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Jリーグでは今季開幕を前に、移籍の動きが活発だ。なかでも、各クラブの主力級が新たな戦いの場を求めるケースが少なくない。

 とはいえ、ときに「鳴り物入り」などと形容されるような大物選手の移籍であろうと、そのすべてがうまくいくわけではない。過去の実績から活躍が期待されながら、移籍先のクラブで思うような成績を上げられなかった選手も当然いる。

 先日、当コラムでは移籍を機に復活を遂げた選手を何人か紹介したが(※2月2日配信。『柿谷曜一朗や齋藤学は蘇るか。J史に残る移籍で復活した名選手ベスト3』)、そのなかのひとり、大久保嘉人は移籍の"明"だけでなく、"暗"も知る選手である。

 2013年にヴィッセル神戸から川崎フロンターレへと移籍したことをきっかけに、大久保がかつての輝きを取り戻したことは前に記した。移籍1年目の2013年は前年の4ゴールから26ゴールへと得点数を激増させ、得点王を獲得。以来、3年連続でJ1トップスコアラーの座を守り続けた。

 ところが、川崎と蜜月の関係を築いたかに見えた大久保は2017年、FC東京への移籍を決断する。

 前年の2016年にしても4年連続得点王こそ逃したものの、15ゴールを記録。川崎の得点源として重責を果たしていたが、史上初の3年連続得点王は安住の地にとどまることなく、新たな戦いの場を選択したのである。

 しかし、この選択は結果的に裏目に出た。

 FC東京が13位と低迷したシーズンで、大久保自身も8ゴールしか挙げられず、ゴール数は前年からおよそ半減。翌2018年には川崎に出戻るが、わずか12試合出場2ゴールを記録するにとどまった。

 自らの身を置く環境を変えることが、劇的なブレイクのきっかけとなりうることは確かだが、そこにはおそらく相性やタイミングといった不確定要素も関わってくる。大久保の歩みは、よくも悪くも移籍の怖さを雄弁に物語っている。

時計の針をJリーグ草創期まで巻き戻せば、移籍の難しさを物語る、また別の事例に思い当たる。

 それはすなわち、期待を大きく裏切った移籍の例であると同時に、Jリーグ史上最高の大物移籍だったと言ってもいい。

 その大物選手とは、1996年当時の前園真聖。アトランタ五輪で活躍し、日本代表でも次代を担うエース候補として注目されていた前園は、いくつものCMに出演するなど、当時はサッカー界のみならず、日本を代表する有名アスリートとして絶大な人気を集めていた。

 そんな前園は、所属クラブである横浜フリューゲルスとの間で契約交渉がまとまらず、退団が決定。進路が決まらないまま越年した結果、1997年1月、ようやくヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)への移籍が決まった。

 当時はまだ、国内移籍を制限するローカルルールが存在しており(日本サッカー協会が定める選手移籍規程により移籍金算出基準が決められており、契約満了時であっても、移籍元クラブは年俸と年齢で決まる移籍金を受け取る権利があった)、現在ほど選手の移籍が当たり前ではなかった時代である。

 まして並みの選手ではなく、日本屈指のスター選手の移籍となると、それまでにまったくと言っていいほど前例がなかった。現在の日本代表選手に例えるなら、いまだ堂安律がガンバ大阪で、同じく冨安健洋がアビスパ福岡でプレーを続けていたとして、彼らが今季から鹿島アントラーズや名古屋グランパスへ移籍するようなものだろうか。

現在は将来有望な若い選手であればあるほど、海外クラブへ移籍してしまうことが多い。それを考えれば、これほどの大物移籍はこれから先ももう起こりえないかもしれない。当時23歳の前園の移籍金は、基準の満額で4.5億円。交渉の末、推定3.5億円の移籍金が動いたと言われている。

 だが、この世紀のビッグディールも、ふたを開けてみれば、期待を裏切る結果に終わった。

 Jリーグ初代王者となったヴェルディも、1996年の成績は7位止まり。J屈指の人気と実力を誇ったクラブは過渡期にあった。世代交代が必要なかつての王者にあって、前園はひと際大きな注目を集めたわけだが、彼がその期待に応えたとは言い難い。

