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かつてのアトレティコ・マドリーがそこにいた。

チャンピオンズリーグ・ラウンド16で相対したのは前回王者で、プレミアリーグでも首位を驀進中のリヴァプール。クラブ・ワールドカップを制して名実ともに「世界一」を名乗るチームは現状で“世界最強”であることは間違いない。プレミアリーグでは1敗もしておらず、さらには全試合で得点を奪っている。

直近の公式戦で1勝のみのアトレティコに、多くの人々は期待していなかった。しかし、そんな中でアトレティコの戦士たち、サポーターは立ち上がった。熱狂のワンダ・メトロポリターノで…。

文=ハビ・シジェス(Javi Silles)/スペイン紙『as』試合分析担当
翻訳=江間慎一郎

◆過去の姿と重なった結束あるアトレティコ

もう過去であるはずだったアトレティコ・デ・マドリーが、そこにいた。キックオフの笛が吹かれたそのときから、断固たる意思でもって懸命に働く特異なチームが、そこにいた。かつてのディエゴ・シメオネのアトレティコは、今のシメオネのアトレティコでは勝てないだろうと見られていた現欧州王者リヴァプールを下し、アンフィールドでのセカンドレグに向けて軽いアドバンテージを手にした。

アトレティコが結束、規律、自信を示したワンダ・メトロポリターノで、熱烈、猛然、勇敢なリヴァプールはついに姿を表すことがなかった。シメオネのチームは彼らをここまで成長させてきた美点を思い出させながら、リヴァプールの攻撃を封じ込んでいる。彼らはこの勝利を導いた方法を、長い時間にわたって練り続けていたに違いない。

もちろん、試合開始直後にコーナーキックからサウール・ニゲスがゴールを決められたことについては、運の要素だって多分に含んでいる。それでもアトレティコは、今季ここまでほかのチームが実現し得なかった、ユルゲン・クロップのリヴァプールを打ち消すという偉業をやってのけたのだった。

シメオネは過去のチャンピオンズでバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンを打ち破ったときのようなプランを、そっくりそのまま実行したわけではない。しかし、いくつかのやり方は、強烈に勢いづいていたあの頃と同じだった。アルゼンチン人指揮官が最初に驚きを与えたのは、マルコス・ジョレンテを起用する代わりにトマ・レマルを右サイドハーフとしたことだったが、その意図は試合が始まってすぐに説明がついた。サウールが配されることも見込まれた左サイドバックで、守備に不安の残るロディをそのまま先発させたことも、同じ意図によってである。信頼を寄せられたロディのパフォーマンスは、今季序盤を思い起こさせるように鋭く、盤石そのものだった。

◆緻密に用意された策

アトレティコの攻撃における策は、アレクサンダー=アーノルドの背後を突くことに尽きた。そうする方法は2通りだ。

一つはモラタを左サイドに寄せ、その高さを生かして空中戦を制すること。これについてクロップは、ファン・ダイクを右に寄せて空中戦に参加させるという修正を行なっていた。そしてもう一つの方法は、ロディとレマルによる仕掛けである。どちらかがA=アーノルドを前に進ませるか、中央に寄らせるかして、もう一人が空くことになる左サイドを突破。アトレティコはこの攻撃を、限りなく少ないボールタッチと縦へ縦へと向かう意識で実践し、序盤にハリケーンのような勢いを手にしていた。ただクロップ率いるチームが生じさせる特有の恐怖により、その勢いは長く続かなかったが。

シメオネはリヴァプールがピッチを駆けることを嫌っていた。おそらく、それは彼がこの試合で最も執着していたことであり、そのために前から積極的なプレッシングを仕掛けさせなかった。試合結果がネガティブなものであったならば、間違いなく後ろに引き過ぎだと批判されていただろうが、彼はそうしたことも覚悟の上で、勝利の鍵をそこに見出していたのである。アトレティコは、ファビーニョが両センターバックの間かジョー・ゴメスの右隣に位置して3人でスタートされるリヴァプールのビルドアップを妨げることなく、ピッチの大半とボールを彼らに譲った(リヴァプールのポゼッション率は72%を記録)。平均して自ゴールから43メートルの場所に、1-4-4-2のブロックをどんと置いた。

