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 ロシアW杯準決勝フランス対ベルギー戦取材のため、モスクワからザンクト・ペテルスブルグに向かう列車で、ベルギーのテレビ局に勤める記者と隣り合わせた。

 話題の中心はもちろんベルギーが劇的勝利を得たラウンド16の日本戦だったが、その記者がロメル・ルカクを絶賛していたこと、とりわけ謙虚で真面目な人間性を高く評価していたことが強く印象に残っている。

『フランス・フットボール』誌12月8日発売号は、ティモテ・ピノン記者によるルカクのロングインタビューを掲載している。今やヨーロッパを代表するストライカーの1人となったルカクが、自らのプレースタイルと世界サッカーにおける自身のヒエラルキーについて詳細に語った。(全2回の1回目/#2へ続く・肩書などは掲載当時のままです)

(田村修一)

「試合前にある程度のアイディアは思い描いている」
――キックオフの際にロメル・ルカクは何を考えていますか。得点ですか、勝利ですか、それとも楽しむことですか? 

ルカク もちろん勝利だ! イタリアでは勝利が何よりも優先される。ここイタリアとイングランドでは、試合へのアプローチに大きな違いがある。僕は自分がやるべきことに集中する。戦術的なミス(ポジショニングや動き方でのミス)は、ここでは絶対に許されない。

――すべてが緻密に作りあげられているということですか? 

ルカク 選手ひとりひとりの動きが詳細に定められる。インテルの場合、すべての選手が攻撃ではどうすべきかを正確に理解している。だからたった1つのミス(タイミングであったり技術的なミスであったり)が、すべてを台無しにしてしまう。

 僕が戻るのを怠って中盤との間にスペースが生じれば、相手はそれに乗じてこちらは後退を余儀なくされる。ボールの位置により動きもすべて異なる。だからこそ高い集中力が求められる。

――相手の観察には数分かかりますか? 

ルカク 弱点がどこにあるかよく見るようにしている。とりわけボールを失う場面だ。ラウタロ・マルティネスとアレクシス・サンチェスにスペースを作るために僕が相手ディフェンスを引きつけるか、あるいは僕自身が縦に速い攻撃を仕掛けるのか……。ただ通常は、試合前にある程度のアイディアは思い描いている。

――それはビデオによってですか? 

ルカク インテルは僕のためにワイスカウト(試合の視聴ができるプラットフォーム)のアカウントを取得してくれた。それがとても役に立っている。前季対戦したチームで今季も監督が替わっていなければ、基本コンセプトに大きな変化はない。試合前には2度の全体ビデオミーティングがある。それらすべてをうまく活用して対戦を振り返り、どうすれば相手を混乱させられるかをよく考える。

ルカクが考える“自身のプレースタイル”
――ポストプレーで相手を崩すのと、自らスペースに攻め込むのとではどちらが好きですか? 

ルカク 基本的には縦に攻める方が好きだ。ゴールに向かったときに僕は最も危険で、スピードがあるしドリブルも仕掛けられる。右にも左にも展開できる。それが僕のプレーだ。これまでカウンターアタック主体のチームでも数多くプレーしたけど、ベルギー代表ではさらなる進化が求められた。

――どんな風にですか? 

ルカク 代表ではボールを保持してもほとんどスペースを見つけられない。だからロベルト・マルティネス監督が、僕がゴールを背負っても容易にプレーできるように、あらゆるお膳立てをしてくれた。代表でもエバートン(ルカクとマルティネスは3シーズンをともに過ごした)でもそうで、当時まだ20歳だった僕は本当に多くを学ばねばならなかった。ただ、そこで進歩を遂げれば、試合でもずっと容易にプレーできることはすぐに分かった。

アザールが仲介した“コンテ監督からのラブコール”
――後にアントニオ・コンテがあなたを(ユベントスに)呼ぼうとしたのは、本物のトップを頂点に据えて3-5-2システムを構築したかったからではないですか。

ルカク コンテには「君がゴールに背を向けて強さを発揮したらそれで終わりだ。誰も君を止められない」と言われた。2014年のW杯のころで、彼がユーベを辞める直前だった。それからチェルシーの監督時代(2016~18年)にもコンタクトはあった。このときはエデン(・アザール)が仲介役を務めた(笑)。

 彼がチェルシーのテクニカルディレクターのマイケル・エメナロに僕の携帯番号を教えて、そこから電話でこう言われた。「ロメル、今度来る監督が君を欲しがっている。君じゃなければ駄目だ」と。それでロンドンで会うことになったけど、その有名な監督が誰なのか事前には知らされていなかった。テーブルについて初めてコンテであることがわかった。ただ、後で冷静に考えれば、彼以外には考えられないのだけれども……。