 移籍1年目の1997年は28試合出場5ゴールと、数字のうえではまずまずの結果を残してはいる。だが、ヴェルディのさらなる低迷(1stステージ16位、2ndステージ12位)もあって、前園のプレー内容は低調なものに。その結果、日本代表からも遠ざかることになった前園は、同年に行なわれ、日本がワールドカップ初出場を決めることになるアジア最終予選にも出場することはなかった。

 結局、前園は翌1998年になっても調子が上向かないまま、シーズン途中に期限付き移籍でブラジルへ。破格の移籍金が動いた、Jリーグ史に残る大物移籍劇は、こうして寂しく幕が下ろされることになったのである。

 また、国内クラブ間での移籍ではなかったが、ブンデスリーガからJリーグへ復帰した高原直泰の移籍も、似たようなケースと言えるだろう。

 2006-2007シーズン、フランクフルトに所属していた高原は、ブンデスリーガでの自己最多となるシーズン11ゴールを記録し、まさに充実期を迎えていた。ときを同じくして、イビツァ・オシム監督が率いる日本代表でもエースストライカーとして活躍。2007年夏のアジアカップでは、別格の力を見せていた。

 そんな高原が2008年、Jリーグ復帰を決断。移籍先に選んだのが、浦和レッズだった。

しかし、前年にアジア王者となった浦和を、さらに高みへ引き上げると期待されたストライカーの移籍1年目の成績は、27試合出場6ゴール。2年目になっても、32試合4ゴールと振るわなかった。

 2007年当時の際立ったパフォーマンスはもちろん、ジュビロ磐田時代にはシーズン26ゴールを挙げ、得点王とMVPの二冠を獲得していることを考えると、まさか、まさかの結果だった。

 大物の移籍であればあるほど期待は大きく、その分、期待に応えられなかったときの失望も大きくなる。ファンの大きなため息を聞くのは大物選手ゆえの宿命とはいえ、移籍とはかくも難しく、リスクをともなうものなのである。

浅田真樹●文 text by Asada Masaki
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a8870b70cb727343960cf1cd7f90096e64ba5b7?page=1 

 

2021/02/06(土)
現在の日本代表選手に例えるなら、いまだ堂安律がガンバ大阪で、同じく冨安健洋がアビスパ福岡でプレーを続けていたとして、彼らが今季から鹿島アントラーズや名古屋グランパスへ移籍するようなものだろうか。
>この例えなんだ?いるか?笑

2021/02/06(土) 
前園の場合、スペイン行きたかったけど移籍出来ず仕方なしにヴェルディに移籍したので他の選手(特に控え組の選手)と人間関係がうまくいかなかったとか聞いたような。
パスが思うように回ってこなかったとか‥。

今だったら間違いなくどっかしらのヨーロッパに行けてたでしょうから時代が悪かったですね

2021/02/06(土)
高原の浦和移籍に関しては、確かに数字的には低調で何故と言われるかも知れないが、あの時すでに高原の膝はボロボロの状態だったと聞いている。要するにブンデスではもう厳しかったから国内に復帰しただけであって、残念ながらピークは過ぎていたと思うのが妥当では。

2021/02/06(土) 
前園がスペインに行ってればバリャドリッドの城くらいは成功してたかもしれない。
そうして引退後にやさぐれて事件も起こさず、バラエティにもあまり出ずにたまに解説する程度のありきたりな元有名サッカー選手で終わったかもしれない。
前園は司令塔の松本人志からのパスを追い掛けてる今が全盛期かもしれない笑

2021/02/06(土) 
あの頃、ゾノのスペイン移籍が実現していたら…と今でも思う。ブラジル移籍のときみたいにイマイチだったかも知れないが当時の期待値は凄かったな。

