スクリーンショット 2020-09-28 21.52.21

スポンサード リンク

小学生のころから「天才」と注目され、19歳でスペインリーグ上位のビジャレアルでプレーするようになった久保建英。日本サッカー界には10代から「天才」と呼ばれた選手が多数いたが、久保の現在のプレーぶりはそうした選手たちとは一線を画すようだ。過去と現在の天才にどんな違いが出てきたのか。選手時代は16歳でトップチームデビュー、引退後は育成年代のスペシャリストとして20年以上選手を指導している「元祖天才」、菊原志郎氏に話を聞いた。

◆ ◆ ◆

 中学3年時の15歳で読売クラブ(当時/現東京ヴェルディ)のトップチームに昇格し、高校1年時にデビュー。のちに日本代表でもプレーした菊原志郎氏は「元祖天才」だ。

 1996年に引退後は指導の道に入り、一貫して育成年代の選手の指導に携わった。吉武博文監督率いるU-17日本代表『94ジャパン』(※94年以降生まれ)では、U-17W杯でベスト8に進出したチームのコーチを務め、中島翔哉、南野拓実、室屋成、鈴木武蔵などに「近い将来、A代表に入るために」という視点から指導し、成果をあげてきた。

 そんな菊原氏は、日本の若きタレントである久保建英をどう見ているのか。

 自身もテクニック溢れた選手だった菊原氏は「久保選手のいちばんの特徴は、技術の高さだと思います」と語る。

「ドリブルやシュートの技術は、間違いなく高いものがあります。ボールが足元から離れず、相手をよく見ながら、いつでも、どんなプレーもできるような持ち方をしています。オフ・ザ・ボールの準備もすごくいいので、ボールの受け方がうまく、ファーストタッチの技術も日本人選手のなかではズバ抜けていると思います」

 サッカーは、ボールを受ける前の準備ですべてが決まると言っても過言ではない。味方、相手の状況を見て、スペースはどこにあるか、どこでボールを受ければチャンスになるか。この段階において「久保選手は、周りの状況を把握する力、いわゆる認知力がすごく高い」と菊原氏は賛辞を送る。

「ヨーロッパのチームはプレッシャーが速く、守備も厳しいです。そのなかで、相手のプレスをどうかわしていくか、どうすれば、次に自分がしたいプレーに入れるかといった部分は、子どもの頃から習慣化されているような気がします」

 さらに、こうつづける。

「日本人選手が海外でプレーするとなった時に、最初に直面するのが、日本とは異なるプレッシャーの速さ、強さです。久保選手は幼い頃にスペインでプレーしていましたし、日本に戻ってきてからは、常に自分の年齢より上のカテゴリーでプレーしていました。レベルの高い環境、年上の選手とプレーすることで努力を重ねながら適応していった経験が、いまに生きているのではないかと思います」

 久保の歩みを見ていると、10歳でスペインに渡り、13歳で帰国後、FC東京U-15むさし、FC東京U-18、U-23、トップチームでプレー。年代別代表では、中学生時にU-19日本代表に選ばれ、15歳でU-20W杯を経験。17歳でA代表に選出されるなど、常に上のカテゴリーでプレーしてきた。

 いわば飛び級の連続だったわけだが、菊原氏はその重要性を、自身の経験も踏まえてこう語る。

「僕が中学生時代に飛び級していなかったら、成長のスピードが遅かったと思います。いわゆる天才と呼ばれてきた選手って、中学生や高校生ぐらいまでは、よっぽど高いレベルに行かない限り、それほど苦労しないんです。でも久保選手は常に上のカテゴリーでプレーしてきたので、経験値はすごく高い。それは、いままで天才と呼ばれてきた選手とは、明らかに違いますよね。いま19歳ですが、30歳ぐらいの経験値を積んでいるのではないでしょうか」

 菊原氏は中学3年生時に、当時の日本代表が居並ぶ、読売クラブのトップチームに昇格した。紅白戦では加藤久、都並敏史、松木安太郎といった代表クラスとマッチアップすることが多かったという。

「当時の読売は日本代表選手ばかりで、最初はプレッシャーの速さや球際の強さなどに戸惑いました。でも半年から1年が経つと、ボールを奪われたり、身体をぶつけられたりしながら、相手との距離感やかわすタイミングなど、トップレベルのプレーに順応していきました」

