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◆広島の歴史に名を刻んだ名ウインガー。

 まもなく平成の世が終わり、令和元年を迎える。平成30年間のスポーツ史のなかでも、平成4(1993)年のJリーグ発足は、一、二を争うニュースだったと言えるかもしれない。

 そのJリーグを彩ってきたのが、異国の地からやってきた数多くの外国人選手だ。彼らの存在がなければ、Jリーグ、ひいては日本サッカーの隆盛もなかっただろう。

 そこで、過去26年間に在籍した外国籍選手の中から、厳選26クラブの「歴代最強助っ人」を選出。3回に分けて紹介する。前編に続く中編では、“欧州路線”を走ってきた広島や“闘将”ドゥンガを引き抜いた磐田などの9クラブの英雄を紹介する。

――◆―――◆――

■サンフレッチェ広島
ミハエル・ミキッチ(MF)

●国籍または代表:クロアチア
●在籍期間:09~17年
●通算成績:J1/229試合・18得点(広島:221試合・18得点)

 在籍期間はクラブ史上最長の9年だ。12年、13年、15年と3度のJ1リーグ優勝に貢献したミキッチこそ、広島の歴史において最も輝きを放った外国人選手であるはずだ。

 チャンピオンズ・リーグ出場経験もあるクロアチア出身の高速ドリブラーは、09年の加入以来、単独で敵陣を切り裂く打開力と、底知れぬスタミナを武器に広島の右サイドに君臨。テクニックがずば抜けているわけでもなく、簡単にボールを失う場面も少なくなかったが、攻撃が手詰まりとなった時に、彼のドリブル突破が局面を切り開く糸口となり、チームを幾度となく救った。

 今月に現役引退を発表した名手は、サイドでのアップダウンを繰り返すプレースタイルで筋肉系の怪我を何度も招いたが、その全力プレーは観る者の心を動かし、何より広島サポーターからこよなく愛される存在だった。

■ヴィッセル神戸
レアンドロ(FW)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:07~08年、15~18年
●通算成績:J1/188試合・87得点(神戸:103試合・45得点)、J2/67試合・31得点

 Jリーグでは7チームに在籍してきたレアンドロだが、神戸でのキャリアはひと際眩い。

 07年には大久保嘉人と破壊力抜群の2トップを形成し、チーム最多の15ゴールを叩き出したブラジリアンは、その後に在籍したガンバ大阪と柏レイソルで、最終ラインの背後を取るオフ・ザ・ボールの動きと冷静沈着なフィニッシュワーク、そして周囲を活かすプレーがより洗練された。

 15年7月に7年ぶりの神戸復帰を果たしたレアンドロは、翌16年にペドロ・ジュニオール、渡邉千真とのコンビで得点を量産。19得点をマークして自身初のJ1得点王を獲得した。

 異論はあるかもしれない。ただ、神戸の外国人では史上最多の45ゴールを叩き出している実績を考えれば、ミカエル・ラウドルップや、近年に加入したルーカス・ポドルスキ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャといったビッグネームを差し置いての選出も妥当と言えるのではないだろうか。

◆別格だった司令塔“マルちゃん”。

■アルビレックス新潟
マルシオ・リシャルデス(MF)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:07~10年
●通算成績:J1/205試合・55得点(新潟:107試合・38得点)

 セルジオやマルクス、エジミウソン、レオ・シルバ、ラファエル・シルバなど、優秀なブラジル人選手たちを次々と獲得してきた新潟だが、なかでも“マルちゃん”ことマルシオ・リシャルデスは別格だった。

 背番号10に相応しいテクニシャンでありながら、ハードワークを厭わずにピッチを縦横無尽に駆け回って守備でも献身的なプレーを披露。ポジションに対する順応性も高く、トップ下やサイドハーフ、セントラルMFで求められたこと以上の働きをみせた。