2021/02/06(土) 
前園は突破力が魅力だったのに、ツートップの下に置いてパス出し役になっていってドンドンふつーの選手になっていった。。1.5列目が適正なのに2列目にしたら良さが消えるのに。ヴェルディでの使われ方がトドメを刺した

2021/02/06(土)
昔誰だったかが
「プロだったらどこのチームでも結果を残せて当たり前と思われがちだけど、プロだからこそベストパフォーマンスを発揮するために繊細なチューニングが必要になる」
みたいなことを言っててしっくり来た。

2021/02/06(土) 
ストライカーが点を取れないのは、本人のせいだけじゃないでしょう。前線までボールを運べないチームなら得点力はただ下がり。
チームの力がないと。

2021/02/06(土) 
前園さんは急に活躍しなくなったから早熟の天才だと思ってた。けどコメ見てそういう事があったのかと理解した。
フリューゲルスファンだったから試合はよく見てたけど、フリューゲルス時代のドリブル突破はホント凄かったなぁ。
エドゥー・マランゴン、ジーニョ、サンパイオetc すごい選手たちもいたし。
あとモネールとかいたな。
エドゥーの超ロングフリーキックは今でも憶えてる。

2021/02/06(土) 
写真の前園さん、コンディションとモチベーションの問題かな?それか、単にピークが短かったのか?

ただ、アトランタ前後で海外出られたなら、もちろん成功したかどうかは未知数だけど、まったく違うサッカー人生をその後送ってたかも、と思う。

2021/02/06(土) 
当時Jリーグバブルも去り、高給取りを抱えるヴェルディは潤沢な資金があったわけではなかった。それなのにビスマルクを放出してまで前園を取ったのはものすごい大博打だったと思う。

2021/02/06(土) 
高原の不調はホント謎だった。代表やリーガで活躍してたから、高額年俸も外国人FWと比較すれば妥当とまで言われてた。

プレーも慢心とか手抜きとかじゃなく、それまでと同じく頑張ってるのに何故か得点が取れない。

2021/02/06(土)
前園の場合は、当時スペインのセビージャかなんかへの移籍が決まりかけてたのに、破談にされてモチベーションを失っていた状態だった面が大きいから、ある意味被害者の側面が強いと思う。

2021/02/06(土)
ゾノに関しては移籍したことが原因ではなくその前の移籍出来なかったことと自分のプレイスタイルとは違うプレイスタイルを世間に求められたことが原因だと思ってる
フリエサポとしてクラブ解体に次ぐ納得いかないことがゾノのスペイン移籍を潰したこと
とにかくこの時代はサッカー文化が幼すぎた

2021/02/06(土)
フリューゲルスが、海外からオファーきてたのに本人に知らせなかったり
セビージャ相手だったかな?
移籍金4億要求したとか。
当時、日本人に4億払うわけないと前園本人が言っていた。

今はせいぜい1億でしょ。

カズしか海外移籍してなかったし、代理人立ててバッシング浴びるとか、日本サッカー自体が未熟な時期。

前園の件があってからその後、海外移籍がしやすくなったって経緯

本人のメンタルを指摘する声もあるが、自分の金を使ってでも海外に行きたかった前園の気持ちを考えると、残念でしかない。

前園のドリブルはワクワクした。
何かやってくれると期待できた選手。
ダイナスティカップの前園はキレキレのドリブルを連発してたなぁ。

フランスワールドカップに出た山口素広がアルゼンチンのオルテガと対戦したあと、全盛期の前園のほうが怖かったってコメント。

日本史上最強ドリブラーであることは間違いない。

2021/02/06(土)
初期のJリーグって同点の場合は延長戦とPK戦があったり
背番号が固定じゃなかったり、独自ルールがあったよねー

2021/02/06(土) 
過去の記事の部分で柿谷曜一朗と齋藤学の名前があるけど、柿谷曜一朗の今回の移籍ってそこまで大物移籍になるのかな。セレッソではスタメンでなくなっていたし。