 過去を振り返っても、日本サッカー界に天才と呼ばれる選手はたくさんいた。しかし、順風満帆にキャリア重ねていけた選手はそれほど多くはなく"消えた天才"など、ネガティブな表現をされることも少なくない。

 菊原氏はその理由を「現代サッカーが組織化し、高度化してきたので、どのポジションの選手にも、オールラウンドな能力が求められるようになってきたからではないでしょうか」と分析する。

「僕もそうでしたけど、かつては得意な部分を徹底的に伸ばすのが、よいことなのだと考えられていました。でもいまはサッカーが組織化し、高度になってきています。攻撃も守備もできて、組織の一員としてプレーする戦術理解もあって、そのなかでスペシャルな部分を発揮できる選手でないと、評価されなくなってきています」

 現在のサッカーは、FWは攻撃だけ、DFは守備だけをしていればいいわけではない。2019-20シーズンの欧州チャンピオンズリーグ決勝を見てもわかるとおり、ネイマールでさえも、守備のタスクを課される時代だ。

「サッカーを受験勉強に置き換えると、かつては100点の科目があれば、0点の科目があっても目をつぶってもらえました。でもいまは、FWにも守備の能力が求められ、センターバックにも足元の技術が求められます。ヨーロッパのトップレベルのクラブであれば、いくらドリブルがうまくても、守備が苦手、戦術的な動きができない選手は、試合に出られません。久保選手がこれまで天才と呼ばれてきた選手と違うのは、できないことをそのままにしておかなかった部分だと思います」

 そう言って、菊原氏は久保の中学時代の恩師とのエピソードを明かした。久保はスペインから日本に返ってきて、FC東京U-15むさしに加入した。当時の監督は中村忠氏(現FC東京U-18監督)。菊原氏の読売時代のチームメイトである。

「ミニラ(中村監督の愛称)が久保選手に、利き足とは反対の右足を『あまり使わないんだね』と言ったら、すぐに練習して積極的に使うようになったそうです。FC東京のトップチームに昇格した時も、長谷川健太さん(監督)に『守備面が足りない』と言われて、最初は苦労したみたいですけど、少しずつ守備もレベルアップしてきて、試合で活躍するようになりました。久保選手は、自分の足りない部分に対して意識的に取り組み、改善していく力が強い印象があります。そこが、いままで天才と呼ばれた選手とは違う部分ではないでしょうか」

ヨーロッパのサッカーが高度に組織化、戦術化してきた以上、チームの一員として課されたタスクをこなした上で、スペシャリティを出すことが求められている。「ボールを持ったらうまいんだけど...」という選手は評価されなくなり、ファンタジスタが組織のなかでハードワークするのが、現代サッカーだ。

 菊原氏は「その姿勢は、日本代表として世界を相手に戦う時にも重要になる」と言う。

「僕がU-17日本代表のコーチとして、世界大会を戦って感じたのは、ひとりでも守備をサボる選手がいたら、ブラジルやスペイン、フランスからボールを奪えないし、ましてや勝てないということ。それは中島翔哉や南野拓実にもかなり伝えました」

 南野がイングランドのリバプール、中島がポルトガルのポルトでプレーするなど、彼らがヨーロッパで高く評価されているのは御存知のとおりだ。菊原氏自身、育成年代の指導について、次のように感じている。

「その選手の目標はどこにあるのか。日本代表なのか、ヨーロッパで活躍することなのか。それを明確にした上で、得意な部分を伸ばしながら、苦手な部分をなくす。戦術的なサッカーのなかでチームの役割を果たしながら、自分の能力を出せるような育て方をしていくのがいいと思います」

「日本の育成もたくさんの経験を経て、よい方向に向かってきていると思う」と語る菊原氏。日本にも久保や南野、冨安健洋など、攻守に戦術的な動きができて、スペシャリティを持った選手は、ヨーロッパのマーケットでも高く評価されている。彼らの成功例にならい、日本サッカー全体として、どう選手を育成すべきかという道筋が見えてきたのではないだろうか。

菊原志郎きくはら・しろう/1969年7月7日生まれ、神奈川県出身。小学4年生から読売クラブ(現東京ヴェルディ)でプレー。16歳でトップチームの試合にデビューし、以後同クラブの中心選手として活躍。Jリーグではヴェルディ川崎、浦和レッズでプレー。引退後は東京ヴェルディの育成組織や、U-17日本代表、JFAアカデミー福島、横浜FMジュニアユースでコーチや監督を務める。現在は中国スーパーリーグ・広州富力のアカデミーダイレクターとして、クラブの育成部門を統括している。

鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d53c096840925292fddd4dbce937d3340d966aa?page=1 

 

2020/09/28(月) 
久保建英選手に関しては、バルサのカンテラ時代から大切に育成されて来た経緯と、それに甘んじること無く自身のタスクを明確にしながら努力しているポイントが大きいと思う。
また、その他の若い選手達にも刺激となり良い方向に進んでいると思う。
まだまだ日本はサッカー後進国だと思うので、指導する側も含めて一つ一つステップアップして欲しいですね。

2020/09/28(月)  
菊原さんや中村忠さん懐かしい名前ですね。
引退されてもう20年も経つのか・・・

Jリーグを経験した彼らが指導者になって、育成した選手が世界で活躍するようになると日本にも少しずつ世代を超えてサッカーが根付いてきているのだと感じます。

2020/09/28(月) 
20代後半くらいのときにバロンドール取るくらいの
選手になっていたら胸熱だな。まだ先はある。
メッシ、ロナウドが異常なだけでサッカー選手の
全盛期なんて数年あればいいレベル。ただ、
そこがどこになるかは誰も分からない。
もしかしたら久保は今が全盛期かもしれないし、
この先もっとすごい選手になるかもしれない。
いずれにせよ、日本から世界レベルで楽しみな
選手が出てきてくれたことに感謝。

2020/09/28(月) 
久保に足りないのはフィニッシュ力とエリア内に入ってダイレクトで決め切る力
今日もあの唯一の枠内シュートがもう少し左にいってたらとか、久保の崩しから左サイドのグラウンダークロスが当たり損ねてたけど
あれのどっちかが決まってたら評価は更に上がってた
ドリブルとラストパスの精度、圧倒的サッカーセンスは既にワールドクラスだと思ってる
その点ファティはフィニッシュ力が高い
ただまだシーズンはこれから
次節の久保の出場時間が伸びて活躍に期待

2020/09/28(月)  
そして今尚向上中。一番その時に適した環境でプレーできているのがすごい。
本人が引き寄せたこともあるし、サポートする人もいて、かつ、運もあると思うし。
リアルでその成長が観れることが幸に思うけれど

2020/09/28(月)  
何より、天狗にならず謙虚に上を目指してやれてることが一番。
どうしても日本にいると、各世代でトップになってしまえば自分より格上の選手と出会う機会が少なくなる。しかも、メディアからは天才だの将来の日本を背負うだの持ち上げられ、本人その気はなくとも無意識で鼻が高くなってしまう。
岡田武史も「夜遊びや女に酔って消えていった才能は何人も見てきた」という趣旨のことを言っていた。
やっぱり幼い頃から世界のトップにチャレンジ出来たことが良かったと思う。

2020/09/28(月) 
子供の頃からアンスファティとかと競って、バルサのトップチームも身近に居た。それに関しては中田も小野も香川も持ってなかった武器。5年後にレアルでレギュラーを取ってほしい!

2020/09/28(月)  
若さと才能が常に話題となりますが、努力を高いモチベーションと共に継続出来る、メンタルの持ち主。
また厳しい環境に身を投じ、チーム内の競争を通して這い上がろうとするハングリー精神も半端ないですよね。
天才にボクサー並みの、ストイックな鉄の意思を内に秘めた選手じゃないかな。
いつも期待、応援しています

2020/09/28(月) 
久保の良さを挙げればキリがない。そう思ったのはFマリノス時代から、周りの雑音があったにもかかわらず、ちゃんと道標の人物にフォーカスして、肉体の改善、技術の改善、ポジショニングの改善とどんどん課題に向き合いこなしてる。この年代の子って、持て囃されると、すぐに調子に乗ってそればかりになり成長を嫌う選手が多い、中にはベテラン選手に食ってかかるような人もいる。彼は先天性な天才でもあるけど、努力の天才、課題に向かう勇気を持った選手。努力は必ず報われるものではないけれど、数多くの人の心を既に鷲掴みした選手ですね。幸せなサッカー人生送って欲しい。

