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 ラ・リーガ初参戦となった2019/20シーズンをマジョルカで過ごし、評価を高めた久保建英が次の移籍先に選んだのはビジャレアルだった。新シーズンのヨーロッパリーグ(EL)出場権を持つ強豪では、戦術家として知られるウナイ・エメリ監督の指導を受けることになる。果たして新天地ではどのような役割を与えられるのか? 新指揮官の過去の仕事ぶりからいくつかの可能性を考えて見た。(文:舩木渉)


久保建英、ビジャレアルへ
 
 久保建英の新天地がようやく決まった。マジョルカで評価を高めた19歳の日本代表MFは、2020/21シーズンをビジャレアルに捧げることになった。

 ベティスやレアル・ソシエダ、オサスナ、グラナダなどスペイン国内で複数の移籍先候補が報じられていた中、レアル・マドリードからの期限付き移籍で2019/20シーズンのラ・リーガで5位につけた強豪に加わる。ビジャレアルは新シーズンのヨーロッパリーグ(EL)出場権を持っているため、欧州カップ戦デビューのチャンスもありそうだ。

 そして、この移籍は先ごろ新監督に就任したばかりのウナイ・エメリが熱望したものだったという。その証拠というべきか、久保はビジャレアルの2020/21シーズン補強第一号になった。ELでの躍進とリーグタイトルを狙うべく移籍市場で積極的な動きを見せるクラブからの期待がうかがえる。

 ビジャレアルでは2019/20シーズンをもってブルーノ・ソリアーノが現役引退を決断し、サンティ・カソルラはカタールへ移籍。フランク・ザンボ=アンギッサはレンタル元のフラムがプレミアリーグ復帰を果たしたこともあって、完全移籍に必要な違約金の額が2500万ユーロ(約30億円)以上と高騰していて買い取りには消極的なようだ。

 他にもビジャレアル関連の移籍報道をまとめると、退団選手の多い中盤の刷新と増強を狙っていることがよくわかる。スペイン紙『アス』などは隣町のライバルクラブでもあるバレンシアからフランシス・コクランと主将のダニ・パレホの引き抜きについて盛んに報じているし、レバンテで印象的な活躍を披露したホセ・カンパーニャや、バルセロナBで主力を担う20歳のMFモンチュ獲得の噂もある。

 また、高額での売却が見込めるナイジェリア代表FWサミュエル・チュクウェゼの後釜として、久保と同じくマドリーからオスカル・ロドリゲスのレンタル獲得についても度々報じられてきた。2019/20シーズンは2部降格の憂き目に遭ったレガネスでリーグ戦9得点2アシストと孤軍奮闘した22歳の万能アタッカーだ。

 ただ、久保の獲得が濃厚になったことで買い戻しオプション付きの完全獲得が決まりかかっていたオスカル・ロドリゲスの交渉はストップしたと見られる。そして高額な移籍金を支払えるクラブが少ない市場ということもあり、チュクウェゼはひとまず残留で落ち着きそうな情勢になった。

 果たしてエメリ監督は新天地でどのようにチーム作りを進めていくのだろうか。ここまでに挙げてきた補強の動向や過去に指揮官が率いてきたクラブの例などを考慮しながら、久保がビジャレアルでどんな使われ方をするか、いくつかの可能性を考えてみた。


EL3連覇。セビージャ時代のレジェス

 これまで数々のクラブを率いてきたエメリ監督の経歴を見て、最も目立つのはセビージャ時代のEL3連覇だ。2013/14シーズンから3年連続で欧州カップ戦を制した当時、エメリの下でプレーしていた選手が今のビジャレアルには3人在籍している。

 左サイドバックのアルベルト・モレーノ、セントラルMFのビセンテ・イボーラ、ストライカーのカルロス・バッカは、すでに新指揮官のやり方を熟知しており、チーム作りを進めるうえで大きな助けになるだろう。

 このセビージャ時代も含め、エメリ監督は指導者キャリアを通じて主に4-2-3-1を基本システムに採用してきた。ビルドアップ時から両サイドバックが高い位置を取ることが大きな特徴で、センターバック2人の間にセントラルMFが降りてビルドアップをサポートしながらボールを前に進めていく。

 もし久保をエメリ体制下のセビージャと似た戦術に組み込むとしたら、右ウィングが最適だろう。当時のチームではステベン・エンゾンジとエベル・バネガが中盤のコントロール役として機能し、特に前者が頻繁にディフェンスラインに降りることで円滑なビルドアップを可能にしていた。

 2列目では両ウィングがやや内側に絞り気味のポジションを取り、両サイドバックの攻め上がりを促す。さらに身長190cmのイボーラがトップ下の位置からゴール前に入り込んでフィニッシュに絡むことで、攻撃に迫力をもたらしていた。

