20190908-00010002-wordleafs-000-2-view[1]

スポンサード リンク




 松井大輔と言われれば、真っ先にドリブラーを連想する。サイドアタッカーとして出場した2010年の南アフリカワールドカップでも、左の大久保嘉人と両翼を形成。岡田ジャパンが掲げた堅守速攻を支え、2大会ぶり2度目の決勝トーナメント進出に大きく貢献した。

 日本中を熱狂させてから9年。延べ12チーム目の所属先となるJ2の横浜FCで、38歳になった松井の視界にタッチラインが入ってくることはほとんどない。サイドアタッカーではなくチームの心臓となるボランチで、現在進行形で新境地を開いているからだ。

「ただ、全然極められていないですね。今日もミスをしているし、なかなか難しいですよね」

 自身が与えたファウルがともに2つの失点につながった、7日の明治安田生命J2リーグ第31節。最終的には3-2でヴァンフォーレ甲府を振り切り、ホームのニッパツ三ツ沢球技場を埋めたファンやサポーターの声援に応えた松井は今シーズン、従来のイメージを覆すポジションでプレーしてきた。

 リーグ戦初出場は3月3日のモンテディオ山形とのホーム開幕戦。ブラジル人のタヴァレス前監督に言い渡された3バックの真ん中、リベロでの先発は文字通り青天の霹靂であり、試合後には「ちょっと笑っちゃいました」と偽らざる本音を打ち明けてもいる。

「前々日くらいに『考えているから』と監督から言われたんですけど。リベロは小学生以来ですね。プロになってからは初めてだし、どうすればいいか、本当にわからなかったですね」

 最終ラインが4バックにスイッチしたモンテディオ戦の後半からは、これも初体験となる右サイドバックでプレー。同23日のFC岐阜戦ではボランチとして先発し、故障退場者が出た関係で前半途中からは[3-6-1]の左ウイングバックへ回っている。


「松井はヨーロッパで何年もプレーしてきた選手なので、これまでとは異なるポジションでプレーしたときに、どのような役割が求められるのかをよく理解している」

 松井を守備的なポジションで起用した理由をこう説明していたタヴァレス監督が、成績不振に伴って解任されたのが5月14日。

 ヘッドコーチから昇格して新監督に就いた、元柏レイソル監督の下平隆宏氏は「ボランチで考えている」と、ポジションを一本化する方針を松井に伝えた。

「(松井)大輔はピッチ全体を見渡す戦術眼とスペースフィーリングに長けていて、サイドチェンジのボールもしっかり蹴れる。なので、攻撃的なところも含めて(のボランチ)、ですね」

 新指揮官に「頑張ります」と伝えた松井だったが、ボランチへの本格的なコンバートに驚くことはなかった。むしろ自分のなかで思い描いていたポジションだったと、後半35分までプレーしたヴァンフォーレ戦後に明かしてくれた。

「ゆくゆくはボランチになるんだろうな、と。年齢的にもそうだし、自分の力でドリブル突破ができなくなってくると臨機応変というか、自分のなかで『後ろに下がらないといけない』と考えていたので」
 年齢を重ねるとともにポジションを下げる選手は少なくない。西ドイツおよびドイツ代表として5度のワールドカップに出場したローター・マテウスは、主戦場を攻撃的MFからボランチへ移し、最後はリベロとして1998年のフランスワールドカップに出場している。

 ボランチとして日本代表の歴史に一時代を築いた長谷部誠も、浦和レッズ時代には攻撃的MFとしてプレー。35歳になったいま現在はアイントラハト・フランクフルトで、リベロとしてまばゆい輝きを放っている。そして松井も、ボランチ転向とともにプレースタイルを大きく変えた。

「攻撃には遅攻とカウンターがありますけど、遅攻のときは後ろでしっかりとボールをキープして攻撃の起点になり、相手に取られないようにビルドアップしながら両サイドへつないでいく。カウンターになったときには両サイドの2人に加えて、(トップ下の)レアンドロ(・ドミンゲス)を上手く使っていくことが仕事になっていますね」