2020/09/28(月) 
確かに不得手を把握し克服する能力高いね。
毎年のように所属クラブが変わるので、新たな要求に応じて不得手を克服し弱点のない選手に近づいていく。去年もそうだったけど今はその時期。

2020/09/28(月) 
普通の選手と比べるのはおかしいよ。
まず、他の選手は言語の壁にぶち当たる。
しかし、久保は小さい頃からスペインにいたためにそのリスクはない。
言語の壁がないだけで全然違うと思う

2020/09/28(月)  
選手の確定的な目利きは不可能。
それが出来るなら、バルサなどが世界各地でスカウトして大量に育成する必要がない。
スカウトされた若者のほとんどが消えていくのだから。

2020/09/28(月)  
突然空気のように消えてしまうから
消えた天才なんて言われる
ポージャンだってドスサントスだってそうだった
確実に成功する未来を持つサッカー選手なんて存在しない

2020/09/28(月) 
最後のところがね。
決め切れれば評価はさらに上がる。
チーム状況、周りとの連携も必要かもしれないが、前の選手なので早く一本決めてほしい。

来季以降、もっと上のステージで見たい。

2020/09/28(月)  
アンス・ファティみたいな奴が消えない天才。
久保が長い時間出場したら同等の活躍して欲しい。
消えないと思うが、エメリの指揮によっては、当初の評価より大きく落ちる可能性がある。
これからも凄い選手は次々出てくるから
埋もれないことを祈る。

2020/09/28(月)  
違うと思う。
かつての「消えた天才」と呼ばれた選手達も
子供の頃からハードワークを求められていたら出来てたケースも多いんじゃないかな。
やっぱり差の根本的な原因は実践的な技術の差、フィジカルの差、経験の差でしょうね。

2020/09/28(月) 
現時点での久保君はストライカーというよりはインサイドハーフのパサーという感じ。決定力が上がれば、尚更、手が付けられなくなる。

2020/09/28(月) 
久保選手は天才だとは思わない
才能と賢さを併せ持つとんでもない秀才だと思う

2020/09/28(月) 
元祖天才といえばネイマールと同年代にガンソっていたなあ。2人とも南アWCに招集されるか注目されてた。彼はいまどこにいるんだ。

2020/09/28(月) 
まだ10代、バルサ仕込みでサッカーセンス抜群、スペイン語ネイティブ、努力家

それはもう分かってるからいちいち議論しなくて良い。

足りない物は
ガムシャラ、ポジション争いに勝つ、点を決める、アシスト決める

ここで一皮剥けなければ、競争の激しいスペインではGOODな東洋人で終わってしまう。

2020/09/28(月)  
小野伸二をリアルタイムで見た自分には天才といえば小野伸二しか思い浮かばない。

あの頃の日本のレベルで小野伸二の登場は衝撃的だったからそのせいかもしれないけど。

2020/09/28(月) 
その日本の天才でもヨーロッパの中堅クラブではレギュラーにすらならない、これが日本サッカーの現実ですね。

2020/09/28(月) 
努力を惜しまない久保を天才と呼ぶのはある意味失礼なんじゃないかな?
イチローはこの言葉を嫌がってたな

2020/09/28(月) 
あとは決定力だけですよ。
それさえ備わればレアルで十分やっていけると思います。

2020/09/28(月)  
こっそり松木の名前が出てる。
今はダジャレのおじさんだけど、昔は日本代表だし、初代Jリーグ王者時の監督。
凄い人なんだよ。

2020/09/28(月) 
久保はこれまでの天才たちと比べて、自分のことを天才と思ってなさそう。

2020/09/28(月) 
ソシエダ行った方が良かったかも!しかしながら、下積み頑張って欲しいです

2020/09/28(月)  
久保選手は天才ではないと思う。サッカー脳とメンタルが人より秀でているのだと思う。
過去、日本人選手で国外でも活躍できた選手は皆そう。

長谷部選手も長友選手も中田さんも内田さんも、みな頭とメンタルで成功している。

唯一の例外が小野伸二選手。彼は世界的な尺度で見ても天才。大成はできなかったけど。

2020/09/28(月) 
久保君の凄さもわかったけど、ミニラが監督してるのに知らなかったので、驚いた。

2020/09/28(月) 
サッカーIQの高さとかももちろん凄いんだけど、何より最初から語学でハンデが無いのもプラスですね











スポンサード リンク

ブログランキング にほんブログ村 サッカーブログへ