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 フランクフルトが絶好調だ。昨年のラストゲームとなったバイエルン戦での黒星を最後に、公式戦15試合無敗を誇っている。ブンデスリーガ後半戦の勝点は首位・バイエルンに次ぐ25(7勝4分け)で、ヨーロッパリーグ(EL)では欧州カップ戦の常連・シャフタールとタレント力で上回る名門・インテルを撃破。ベンフィカとの準々決勝まで駒を進めている。

◆好調をキープできる4つの理由

 昨季のDFBポカール制覇に導いたニコ・コヴァチ監督をバイエルンに引き抜かれながら、国内外で大健闘している歩みは称賛に値する。リーグ開幕前のDFLスーパーカップでバイエルンに0-5と完膚なきまでに叩きのめされ、続くDFBポカール1回戦で4部クラブのウルムに1-2と不覚をとった頃、これほどの躍進を想像できた者はほとんどいないだろう。

 かく言う筆者も完全に読み違えた一人だ。リーグ開幕5試合で3敗を喫した時には、残留争いに巻き込まれる予想を立てていた。コヴァチの流出に加え、中盤のボスだったケヴィン・プリンス・ボアテングの退団による構成力の低下が大きな痛手となり、さらにELとの掛け持ちに耐え得る選手層がないと考えていたのだ。

 それでもチーム力が上がった理由は大きく分けて4つある。コヴァチの跡を継いだアディ・ヒュッター監督の手腕、ルカ・ヨヴィッチやセバスティアン・ハラー、アンテ・レビッチら攻撃陣のスケールアップ、フィリップ・コスティッチやケヴィン・トラップら新戦力がハマった補強の成功、そしてチームリーダーである長谷部誠の充実だ。

◆最も旬な“セルビアのファルカオ”

 コヴァチ時代の3バックシステムを踏襲し、いきなり躓いたヒュッター監督はリーグ開幕当初、自身の前職場であるヤングボーイズで用いていた4バックシステムへの切り替えを図った。しかし、これがむしろチームの混乱を招いてしまう。ブンデスリーガ初挑戦の新監督が非凡だったのは、ここで自身のやり方に固執せずに“原点回帰”を図ったこと。すぐさま慣れ親しんだ3-5-2に戻し、徐々に独自のエッセンスを加えていった。

 その一つが2トップの一角だったレビッチのトップ下起用だ。昨季のチーム得点王であるハラー、第7節のデュッセルドルフ戦で5得点と覚醒したヨヴィッチを共存させる最適なソリューションを見出し、ここまで公式戦で計53得点と凄まじい破壊力を誇示しているアタッキングトリオの爆発を促した。いずれもキャリアハイのゴールを記録し、今夏の移籍マーケットではビッグクラブからオファーが殺到しそうだ。

 中でも最も“旬”なのがヨヴィッチ。左右両足を遜色なく使いこなし、華麗なボレーやループシュートなど多彩なフィニッシュワークを見せるだけでなく、“セルビアのファルカオ”の異名に違わぬゴール前での秀逸な動き出し、ラストパスの精度などにも優れている。レンタル元のベンフィカが保有権を持っているが、フランクフルトの取締役ボビッチは「700万ユーロ以下で買い取る権利がある」と明言。いまや4000万ユーロは下らないという推定市場価格を考えれば、フランクフルトが保有権を得るのは時間の問題になっている。

 セルビア国内では知られた存在だったものの、2017年夏の加入前までほぼ無名だったヨヴィッチを発掘したのに続き、昨夏の補強も素晴らしい成果をもたらしている。特に目立つのがコスティッチとトラップの活躍だ。生粋のウインガーだった前者はウイングバックへのコンバートに応え、無尽蔵のスタミナと高い局面打開力を誇る“疲れ知らずのクロスマシン”として前線の3人にビッグチャンスを供給している。パリ・サンジェルマンで出番を失っていた後者は3年ぶりに復帰した古巣で見事な復活を果たした。

◆戦術上のキーマンは長谷部誠

 そして長谷部誠の充実だ。ロシア・ワールドカップ後に代表を引退し、クラブでの戦いに集中できるようになった35歳は、『キッカー』誌選出の前半戦における最優秀DFに選ばれるなど、キャリア最高のシーズンを送っている。壺を押さえたカバーリング、的確なコーチングで守備を引き締めているほか、長短を織り交ぜた正確なパスで攻撃の起点としても機能。ドリブルで敵陣深くまで持ち上がるような古典的なリベロ(ベッケンバウアーやバレージ)とは異なるが、戦術上のキーマンとして異彩を放っている。

 ボアテングの退団とレビッチのトップ下起用で下がった中盤の構成力を補填できているのも、長谷部による組み立てがあればこそ。両サイドへの散らしに加え、空中戦の勝利数がリーグトップのCFハラーを目がけたロングフィードも冴えている。技巧派が少ない中盤での組み立ての省略を可能にし、縦に速いチームアタックを演出している長谷部とハラーは、今季のフランクフルトで最も欠かせないプレーヤーだろう。

 長谷部の充実でもう一つ見逃せないのはツヴァイカンプフ(1対1)の勝率で、昨シーズンの57%から63%までアップしている。代表引退に伴う負担の軽減がその背景にあるかもしれない。いずれにしても、当サイトが行った開幕前のインタビューで「これまでのキャリアの中でも自分の価値を示せるかどうか、最も重要なシーズンになる」と語っていた長谷部の価値が、かつてない水準まで高まっているのは確かだ。

◆かつてのレジェンドと重なる姿

 ブンデスリーガ勢は今シーズン、すでに7チーム中6チームがヨーロッパカップ戦で敗退した。“最後の砦”であるフランクフルトに懸かる期待は大きい。ブンデスリーガ勢が最後にELを制したのは、まだ前身の「UEFAカップ」だった1996-97シーズンが最後。当時のシャルケには170cmと小柄なオラフ・トーンがリーダーとして最後尾に君臨していた。そう、長谷部と同じくMFからリベロへの転向をハイレベルに実現した元ドイツ代表の名手だ。

 トーンのようにチームをEL制覇に導くようなら、長谷部はそれこそフランクフルトのレジェンドとして歴史に名を刻むことになるかもしれない。

文=遠藤孝輔
SOCCER KING
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190411-00926599-soccerk-socc&p=1



1 2019/04/11(木)
DFだけに、アシスト、得点、記録には残らないものの、何気に、海外で活躍した歴代最高プレイヤーになりつつあるような気がします。
長谷部すごうです!