リヴァプールの速攻を封じたアトレティコの次なる目標は、サイド攻撃への対処である。彼らの寄せは、完璧だった。中盤右サイドのコケ、左のレマル(後半は右にジョレンテ、左にコケ)は、A=アーノルド&アンドリュー・ロバートソンの両サイドバックが攻撃で連係を取ることを見事妨げた。加えてサイドの浅い位置で彼らがボールを受けるのは放っておき、深いところまで入り込もうとするときには、トーマス&サウールの両ボランチがそれぞれに近いサイドハーフに付き添ってともに侵入を阻んでいる。トーマス・パーティ&サウールはアトレティコのボランチらしく、常にカバーに気を遣っていた。

リヴァプールはサイド深くでスペースを得られず、その遅いボール回しは守備が手薄となっている逆サイドへの展開に支障をきたしている。ジョルジニオ・ワイナルドゥム&ジョーダン・ヘンダーソンはほとんど攻撃サイドを変えようとせず、ワイナルドゥムがアーノルドに送ったパスは2回にとどまり、ヘンダーソンに至っては一度もロバートソンにボールを通していない。結果、リヴァプールは効果性のないクロス(29回)に頼ってしまった。

アトレティコの堅い守備は、モハメド・サラー&サディオ・マネの価値をも落とすことにつながった可能性がある。彼らは一度として優位な状況でボールを受けられなかったが、それでも1対1の突破、MF&DFのライン間の攻略、ダイアゴナル・ランでペナルティーエリアに侵入することを何度となく試みていた。2人合わせたボールロストの回数は、25回にのぼる。マネがハーフタイム、サラーがその少し後にピッチから引き上げたことを考えれば、あまりに大きい数字である。アトレティコの守備のウィークポイントとなりそうだったのはヴルサリコ&ロディの両サイドバックだが、ペナルティーエリア内でサラーのシュートを許した場面以外では毅然としたプレーを見せていた。

◆わずかなリードを持ってアンフィールドへ

リヴァプールで、アトレティコに問題をもたらしたほぼ唯一の選手はフィルミーノだった。偽9番としてトーマス&サウールの背後で暗躍したブラジル人FWは、ときにアトレティコの守備の規律を乱していたが、フェリペがこれに対処。アトレティコのブラジル人DFは昨夏にひっそりとクラブに加入したが、昨季までのゴディンのように最終ラインの保証となれそうだ。その守備範囲の中ではマーク、クリアとまさに鉄壁で、その範囲を越えて行われる相手のプレーに先んじたボール奪取でも、常に必要とされるアグレシッブさを発揮する。そのようなフェリペの能力の誇示、そしてチーム全体でのレベルの高い守備によって、アトレティコはリヴァプールに枠内シュートを1本も許さなかった。

アトレティコのボールを持たないプレーの出来栄えは、守備から攻撃へのトランジション、つまり速攻を的中させていればさらなる栄光に包まれていたはずだ。この日のトーマスはボールロストが多く、詰めのパスでも判断力を欠いた。彼だけでなくサウールもジョレンテもアンヘル・コレアも、試合前に見込んでいたほどのチャンスを創出するには至らず。アリソンがゴールを守るペナルティーエリア内に踏み込んだ回数はほんのわずかで、踏み込んだとしてもモラタがまたも決定力を示せなかった。チョリスモ(シメオネ主義)の精神に基づく守りのリサイタルを開いたアトレティコではあるが、ゴールが1点のみにとどまったのは惜しいことである。

この日、シメオネが築き上げたアトレティコの壁は、クロップのリヴァプールを確かに跳ね返した。ここから舞台は、スペイン屈指の熱狂を誇るアトレティコのスタジアムから、イングランド屈指の熱狂を誇るアンフィールドへと移ることになる。シメオネは、さらなる襲撃に備えなくてはならない。

文=ハビ・シジェス(Javi Silles)/スペイン紙『as』試合分析担当
翻訳=江間慎一郎
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00010023-goal-socc&p=1



1 2020/02/19(水)
モラタがPA内で滑らなきゃもう1点取れたかも。
序盤に1点取れたのが大きかった。
プレミアファンからの批判はあるかもしれないけど、かつてのモウのチェルシーもバルサ相手にこういう試合した。アトレティコとは走りまくって、守って勝つ、こういうチームだ。

2 2020/02/19(水)
リバプールとしてはアトレティコは最悪の相手だと思う
何せポゼッションより堅守速攻型でとにかく点が入らないのだから

3 2020/02/19(水)
試合展開は関係なくゼロに抑えれば負けない。
ワンチャンで1点でも取れれば勝てる。
実にアトレティコらしい戦い方。
リバプールが1番やりにくい相手とは思ったけど予想通りの展開に。
2ndレグでどうクロップが対策してくるか楽しみ。

