保が、以心伝心をキーワードとしてまばゆい輝きを放ちはじめた。
 
(文責・藤江直人/スポーツライター)



2021/06/06(日)
U-20ワールドカップの本大会に久保が15歳で呼ばれた時、堂安のゴールをアシストしました。初めて一緒プレーしてから5年近くたちましたが、長く組んでも合わないコンビもあります。代表のような連携を擦り合わせる時間が少ないチームでは、感覚的に合うこのようなセットは活かすべきですね。

2021/06/06(日)
一緒に出てもお互い逆サイドに入る事が多くて中々近い距離でプレー出来なかったからね
まあ1番の要因はOAや田中冨安等後ろの選手の安定感が一気に増したからだろうけど
後ろがあれだけしっかりしてりゃこれくらいのプレーはこの2人なら余裕でしょう
しかもまだまだ良くなると思う

2021/06/06(日)
堂安かなり、レベルアップしてたし安定してる。ボールも取られにくいね。キープの安定感が家長みたいだった。すごいわ。三好とはタイプがちがうね。

2021/06/06(日) 
堂安と久保のポジションチェンジはうまく出来ていたと思います。そして2人とも左利きだからカットインが得意だけどその時空いたスペースに酒井がオーバーラップしてくる形も非常に良かったと思います。

2021/06/06(日) 
感覚が合うのは頼もしい。
相馬はタイプ違うらしいけど三笘はどうなんだろう?
何となく闘莉王の言ってた相馬LSB、三笘LMFが気になる。
相馬は長友にタイプ似てるし。

2021/06/06(日) 
なぜ久保建英と堂安律のホットラインが機能したのか?
そんなのは、「実力差」それだけです。例えば、柔道でいえば、開始数秒、組み合った瞬間で相手の実力がある程度わかるそうです。実力差は理屈じゃないんですよね。対戦形式のスポーツはある程度の実力差があると、強いほうのやりたい放題です。ガーナは、結果的にそうなったのか、意図的なのかはわかりませんが、かませ犬だったという事ですね。かませ犬は、自信をつけるためのものなので、マスコミが勝因を掘り下げるインタビューをする事は、選手の邪魔でしかないと、私は思います。

2021/06/06(日) 
相手も久保より年下の選手が混じったチームだし、「感覚」で点が取れたというのは、2人で攻撃の1フェーズが完結できるほど相手との間にレベル差があった、ということ以上の意味はないというのが実情でしょうね。

今現在のトップ級同士の対戦では(特に練習時間が長くとれるクラブでは)、奪った直後の相手に隙があるときに攻め立てるポジトラ重視のコンセプトを取り入れていないところがないくらいですし、選手2人のフィーリングで流動的にポジショニングを変えるのは、互角以上の対戦相手では通用しないと思って組み立てないと厳しいでしょうね。

2021/06/06(日) 
機能したというより、相手のレベルが低すぎただけ。レベルの高い相手にしたときに、どのようなパフォーマンスが出きるかよな。

2021/06/06(日) 
もうちょっとやる気のある相手だったらどうだっただろう?相手の守備は緩かったし攻撃はやりたい放題だったからねぇ。

2021/06/06(日) 
たった1試合、それも今回のガーナ代表はU20歳の子も多かったし実力的には日本のユースチームと同じ世代と言ってもいいチームで連携がと言っても、、
もっと強いチームで同じ事が出来るかなんかまだわからないだろ。
A代表には完璧抑えられてたわけだし。
オーバエイジが出てなかったから失点は仕方ないとしても前線はオーバエイジいないから本番点を取れるか不安しかないが?

2021/06/06(日) 
このご時世に来日してくれたガーナの選手たちには申し訳ないが、あのレベル差でたったの6点…圧勝なんて言葉は使わないでほしい

2021/06/06(日) 
南米の黒ヒョウと呼ばれているガーナに6-0で圧勝できる実力があればメダルは確実ですね。
本大会は18人だから、いっきに18個の金メダルを大量獲得できるチャンスです。

2021/06/06(日) 
相手は本気じゃないし、あまり参考にならないと 思います。

2021/06/06(日) 
機能してましたか?
得点があったから
そう観えてるだけでは?
スポーツライターとやら大丈夫?
それともダイジェストしか観てない?

2021/06/06(日) 
プレスも弱かったから
上田、久保、堂安がやりたい放題
自由に出来た

2021/06/06(日)
相手が弱すぎたからと思うけど、、なんでこういう格下相手ばかりなのか

2021/06/06(日)
マスゴミの低レベルには呆れる。ガーナのカテゴリーが一つ低かったから。同格相手に機能するかはわからない。

2021/06/06(日) 
相手の質が低いから 自由にサッカーできただけ 上手いとか強いとか錯覚するなよ

2021/06/06(日) 
ヘタフェよ、堂安をとれ!











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