2 2019/04/11(木)
この好調が維持できてるもう一つの理由として冬の移籍が大当たりだった事がある
特にローデとヒンターエッガーは今やチームに欠かせない存在になっている
昨シーズンまでのフランクフルトならここまで勢いは保ててなかったと思うが今シーズンは全然違う

3 2019/04/11(木)
前線3枚はもちろんすごいけど、中盤の枚数増やせることや、一番底から起点を作れる長谷部の存在は大きい
GKのトラップもセーブ能力高いね

5 2019/04/11(木)
すごい誇らしい。日本人がブンデスのチームの中心選手として活躍して、ELも勝ち上がるなんて。ポジションも違うし地味だけど、ようやく中田を超える評価を得る選手が現れたように思う。もし今の代表が守備面でにっちもさっちもいかなくなったら、W杯本番直前に電撃復帰もあるかも。

7 2019/04/11(木)
ドイツでの評価が高いのがすごい。日本人選手がここまで注目されてるのは2連覇した時の香川以来な気がする。

8 2019/04/11(木)
ヨーロッパ組で、チームメートに説教してる(出来る)のは、長谷部だけだよね。
代表引退して、逆に良くなった。
俺がポイチだったら、呼ぶな。
本人は嫌だろうけど、説得する。
世代交代も偉大な先輩の背中を見せる必要がある。
柴崎を育てる上で、完全にヤットを外すんじゃなくて、一緒にやらせて徐々に交代させられなかった。
ベテランから学ぶ事は多いよ。

9 2019/04/11(木)
アレ、ヨビッチ、レビッチの3人の破壊力は凄まじい。そこに長谷部やトラップが守備で奮闘しているのも大きい。

10 2019/04/11(木)
はじめて彼を見た時は、CFとかFWとか俊足でしたが、だんだん後に行きましたね。後に行くほど良くなり、リベロが最高かもですね。

11 2019/04/11(木)
一番は長谷部が代表活動なくなって膝の負担がかなり減ったから。

12 2019/04/11(木)
今冬にやって来たローデ、パシエンシア
ダ・コスタ、ヒンターエッガー、フェルナンデス、
勝ちゲームを締めるウィレムスも、みんなプレスをサボらず、ミスはフォローし合って、噛み合ってますね。
また、今年に入ってからはロスタイムで負け試合をひっくり返したりと劇的な勝ち方が多く、何か感じさせるムードがスタジアムに漂ってきます。

14 2019/04/11(木)
ヨヴィッチを、今やバーゲン価格で買い取りの権利を持つ、フランクフルト。
逆に契約上、結果的に買い叩かれざるを得ない、ベンフィカとのEL準準。
因縁以外の何物でもないね。 激しい戦いとなるは必至。

15 2019/04/11(木)
長谷部の試合が観たいから、以前みたいにブンデスもDAZNで観れるようにしてくださいよ!

17 2019/04/11(木)
よく日本のベッケンバウアーとか言われるけど違うな。確かに日本のオラフトーンの方が適確、生まれ持ったものや経歴含め。

18 2019/04/11(木)
本当に長谷部が擁してる感じになってきたな。

19 2019/04/11(木)
結婚されて食生活を管理されてるのも躍進の秘訣かな?

21 2019/04/11(木)
フランクフルトは兎に角フォアザチーム出来るのがデカい。
それによってピッチの全員の良さが相乗効果で凄い事になってる。

22 2019/04/11(木)
ブンデスの勢力図を変えつつあるチーム

23 2019/04/11(木)
外国でキャプテンを担うことってホント凄いこと
長友もだけど、同じ日本人として誇りに思う

25 2019/04/11(木)
トラップという最後の砦の存在は本当にでかい。もしかするとドイツ代表でノイアーに代登する選手なのかもしれない。

26 2019/04/11(木)
長谷部選手が熟成したワインみたいだから。

28 2019/04/11(木)
そろそろ長谷部のミドルも見てみたい!

29 2019/04/11(木)
長谷部は将来ドイツで監督やりそうだな。

30 2019/04/11(木)
あのスピードとトラップ、今の長谷部を代表に呼ぶべきでしょ!
どう考えても今がピークです・・・!
でも森保監督は呼ばなんだろうなぁ

32 2019/04/11(木)
長谷部は素晴らしいね
人間性も大好きだ!

33 2019/04/11(木)
奥さんの支えもあるんじゃない

35 2019/04/11(木)
ドルトムントよりも強い

36 2019/04/11(木)
バイエルンはコヴァチとともに長谷部を取れば良かったのに

37 2019/04/11(木)
ブンデス最強DFにしてMVPも濃厚な、長谷部さえいれば恐れるものは何もない。
間違いなくEL制覇はもらった!ガナーズだろうとチェルシーだろうとナポリだろうと、長谷部を崩せると思ったら大間違い。

38 2019/04/11(木)
最近セブン-イレブンでレギュラーコーヒーとフランクフルトをセットで買うようになったから。

40 2019/04/11(木)
優勝しないかね













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