4 2020/02/19(水)
これぞアトレティコって感じだったね。プレミアにアトレティコみたいなチームはないからどうなるかと思ったけど。まぁこの状況でアンフィールドで守りきるのは不可能に近いけどシメオネがどうでるか楽しみ。

5 2020/02/19(水)
アトレティコ批判してる奴いるけど、結論はあのブロックをこじ開けられなかったリバプールが悪い。
プレミア最強ならブロックをこじ開ければいいだけの話

6 2020/02/19(水)
これでセカンドレグがより楽しみになった。
アトレティコはこの1点を守るのかそれともアウェイで1点取ってより優位になるのか…。
リヴァプールはもちろん攻めると思う。
追い詰められると強くなる事があるし…

7 2020/02/19(水)
アトレティコのハマったときの守備力はメッシの閃きがあっても90分で突破できるかできないかくらいの代物だからね。でもリバプールもフィルミーノがバイタルでボール受けたときとかチャンスありそうだった。

8 2020/02/19(水)
マネの交代が謎だった。決定機ゼロ、チャンスもヘンダーソンとサラ―
のポスト右外れくらい。リードされてるから次戦ホームもカウンター
無理だろうしダイクからのロングボールもアトレチコは1対1強いから
サラー、マネでも剥せない。中固めてるからサイドバックのクロスも
チャンスならないし、プレミア相手なら中央からしつこくダイレクトパスで突破可能だけどアトレチコだと難しい。やはりセットプレーかな。

9 2020/02/19(水)
対リヴァプールのいい例になったかもしれない。真似をしようとしてできるものではないけれど、プレミアの下位にこれをやられたら苦労しそう。

10 2020/02/19(水)
ていうか、最強って言いすぎだろ。アウェイでは去年もバルサにボコられてるし。アンフィールドでひっくり返したから無かった事になってるけど、負けるときは普通に負けてんじゃん

11 2020/02/19(水)
この4-4-2ブロックがリヴァプール対策の一手、となり得るかもしれんがそれをピッチ上で体現できるのはシメオネアトレティコだからこそ、というのもあるか…

12 2020/02/19(水)
アトレティコの1点はラッキーだったかもしれないが
0点に抑えたのはアトレティコの実力
アンフィールドでボコボコにしてやるとか言ってる奴ら
恥ずかしいからやめてくれ
負けたら100%それをネタにして煽られるぞ
後先が考えられず、無駄に攻撃的
だから害悪KOPって言われるんだよ

13 2020/02/19(水)
バルサやフランス代表が先んじて導入し、ベネズエラとの親善試合で森保ジャパンが試し、UEFA公認YouTuberぷあたんが名付けた新戦術…「サイドCM」

14 2020/02/19(水)
いやーでもアンフィールドの空気感といい強さといいリバプールはまじで強いからなぁ
どうなるんだろね

15 2020/02/19(水)
最強の矛と最強の盾で盾が勝つということですか。

16 2020/02/19(水)
今のリバプールに無得点に抑えて勝てた事は本当に凄すぎる。。

17 2020/02/19(水)
CLで1番嫌な相手はアトレティコだと毎回思っている。バルサとレアルは当たらないからラッキーだよほんと。

18 2020/02/19(水)
まさに矛×盾対決って感じで早朝から起きてみる価値がある見応えたっぷりな試合だった。2ndレグが待ちきれない!

19 2020/02/19(水)
中村憲剛に感想聞きたいな

20 2020/02/19(水)
シメオネ分かってるなー笑笑
あと90分よろしく!

21 2020/02/19(水)
シメオネって凄いな

22 2020/02/19(水)
あそこまでドン引きはちょっと笑ってしまった。次はアンフィールドの異様さでズタボロにやられそうだけど。

23 2020/02/19(水)
最強・・・ですか。悪くない形容詞ですね。けれど、できれば「歴代最強」にしてほしいです。今のリバプールはどのチームの黄金期よりも強いはずです。そしてクロップがいる限り永遠に続くでしょう。シメオネよ、ワンンダメトロナポリタンにて震えて待て。

24 2020/02/19(水)
相変わらず日和った10-0-0でつまらんな

25 2020/02/19(水)
アンフィールドでボコボコにしてやるよ
待ってろ











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