 また、彼の十八番と言われたのが、正確無比なプレースキックで、10年のJ1・第14節の仙台戦ではPK、FK、CKでハットトリックを達成して大きな話題となった。

 在籍4年目の10年には16ゴールを記録し、新潟の所属選手では初となるJ1ベストイレブンに選出されたブラジリアンは、真面目で温厚な性格の持ち主でもあり、同胞の助っ人たちの模範となったばかりか、その後に在籍した浦和を含めた多くの日本人選手たちからリスペクトを集めた。

■北海道コンサドーレ札幌
ダヴィ(FW)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:07~08年
●通算成績:J1/124試合・47得点(札幌:26試合・16得点)、J2/79試合・49得点(札幌:39試合・17得点)、J3/18試合・4得点

 のちに名古屋グランパスや鹿島アントラーズといった複数のJクラブを渡り歩く男が、日本で最初の一歩を踏み出したのが札幌だった。

 重量感溢れるブラジル人ストライカーは、独力でゴールを陥れるパワフルさを武器に加入初年度からフル稼働し、07年のJ1昇格の立役者となった。

 札幌の助っ人史は01年のシーズンにJ1得点王に輝いたウィルや、あのディエゴ・マラドーナの実弟として話題となったウーゴ・マラドーナ、さらには“タイのメッシ”の異名を持つチャナティップなど、多士済々の名手たちが居並ぶが、驚異的な得点力をチームの結果に結びつけたダヴィを“最強助っ人”に選出した。

◆磐田の礎を築いた“鬼軍曹”。

■ジュビロ磐田
ドゥンガ(MF)

●国籍または代表:元ブラジル代表
●在籍期間:95~98年
●通算成績:J1/99試合・16得点

 鹿島の礎を築いたのがジーコなら、磐田の地盤を固めたのはこの男である。

 ブラジル代表の主将として95年に合流したドゥンガは、試合中でも味方の日本人選手を怒鳴りつける“鬼軍曹”と化した。「勝利こそがチームを幸せにする。そのためなら嫌われ役にだってなる」というポリシーに一切の揺らぎはなかった。

 そんなドゥンガの下で多くの日本人選手が才能を開花させていった。97年のチャンピオンシップ制覇、98年のナビスコカップ優勝はその結実であり、彼自身もこの2年はベストイレブンに名を連ね、97年には年間最優秀選手に輝いている。

 すでに32歳となってキャリアの峠は越えていたが、鮮やかなサイドチェンジを駆使した展開力や闘志あふれるボール回収能力はさすがだった。

■清水エスパルス
チョ・ジェジン(FW)

●国籍または代表:元韓国代表
●在籍期間:04~07年
●通算成績:J1/136試合・55得点(清水:101試合・45得点)

 インパクトなら黎明期のチームを支え、“スパイダーマン”の異名を持つほどの長い手足を活かして止めまくったシジマールらが、稼働年数なら95年の加入から約5年も活躍したサントスは最強助っ人の候補に挙がるが、チョ・ジェジンの貢献度の高さは見逃せない。

 韓国代表として06年のドイツ・ワールドカップに出場した長身のターゲットマンは、確実なポストワークで攻撃の基準点となり、エリア内では打点の高いヘディングで対戦相手の脅威になった。

 自身は多くを語らずとも、ピッチ上でのプレーは雄弁。加入2年目の05年にコンビを形成したマルキーニョスと並ぶ9ゴールを挙げてJ1残留に寄与すると、翌年はキャリアハイの16ゴールを叩き出し、チームを4位に押し上げた。さらに07年も得点数を二桁(13点)に乗せて、前年と同じ4位確保に尽力した。

 08年に退団し、09年からはG大阪に在籍した韓国人FWは、清水で3年連続チーム最多得点を記録する助っ人として申し分ない戦績を残したと言える。

◆入れ替え戦で計7発を見舞った甲府の大砲。

■大宮アルディージャ
トニーニョ(DF)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:01~06年
●通算成績:J1/62試合・8得点、J2/160試合・11得点