 もし同様の戦い方を補強が成功した新シーズンのビジャレアルで実践するなら、コクランがエンゾンジ役、パレホがバネガ役を担い、トップ下にイボーラ、右ウィングに久保、左ウィングにモイ・ゴメス、1トップにジェラール・モレーノが適任だろう。左利きの久保を右サイドに配置すれば、内側に絞り気味のポジションも取りやすいはずだ。

 久保のスタートポジションはマジョルカ時代と同じで、より求められるタスクは整理され、周りからのサポートも受けやすくなるに違いない。セビージャで同じく左利きのホセ・アントニオ・レジェスが輝いていた右ウィングなら、ゴールやアシストといった目に見える数字に直結するプレーも増えることだろう。


バレンシア時代のダビド・シルバ

 時は遡って約10年前。エメリ監督がセビージャのみならずバレンシア時代にも重用していたのが、エベル・バネガだった。まもなくサウジアラビアへ移籍することが内定しているプレーメーカーは、闘争心とエレガントさを兼ね備えたパスマスターだ。

 スピードに欠け、それほど運動量が多いわけではないが、両足から繰り出されるパスの質がとにかく高い。中盤でタメを作ってリズムを整えたり、1本のパスで局面を大きく変えたり、組み立てに緩急をつけたり、自在にゲームのテンポを操る術に長けていた。

 エメリ監督がバレンシアにやってきて2年目だった2009/10シーズン、アトレティコ・マドリーへの期限付き移籍から復帰したバネガは中盤の要に据えられて眩い輝きを放った。そして当時のチームにはダビド・ビジャやダビド・シルバ、フアン・マタら豪華なタレントが揃い、駆け出しの若手だったジョルディ・アルバも台頭し始めていた。

 当時のバレンシアも4-2-3-1が基本システム。センターバックとセントラルMFが形成する四角形が中央をがっちり固め、2列目のマタやダビド・シルバ、パブロ・エルナンデス(もしくはホアキン・サンチェス)が華麗な崩しで魅せ、ビジャがゴールを仕留める流れが確立されていた。

 新シーズンのビジャレアルでエメリ監督が自身の評価を高めた約10年前のバレンシアを再現するなら、久保に最適なポジションはダビド・シルバが担っていたトップ下になるだろう。センターバックコンビのラウール・アルビオルとパウ・トーレス、セントラルMFのイボーラとパレホが中央の四角形を形成して全体のバランスを取る。

 そしてパブロ・エルナンデスやホアキンといった純粋なウィングタイプが担っていた右サイドには、豪快なカットインが武器のチュクウェゼが理想的だ。

 バレンシアではダビド・シルバとマタがポジションを入れ替えることもあった。ビジャレアルに置き換えれば久保とモイ・ゴメスやチュクウェゼが同様の流動性を発揮できれば、攻撃の幅や厚みはより一層増していくだろう。


偉大なレジェンド、カソルラの後継者

 ビジャレアルはELに挑戦する新シーズンに向けて、同大会での経験が豊富なエメリ監督を招へいした。だが、そもそも非常に完成度の高いチームを作り上げてリーグ戦5位フィニッシュに導いたハビエル・カジェハ監督を解任した人事に疑問符はつく。

 その前任者のチームで最も印象的なパフォーマンスを見せていたのは35歳になったサンティ・カソルラだった。主に4-4-2の左サイドで起用された小柄なファンタジスタは、2019/20シーズンのリーグ戦で35試合出場11得点10アシストと驚異的な結果を残し、EL出場権を置き土産にカタールのアル・サッドへ去った。

 エメリ監督はすでに完成されたチームに入っていくのであれば、現状のメカニズムを維持したまま発展させていってもいいだろう。そこで久保にカソルラが務めていた崩しのキーマンたる役割を与えれば、なおさら面白い。

 カジェハ体制でカソルラは大きな自由を与えられていた。守備時などのスタートポジションは左サイドだが、自軍ボール保持時は中央まで進出してトップ下的に振る舞い、ピッチを幅広く動き回って度々決定的な場面に絡んでいた。

 そうした攻撃の核とも言える存在が抜けた穴は大きいが、エメリ新監督が似た役割を久保に重ねているなら、19歳の日本代表MFがカソルラの後継者として輝く可能性も十分にある。すなわち不可欠な存在としてスペインの強豪クラブの中心選手になるということだ。

 もしビジャレアルが2020/21シーズンも4-4-2を継続採用すれば、ジェラール・モレーノとパコ・アルカセルの2人を前線で共存させることができる。組み立てにも関与できる万能型の前者と、ペナルティエリア内で最大の力を発揮するワンタッチゴーラーの後者の相性はいい。さらにエメリ流を熟知したバッカが控えるとなれば、ベンチの層も心強い。