――2人の歩みが再び交差するまで、さらに3年を要したわけですが……。

ルカク 同じチームになるだろうという予感はあった。EURO2016のグループリーグでイタリアが僕らに勝ったとき、彼がどれだけ完璧にチームを仕上げてコントロールしているかがよく分かった。それが僕のスタイルに合っていることも。彼の考えはハッキリしていて、それを実現することしか念頭になかった。

 ここでの最初の3カ月も同じで、ただただゴールを背にしてのプレーを繰り返した。練習の度にアンドレア・ラノッキア(195cm、81㎏)が背後から僕のマークにつき、決して僕を自由にさせない。そこでボールを失ったら、すべて最初からやり直しだった。

代表コーチの指摘「君とトップクラスの違いは…」
――コンテ監督と出会って、選手としてどこが変わりましたか? 

ルカク (影響は)もの凄く大きく、練習のたびに僕は何かを学んだ。それは代表でも同じで、ティエリ(=ティエリ・アンリ。2016~18年、ベルギー代表コーチ)とはどうすればマークを外して自由になれるかを、しばしば繰り返して練習した。その点で彼は卓越していたから、チャンスを作り出すやり方を僕は学ぶことができた。

――もう少し具体的に説明してもらえますか? 

ルカク それまで僕は、ボールを受けて得点するだけだった。つまりクロスや後方からの縦パスを貰ってゴールを決めた。ティエリは僕にこう言った。「君とトップクラスの違いは、自分自身で得点の機会を作り出せるかどうかだ。ゴールをこじ開けるためにドリブルで3人抜かねばならないのであれば、君はそれをしなければならない」と。それが分岐点だった。自分の試合を見返して、「本当だ。彼の言うとおりだ」と僕も思った。

 数週間後のマンチェスター・シティ戦(2016年10月15日、エティハド・スタジアム。1対1の引き分け)では、彼がアドバイスした通りのプレーでゴールを決めることができた。試合後にティエリは「これでわかっただろう?」というメッセージを送ってきた。特別な例かも知れないが、どの監督やコーチとも同じようなことはある。

――それはジョゼ・モウリーニョも含めてですか? 

ルカク モウリーニョは「チームプレーとは何か」を教えてくれた。特にプレスのかけ方とポジションのとり方についてだ。どんなアタッカーにも必要なことで、今、彼がハリー・ケインに何を教えているかを見ればよくわかる。

直撃質問「あなたは世界で何位ですか?」
――あなたがロベルト・レバンドフスキに特別な敬意を払っているのはよく知られています。あなた自身はストライカーの序列の中で自分をどこに位置づけますか。トップ5に入りますか? 

ルカク 今、この瞬間ということで? 

――ええ、今年になってからでは。

ルカク ここ数カ月で言えば、たしかにトップ5に入っている。僕よりも多くのゴールをあげている選手もいるかも知れないけど……(しばし考え込み、自分のゴールを数えだす)。いやいや、トップ5なら十分だ。

すべては「ピッチ全体をスキャンできるか」
――それではあなたがイニシアチブを執ったカウンターの場面を考えてください。効果的な攻撃を仕掛けるために何が必要でしょうか? 

ルカク 情報を得ることだ。多くの選手はスピードアップする際にボールを見ている。でも僕は、周囲の状況を観察するためにボールを足元ではなく少し前に出してドリブルする。ロシアW杯のブラジル戦(準々決勝、2対1の勝利)や日本戦(ラウンド16、3対2の勝利)でもそんな状況があった。

 ブラジル戦で僕はケビン・デブライネにパスを送った。というのもマルセロが後退して、ブラジルの守備バランスが崩れているのが分かったからだ。マルセロは僕らの後を追いかけるだけで何もできなかった。日本戦もボールは持っていなかったが同じだった。僕が走ればトーマス・ムニエにスペースを作れると思ったし、結果的にそれがナセル・シャドリの決勝ゴールにつながった。すべてはピッチ全体をスキャンできるかどうかの能力の問題なんだ。

――そうした地味な仕事は、報われることも少ないのではないですか。人々が注目するのはあなたのプレーそのものであり、屈強なところですが……。

ルカク ときに謙虚になって、チームのためにプレーしなければならないときがある。特にフィニッシュがうまく決まらずに自分の日ではないと感じたときは、焦って結果を求めるのではなくチームのために献身する。見ている人たちも、全員とはいかないにせよ多くはプレーの知的な側面をよく理解していると思う。そこで貢献できるのも僕の大きな喜びだ。

ゴールを決めるのが最大の目的だけど…
――記録には残らないけれどもゴールに間接的に関わるのと、自身のシュートで直接ネットを揺らすのとでは、どちらの喜びがより大きいですか? 