 01年から06年まで在籍し、奥野誠一郎とCBコンビを形成。堅守のクラブイメージを作り上げるとともに、04年のJ1昇格を力強く後押しした。

 後年はボランチでも起用され、戦術的に重要な役割を担った名手は、186センチの高さを活かして攻守両面で制空権を握った。J1で初の“さいたまダービー”となった05年7月の浦和戦で決めた先制ヘッドは、持ち味を存分に生かした一撃だった。

■ベガルタ仙台
シルビーニョ(MF)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:02~05年
●通算成績:J1/105試合・7得点(仙台:53試合・3得点)、J2/75試合・8得点(仙台:64試合・8得点)

 チームがJ1初昇格を果たした02年に攻守の要として、チームに加わったのがシルビーニョである。そのプレーはシンプルかつ正確で、試合の流れを読むスキルにも長けていた名手だ。

 後に新潟と横浜FCでもプレーしたが、とりわけ仙台への忠誠心が厚く、04年のJ2降格後も他チームからのオファーを断り、2シーズンに渡ってプレーした。母国でボランチの象徴とされる背番号「8」が、まるで皮膚のようにフィットしていたシルビーニョは、数多くのブラジル人たちが在籍した同クラブのなかでも抜群の存在感を放った紛れもないレジェンドだ。

■ヴァンフォーレ甲府
バレー(FW)

●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:05~06年、15年
●通算成績:J1/117試合・56得点(甲府:52試合・22得点)、J2/152試合・71得点(甲府:38試合・21得点)

 G大阪、清水、大宮にも在籍したバレーだが、甲府でプレーした05~06年の活躍ぶりは鮮烈だ。05年はJ2で21得点を叩き出し、柏との入れ替えでは第1戦では1ゴールで決勝点をもぎ取ると、続く第2戦では脅威の6ゴールを奪取。Jリーグ史にも残る圧倒的なパフォーマンスでJ1昇格のヒーローとなった。

 翌年もJ1で14ゴールを挙げて残留の立役者となった大砲は、涙もろく、重要な一戦で勝利した後に瞳を潤ませた。そうしたピュアな一面も多くのファンに愛された要因となった。

●サッカーダイジェスト責任編集「Jリーグ助っ人列伝」を修正・加筆
※【後編】は4月30に公開予定です
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190429-00010006-sdigestw-socc&p=1



1 2019/04/29(月)
現在サンフレッチェに在籍している選手も
レジェンドになって欲しいです

2 2019/04/29(月)
オフト監督がジェラを連れてきてプロの基礎を植え付けて、凄い若手を獲得し(日本一の選手を獲れと言っていて個性溢れる選手がたくさん集まった)育てて、ドゥンガが常勝軍団にしてくれた。この頃はジュビロにとって良い時代でした。

3 2019/04/29(月)
個人的な意見ですが、仙台は現役の梁勇基は入りませんか派手さはないけど、いい選手やと思うんやけどなぁ

4 2019/04/29(月)
札幌は難しいな。
ダヴィも悪くないが歴史作ったという意味ではエメルソン、ウィル、バルデスと候補者も幾つかいるからなぁ。
個人的にはバルデス1票かなとおもうけど。川崎戦での奇跡の大逆転は伝説。

6 2019/04/29(月)
今のジュビロ磐田を立て直すには鬼軍曹が必要なのでは?ドゥンガならあの頃のように指導してくれるはずだ。ドゥンガが監督引き受けてくれたら申し分ないけど、ドゥンガに支払うだけの資金が捻出できるかは疑問だけどね。

7 2019/04/29(月)
バレーは別格にしても、甲府はバロンもいたし助っ人を見る目は素晴らしいと思う。

9 2019/04/29(月)
ジーコみたいに日本人の育成までしたという点で磐田の一番はドゥンガだと思うけど、スキラッチも凄いインパクトでしたね。
どんなボールでも収めてゴールに持っていったから。
トラップが吸い付くようで、それまで磐田のFWといえば初期の中山さんだから衝撃でした(笑)
スキラッチが退団したら中山さんが劇的に上手くなって君臨してるし、面白い時代だったな。