2021/02/06(土)
前園の件は、たしかビスマルクが退団したタイミングでヴェルディに来たのかと。その後ビスマルクのアントラーズでの活躍を見たら、もしビスマルクがヴェルディに残っていたらここまで成績下降することはなかったかなと思ってしまう。やはり監督との相性、そのチームのやりたいサッカーで選手の良し悪しは少なからず出ると思う。

2021/02/06(土) 
>現在の日本代表選手に例えるなら、いまだ堂安律がガンバ大阪で、同じく冨安健洋がアビスパ福岡でプレーを続けていたとして、彼らが今季から鹿島アントラーズや名古屋グランパスへ移籍するようなものだろうか。

これ下手すぎるだろ。
例えのスケールが小さすぎ。当時の前園はジーコが日本人で上手いのは前園っていうぐらいの存在。

2021/02/06(土) 
あのディエゴ・フォルランやフェルナンド・トーレスですら期待に見合った結果出なかったわけだし。
期待していたのに結果出ないってのは本人もサポーターもきついですね。
思えば工藤壮人選手もそうだった…。

2021/02/06(土) 
その点マルキーニョスってすげえよな、東日本大震災の影響でプレーできなかった仙台以外の全てで大活躍してるもん

2021/02/06(土) 
ブンデスで安定してゴールを決める選手になった矢先の日本復帰は本当に残念だった
(そこからまるで活躍しなかった事も含め)
あの頃の高原は間違いなく歴代最高のFWだったと思うけど、その期間があまりに短く終わってしまった

2021/02/06(土) 
そうだよね。アトランタオリンピックの活躍からすると失敗例かもね。

当時サッカーではラ王のCMでの舎弟分、
中田に完全にこされちゃったね。笑

でも彼のサッカー引退後のキャリアとしてはよかったんじゃない?

あのお酒での失敗もあったけど今は愛すべきキャラになっているし。

2021/02/06(土) 
FWは特に中盤の選手との関係性もあるから、前のチームでは凄くても移籍先でも輝けるとは限らない。大久保は中村憲剛が居たからこそ得点量産出来たわけだし。

2021/02/06(土) 
サッカーなのでプレイスタイルなどがマッチしなければ成績を大きく落としてしまう可能性もある。
自身や周りの選手の調子の良し悪しなどもあるが、ある程度システム変更とかに対応できないと厳しいよね。

2021/02/06(土)
フロターレでの大久保の得点はもちろん本人の実力もあるが、中村憲剛の存在はかなり大きかったと思う。

2021/02/06(土)
当時、前園一番好きだったなぁ。ティエンポプレミアからしばらく同じスパイク履いてたなぁ。
スペインにも移籍して欲しかったし。
ただし、前園にスペイン語が出来て、サッカー以前に適応してたかは、、、わからんっ!

ヴェルディ酷かったよね、、、何にも繋がらねぇ、何したいのかわからねぇチームだった。助っ人のエウレルだけはそこそこ良かった。

2021/02/06(土)
高原は確かに期待外れだったかもしれないが、既にピーク過ぎてたとしたら仕方ない。それに、高原どうこう以前に2008年の浦和自体が…だったからな。低迷の主因は高原じゃないはず。

2021/02/06(土)
岡ちゃんの指摘は的を射ていると思う。イングランドPLのレベルは高いけど、それは、強い個人のレベルが高いということだと思う。PLの戦術だと自体が高いのであれば、CLでもPL勢が毎回上位だろうし、PLの写し鏡であるイングランド代表の強さも抜けているということになるが、そうはなっていない。連携重視より、速攻重視で、ざっくり言えば、後ろからばぁーと行って、強力なFWがぶぁーと点を取るという感じだけど、フィジカル重視なので連戦の続くPLでFWが疲労したらガラッと展開が変わるという。。なので、個人の能力の突出していない日本人には向かないリーグなんだと思う。PLで活躍できないから駄目だと一概には言えないと思う。

2021/02/06(土)
フリューゲルス時代の前園は無双だったけど、ヴェルディに移籍してから「普通の選手」になった。
当時は、あのドリブルを止められる奴はいない、と思えたのがゾノとリトバルスキーだった。











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