 センターバックを本職とする31歳の田代真一との、異色のダブルボランチが誕生したのは7月20日の栃木SC戦だった。以来、松井の守備、田代の攻撃とお互いの不得手な部分を補い合う2人が先発としてそろい踏みしたリーグ戦で、横浜FCは5勝2分けと不敗を継続している。

「マサ(田代)はマサで僕を助けてくれているし、本当にいいコンビだと思っています」

 こう語る松井は、ポーランド2部のオードラ・オポーレから加入した昨シーズンは出場9試合、267分のプレー時間に終わった。新たなポジションを得た今シーズンは19試合、1196分と大きく数字を伸ばしている。しかも新たな発見をピッチ上の松井に見出した、と下平監督が目を細める。

「すごく体を張ってファイトするんですね。彼がそういうプレーをすることでチームが活気づき、士気も上がるところも非常に買っています」

 2004年9月に移籍したフランスのル・マンを皮切りに、松井はヨーロッパの4か国、延べ9つのチームでプレーしている。上手いプレーだけでは海外では生き残れない。時にはファウルも厭わない激しさや泥臭さが時空を超えて、ボランチを主戦場にしたベテランに脈打っている。

 ヴァンフォーレ戦の前半8分にルーキーのMF中山克広(専修大学卒)が叩き込んだ先制点も、松井が見舞ったスライディングタックルがきっかけだった。自陣に攻め込まれ、攻撃参加してきたヴァンフォーレのボランチ、小椋祥平にボールが入った直後だった。

 トラップの刹那を狙って松井が真横からスライディングを一閃。こぼれ球をすかさず田代がレアンドロ・ドミンゲスへつなぎ、左サイドでパスを受けた現役大学生のMF松尾佑介(仙台大学4年)がカウンターを発動。逆サイドを駆け上がってきた中山が、完璧なフィニッシュを演じた。

「彼らは本当に頼もしいですね。今日は助けられたので、今度何かおごろうと思っています」

 松井が犯したファウルで与えた直接フリーキックを、J1得点王経験者のFWピーター・ウタカにヘディングで叩き込まれたのが前半16分。後半開始直後に再び中山の一発で勝ち越すも、自身が与えたPKを同11分に再びウタカに決められる。最後は松尾のゴールで決着をつける白熱の展開に、左右のサイドアタッカーを担う若手コンビに感謝しながら松井は前を見すえた。

「いろいろなポジションでプレーして、本当にキーパーだけをやっていないような感じですけど、だからこそ自分のサッカーの視点というものは広がったと思います」

 残り11試合となったJ2の上位争いは、未曾有の大混戦が続いている。下平監督の就任とともに右肩上がりに転じた横浜FCは、それまでの中位からJ1自動昇格圏となる2位にまで浮上してきた。

「ポイントはこれまで積み上げてきた自分たちのサッカーを、これからも貫いていくこと。最後は上を見るのではなくて、一戦一戦、自分たちの足元を見つめながら戦っていければ」

 レイソルが首位を快走する一方で、2位の横浜FC以下にはモンテディオ、大宮アルディージャ、京都サンガ、水戸ホーリーホックの5チームが勝ち点4ポイント差にひしめき合っている。予断をゆるさない状況で突入する秋の陣へ、2001シーズンにサンガで、2015シーズンにはジュビロ磐田でJ1昇格に貢献した松井の濃密な経験値もまた、横浜FCの大きな武器になってくるはずだ。

(文責・藤江直人/スポーツライター)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190908-00010002-wordleafs-socc



1 2019/09/13(金)
松井の展開力はチームの助けになっているけど、ファールが多いのは気になるよね。やっぱり年齢的に体が粘りきれない、と言うのはあるかも。
でも、中村俊輔が今の所ほとんど戦力になっていないことを考えると、松井の場合は大御所ではなく、まだまだ普通に現役としてプレーしている感じはする。

2 2019/09/13(金)
松井くん頑張ってたよ
起点となるべくボールが集まるのは殆ど松井くんで、信頼されてるの分かるし、スペースある良い位置にいる
けど昨日はほぼ出しどころがない状況
あれで評価しろってはキツイと思う
結局やっぱりカウンターが生きた試合だった
そんで昨日は失点に繋がるプレーしちゃったけど、それ以外にもよく相手にプレスしてたし、随所に効いてたけどな
本職じゃないところなのによく頑張ってる!