ルカク 僕はストライカーだ! ゴールを決めるのが最大の目的で(と何度もテーブルを叩く)、その喜びに代わるものなど何もない。でも繰り返すけど見ている人たちが、僕が考えながらプレーして、チームメイトたちと常にシンクロしようとしてることを理解してくれたらとても嬉しい。僕がどんなタイプかを理解してくれているチームメイトには感謝の気持ちしかないね。

――そうした理解が得られないかもしれないと疑ったことはなかったですか? 

ルカク それは……(言葉を探しながら)、自分が進むべき道はそこだと僕は納得した。(16歳でプロ契約した)僕は早熟だったけど、しかるべきときにポジティブなものを得ることができた。だから他人の助力を得るために力を注ぐことなく、自分の仕事に集中する術を学べた。なるべく早く良きチームメイトになることが目的で、それは周囲もよくわかっている。僕が加われば、チームのために献身することを。

(「フランス・フットボール通信」ティモテ・ピノン = 文)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a219c989bbdae766786356883eaacfc8d3f74aa?page=1 

 

2021/01/24(日) 
足速い、体強い、デカい、上手い。
シンプルにこれに尽きると思う。
間違いなく、世界のトップ選手の一人。

2021/01/24(日) 
これだけの素質があればもっと自己中心的な選手になってもおかしくないけど、献身性や知能を備えてるのは…相手にしたら悪魔に見えるだろうし、味方にとっては天使に見えるやろうな。

2021/01/24(日)  
ルカクは、良い選手だと思います
身長も高く、体格も大きいので、当たり負けないですし、あの体格であのスピードとボールコントロール等の技術力、シュート力、勘や反射神経の良さ
総合的に、世界でも上位に入る選手だと思います
これからも、頑張ってください

2021/01/24(日) 
彼ぐらいのフィジカルを持っていて尚且つ、これだけ頭を使えるストライカーが日本にいたらなあ…とつい思ってしまう
日本だと体が大きいというだけで上手くいってしまうことが多いから、あまり考えずに最終的に伸び悩んでしまう選手が多いよね、もったいない

2021/01/24(日)  
記事を読んでて岡崎をスケールアップさせた選手だと感じたね
想像以上に知的プレーの選手なんだね

2021/01/24(日)  
エヴァ―トン時代の印象が強く、空いたスペースに突っ込ませたら欧州でも1,2を争う怪物だけど遅攻には向かないという認識だった
セリエ移籍後はプレーの幅が広がっていてびっくりしたわ

俊足の筋肉ダルマってだけでも十分脅威なのに、王様気取りでなく労働者役も厭わずおまけに頭をフル回転させている
モウリーニョやシメオネが声かけそう。というかどの監督も欲しがるか

2021/01/24(日)  
ルカクはナンバー1でしょう!攻めて守って
しかもキーパーもできるのですから素晴らしい選手ですか?私はルカクを高く評価します。知らんけど!

2021/01/24(日)  
アスリートととしての能力は完璧に近い選手だと思っています。

2021/01/24(日) 
戦術的なミス(ポジショニングや動き方でのミス)は、ここでは絶対に許されない。

()の中で、コーナーキック→ヘディングシュート→ルカクヘッドショット
の事件思い出しちゃう、、、

2021/01/24(日)  
サイズとフィジカル的な能力だけでも十分怪物だけど、思考するという意味で頭も使えるようになればこれから5年くらいは世界トップ目指せるかもね。

2021/01/24(日)  
アトレティコに欲しい選手

2021/01/24(日) 
なんか思ってたより、きちんと話せるんだな。見直した。

2021/01/24(日)  
間違いなく世界No. 1のストライカーだ思う

2021/01/24(日)  
なんか憎めない奴だよなぁ。

2021/01/24(日) 
写真がかわいらしいな

2021/01/24(日) 
ルカクにフィジカルで勝ったのってミランのケシエくらいかな?笑

2021/01/24(日) 
すげー体格。ボビーオロゴンみたい。

2021/01/24(日) 
1.Cロナウド
2.レバンドフスキ
3.イブラヒモヴィッチ
4.ルカク
5.スアレス

うん。確かにtop5には入ってる

2021/01/24(日)  
謙遜してこそ 価値があるのに もったいない発言。

2021/01/24(日)  
愚問











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