 ザンボ=アンギッサがもし退団することになっても、パレホやコクランを獲得できれば、イボーラの相方も対戦相手や状況に応じて変えられる。既存戦力でいえばマヌ・トリゲロスも貴重な駒になるだろう。

 エメリ監督はスター選手を手なずけるなどロッカールーム内での人心掌握に長けるタイプではなく、純粋な「戦術家」として知られる。試合ごとに細かく戦術やゲームプランを調整し、自らの策で対戦相手、特により強いチームを打ち負かすことに陶酔を感じるタイプと言えるだろう(たまに自らの策に溺れて自滅することもあるが)。

 だからこそ、新たに指揮する場所でどんなチームを作るかを妄想するのも捗るというもの。ビジャレアルのような欧州カップ戦を戦える中堅クラブは彼にうってつけの仕事場だ。

 久保はエメリ監督からどのような役割を授けられるだろうか。カソルラの後継者として自由を与えられるのか? 若い頃のダビド・シルバのようなトップ下なのか? あるいはレジェスのような逆足ウィングなのか? 新たなクラブでの挑戦には楽しみが尽きない。

(文:舩木渉)

フットボールチャンネル
https://news.yahoo.co.jp/articles/67a35ef59193eb536263f8399e15b8962a255342?page=1 

 

2020/08/11(火)
トップ下で使われると思う。
マジョルカとちがって周りの選手のレベルが高いから久保はより活きると思うけど、まずはレギュラーをとることからだね。

2020/08/11(火) 
ELもあって試合数は多いから、ターンオーバーを使いながらうまく選手を起用していくことにはなるんだけど、このワンランク上がったチームの中でファーストチョイスになれるよう、頑張ってほしい。

このレベルのクラブなら下位チームとの試合には主力選手数人は休ませることもあるだろうし、久保には是非そういった時に休ませてもらえるような選手になってほしい。

2020/08/11(火)
こういう記事がたくさん掲載されてる。
詳しい人は楽しくてしかたないんだろうな。
サッカー好きだけどそんなに詳しくないから羨ましい!
けどそんなに深く勉強しようとも思わない。自分でにわかってやつだなって思う。
それでもサッカー情報楽しいから良いんだけど!

2020/08/11(火)
まずポジションが確約されているわけではないからプレシーズンからしっかりアピールして、とにかく怪我がないようにベストコンディションで頑張って欲しいですね。

2020/08/11(火)
チュクウェゼがいるので右で使われることはなさそうだし、トップ下か左で使われると思う。好条件が揃っているビジャレアルにレンタル移籍できたことは大きい。期待しています。

2020/08/11(火)
チュクウェゼを外して久保を右サイドに入れるは無いでしょう。4-2-3-1ならトップ下で4-4-2だとチュクウェゼをトップにし右サイドに入れるか、左サイドかな。

2020/08/11(火) 
新監督で監督が獲得を望んだ選手の宿命なんだろうけど、シーズン序盤にもたついて成績不振で監督解任なんて事になったら久保氏は大丈夫かな…心配
コロナ渦でシーズン間が短いから昨季5位の監督を変えるってリスキーな感じもする

2020/08/11(火)
バレンシア時代のシルバの位置が適正じゃないかな。左右、前に良質なパスが出せるし。楔にもなれる。そして、シャドーから飛び出してくる久保は脅威でしかない。

2020/08/11(火)
昨シーズンは相手に合わせてペース造ってたりもしたけどそのカソルラもいないし全く別のスタイルになるのかな

にしてもビジャレアル応援するなんてロッシとかニウマールいた時の中学以来だわ

2020/08/11(火)
下位だったマジョルカと違い周囲のレベルも高い分、レギュラー獲得が容易でなさそうです。ただ久保なら充分可能性あるし、サイドであれトップ下であれ楽しみでしかないです。

怖いのは怪我と、代表との掛け持ちによる双方のパフォーマンス低下ですかね。久保以外にも言えますが、代表での控えに遠く海外から呼んでしかも出場せずに、所属倶楽部ではスタメンか外れるのはつらいところ。

実際見てみないとスタメンか判断しにくいでしょうから、呼ばないわけにもいかないし。

2020/08/11(火)
4-2-3-1とかだとトップ下か右サイド。
マジョルカより周りのレベルが高いから良いパスや同じビジョンを持った選手もいるし、ELもあるから出場機会は絶対にある。
何よりエメリが熱望したからエメリがクビにならなければ大丈夫だと思う。
早めに結果出して信頼を得たいところ。

2020/08/11(火)
控えがバッカとかマジョルカでは考えられない層の厚さだね。
フィットすればアシストやゴールも取りやすくなるけどポジション争いも激しくなるので是非主力として活躍できるよう頑張って下さい。

2020/08/11(火)
サッカーのことを知らなくてよく分からないのだけど、この移籍はステップアップと呼べそうなものなの?