10 2019/04/29(月)
磐田にはスキラッチがいましたね。ドゥンガの方がインパクトありましたが。

12 2019/04/29(月)
チョ・ジェジンが入ったかぁ。自分としてはこちらよりもオリバの方が最強助っ人だと思ってます。
けれど、他のチームでも活躍した点がジェジンとの差かもしれないですね。
 
13 2019/04/29(月)
個人的には、浦和はブッフバルト、名古屋はストイコビッチ、川崎はジュニーニョの印象が強いですね。

15 2019/04/29(月)
仙台はマルコス、ウィルソン、ロペスが印象強いけど、シルビーニョも良かったから難しい。
新潟、札幌もいっぱいいるけど、磐田、清水は考えてみれば日本人中心のチームだった。甲府はバレー一択。神戸は確かにレアンドロとペドロジュニオールくらいしか記憶にない。

16 2019/04/29(月)
勝利こそがチームを幸せにする。そのためなら嫌われ役にだってなる
磐田

18 2019/04/29(月)
広島はハシェックも凄かっこたと思います。

20 2019/04/29(月)
この中では、バレーが印象深い。
J1昇格を決めたとき人目をはばからず号泣、大木監督から「泣くなよー」と笑顔でいじられていた。
素敵な選手でした。

22 2019/04/29(月)
モネールをぜひ入れて欲しい

23 2019/04/29(月)
ドゥンガやバレーは納得だけど、清水は他に居なかったかな…。

24 2019/04/29(月)
ミキッチは人柄もよくチームでも慕われてたのとファンからも更新が出来てないとクラブに更新要望の署名が届いた位に愛されてた選手でしたね。

28 2019/04/29(月)
今のジュビロにドゥンガがいたら怒りまくりだろうなあ。
個人的にはスキラッチが懐かしい〜

29 2019/04/29(月)
磐田はドゥンガ、鹿島はジーコ、浦和はブッフバルト、名古屋はストイコビッチがプロ魂をチームに注入した功労者。

32 2019/04/29(月)
ミカは助っ人じゃないぜ。
広島の選手だ。

33 2019/04/29(月)
バレーってバリバリのFWだよね
DFでダブルハットトリックやったら相当凄いと思うけど

35 2019/04/29(月)
ストイコビッチは本当に最強外国人プレーヤーだと思う
プレーの質も最高ながら、アウェイからすれば審判とケンカする話題性もあったし。監督になっても革靴でスーパープレー
あんなのJリーグで見られるなんて思わなかったわ

36 2019/04/29(月)
初期になりますが、フリューゲルスのエドゥーのフリーキックは好きでした。

38 2019/04/29(月)
マリノスのドゥトラとかも入りそうだけどな
あとどこのチームとは決めれないがマルキーニョスとか

41 2019/04/29(月)
柏サポの人にとって
バレー
バレー
バレー
は悪夢だそうですね。

42 2019/04/29(月)
柏ファンとしてはバレーみると本当にげんなりする

44 2019/04/29(月)
ピクシーがやはり実績、インパクトともに1番だろうけど、個人的にはフリューゲルス時代のサンパイオとガンバのエムボマかな。
あとエスパルスのシジマール。

45 2019/04/29(月)
この記事の前編・中編ではピクシーは出てきてないので、後編のラストで出てくると思います。

46 2019/04/29(月)
ミキッチ
プレーも大好きだったが人柄

48 2019/04/29(月)
ダヴィの所、「翌08年のJ1残留の立役者となった。」とか書いてあるけど2008年はJ1最下位でJ2に降格したぞ
さすが札幌が勝ったら札幌戦の採点が出るのが遅いアンチ札幌のサカダイ













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