3 2019/09/13(金)
ボランチやり始めの頃は守備でイッパイて感じで守備で貢献してた割に松井らしい攻撃力が出せてなかったけど、最近は板についてきて守備もこなしつつ松井らしい味のある攻撃も出せるようになってきた。前節山形戦などは特に良かったと思う。
ただ今日はミスが目立ってしまった。貢献もしたし誤審もあったけど。
記者さんは前節までを見て、この記事を書くつもりで甲府戦に取材行って、予定通り記事にしたんだろうけど、元々何かと松井をスケープゴートにしたがるサポもいる中で、今日出すのはタイミングちょっと悪かったかな

4 2019/09/13(金)
フランスリーグは抜かれるくらいならカード厭わず削るスタイル。カード切られる基準もJよりかなり緩い。昔から松井がイエロー多いのはこの時の経験という印象。プレー切った方が流れ的に良いことも多い。

5 2019/09/13(金)
ボランチは守備の際に危険なスペースを埋めたり、攻撃の起点になったりと常に全体を把握する難しいポジションだと思う。
ベテランの経験が生きるポジション。

7 2019/09/13(金)
年齢的にもドリブラーとしてはキレがなくなってきてるだろうしね。
松井は技術があるし経験豊富だし、いろんなポジションこなせると思う。

8 2019/09/13(金)
甲府戦の翌日にこの記事は悪意がある、、、
あきらかに空回りしていたし何度もピンチを招いていた
交代していなければ勝ち点3は無かったかもしれません。

10 2019/09/13(金)
少なからず甲府戦はビルドアップが全く上手く行ってなかった印象 ルマンズソレイユだった頃の松井大輔のようにチャレンジする縦パスや前えの推進力をもっと見たい。

11 2019/09/13(金)
あれだけ技術があればできるよ
パートナーが必要だけどね

12 2019/09/13(金)
年取るとボランチに転向する選手多いね。

13 2019/09/13(金)
3-6-2ってキーパー不在ってことですか?

14 2019/09/13(金)
サイドアタッカーは年齢上がると厳しい。
宇佐美とかも早くボランチ転向した方が良い。

15 2019/09/13(金)
存在感0だったけどな。目立ったのはラフプレーと文句のシーンだけ。

17 2019/09/13(金)
昨日の試合観たけど、松井の守備ダメダメだなw
しかもボールじゃなくて相手の足目掛けてタックルしてるし。

18 2019/09/13(金)
ボランチとはどういうポジションでしょうか?

19 2019/09/13(金)
ハマの太陽

20 2019/09/13(金)
その弊害を本職で松井より実力もある佐藤謙介がうけてるw

21 2019/09/13(金)
それはそうと、俊輔稼働率悪すぎ

23 2019/09/13(金)
ルマンの太陽

24 2019/09/13(金)
松井さん磐田のボランチ、ムサエフの横空いてますよ。山田の枠空きましたよ

25 2019/09/13(金)
J2は引退すべき選手達の草サッカー化してるな。
これしゃJ1のレベルがあがらんのもうなづける。

27 2019/09/13(金)
松井はエゴもあるけど、あの自由なプレースタイルは大好き。

28 2019/09/13(金)
要は、もうドリブルは通用せんということかな。なんだか寂しいね。

29 2019/09/13(金)
松井さんがのびのびプレイできような……ジェンナーロ・ガットゥーゾ的な人がいるのかしら?

30 2019/09/13(金)
[3-6-2]

31 2019/09/13(金)
こいつはすぐに相手チームの選手を挑発するからタチが悪い











スポンサード リンク

ブログランキング にほんブログ村 サッカーブログへ