あと、レアルマドリッドに所属しながら、他のチームに貸し出しってことで、まだレアルのレギュラー獲れるほどではないって認識なのだけど、貸し出すのは色んなところで修行させて、将来的にレアルの戦力になってもらいたいって理由なのかな?

2020/08/11(火)
久保選手の能力だと使い方が色々あり、楽しみになりますね。
トップ下での試合がみたいですが、どうでしょうか。戦略的オプションとしてはありですが、やはり左で使われそうな気もしますね。

2020/08/11(火)
カソルラの代わりに欠かせない存在に・・って書いてあるけど、一年でOPもなく退団する久保にそこまで任せてくれるもんなのかな。
さすがにほぼベンチなんてことはないと思うけど、どれだけ出場機会を得られるか楽しみ

2020/08/11(火)
トップ下か右ウィングかな
何はともあれ、まずは周りのレベルが上がった中でも評価されてエメリ監督のファーストチョイスになってくれるかが楽しみ
ELで活躍できると最高だし、楽しみが増えて嬉しい

2020/08/11(火)
何かトラブルでもない限り、チュクウェゼを下げてまで久保を右で使うことはないでしょう。
カソルラの代わりに左、もしくはトップ下を試されるのではないかと思います。

2020/08/11(火)
久保が結果を出すことは想像できるけど、
どのタイミングになるのか気になる所です。
開幕から結果を出せるか、数試合こなしてからなのか。
監督が解任される前までには、活躍を見たいものです。

2020/08/11(火)
カソルラと同じ左サイドだろうね
今シーズンカソルラ左サイドだったけど攻撃時はトップ下だったしチュクウェゼをベンチに下げてまで右サイドに置く必要はないと思う

4231のトップ下、442の左サイドを併用すると思う

2020/08/11(火)
トップ下が濃厚かもしれないけど右のがいいと思うんだよな。

チュクウェゼ前にして右に久保で二人で右サイド荒らしてくのが面白いかと。

去年の活躍見られたから流石にすんなりとはいかないけどマジョルカとはサポートが違う。

2020/08/11(火)
願望記事だね。
これだけ読むとあたかも久保のスタメンが当たり前のような書き方だけど、トップ下ならイボーラとパレホ、右サイドにはチュクウェゼがいて、試合に出れないってことは少ないかもしれないけど、現段階ではファーストチョイスじゃない。
久保がスタメンをとることを願う。

2020/08/11(火)
サッカー小僧の親父です
久保君の活躍は少なからず息子に届いています
プレイスタイルも近いからなのかもしれません
コロナで満足に試合も練習も出来ない夏の最後の試合も無くなった

だから子供達の憧れであってほしい

頑張れ

2020/08/11(火)
チュクウェゼは右で動き回ってもらって久保にはトップ下で攻撃を指揮してもらいたいな。連携が高まってうまくはまれば相当破壊力あると思うわ

2020/08/11(火)
小澤さんのYouTube見たけど現地記者は442なら左、4231なら左かトップ下って言ってたな。
木村さんがいうには442の左に入っても、役割はトップ下みたいに中入ってプレーするって言ってた。

2020/08/11(火)
パレホですか・・・ちょっと不安
久保に合わせるのではなく、久保がパレホに合わせる形になるのでしょうね。
監督次第ですが、久保にどれだけの自由度が与えられるかで観ている側の楽しみが変わってくるのでしょうね。

2020/08/11(火)
シャドー的なトップ下をやるんだったらシュートレンジが狭すぎるから使い辛いな。
強いミドルはないから、守る方は横パスとドリブルを気をつけてればいいだけだね。

2020/08/11(火)
日本人の真面目さと知力を持ち、サッカーはバルサ脳で育ち、1度諦めかけて日本で奮起して、レアルに認めてもらい、これから残されるは、世界的活躍のみです。

2020/08/11(火)
メッシよりはダビドシルバのプレースタイルって話が出てたので、トップ下を見てみたいですね。成長が第一なんで、いきなり「レギュラーここでやれ頑張れ」じゃなくて、シーズン後半くらいから大活躍が良いな。

2020/08/11(火)
エメリね…パリではスター選手扱えなかったし謎にディマリアスタメンで使わなかったりとか謎だったけどな…
まあ、中堅クラブなら手腕発揮できるのかな。

2020/08/11(火)
スペイン時代のEL3連覇は凄いのは理解しているが、アーセナルでの迷走のイメージが残っているのですこし不安。











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