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◆推進力のあるドリブルは、彼が憧れるブスケッツにはない武器でもある
 アディショナルタイムを含めても15分弱だろう。
 
 たったそれだけのプレータイムで、すべてを判断するつもりはもちろんない。けれど、みそ汁の味見をするのに丼鉢一杯分を飲み干さなくてもいいように、たとえわずかな出場時間であってもプレーヤーとしての資質はある程度、読み取れるものだ。
 
 3月17日の4節・清水エスパルス戦でJリーグデビューを飾った、ヴィッセル神戸のスペイン人MF、セルジ・サンペールのことだ。
 
 1-0とリードして迎えた80分、FWの古橋享梧に代えてサンペールを投入した理由を、フアン・マヌエル・リージョ監督はこう語っている。
 
「中盤にもう一枚加えることで、オープンな展開になることを避け、ゲームをコントロールしたかった」
 
 ほぼ同じような試合展開だった2節のサガン鳥栖戦では、「選手交代によって、それまで上手くいっていたものに(好ましくない)修正が掛かってしまうケースがある」と言って、交代枠をひとつも使わなかったリージョ監督が、この日唯一切ったカードがサンペールだった。
 来日間もない、しかも故障の影響で昨年10月以降、およそ5か月間も公式戦のピッチから遠ざかっていた選手を、この難しいシチュエーションで使ったのだから、指揮官の信頼は相当に厚いのだろう。
 
 サンペールが配置されたのは中盤の底、すなわちピボーテ(アンカー)の位置。これによって、それまでダブルボランチを組んでいた山口蛍と三田啓貴が1列前のインサイドハーフに押し上げられた。数字で表わせば、4-2-3-1から4-3-1-2への変更。中盤のひし形の頂点にアンドレス・イニエスタがいて、最前線はルーカス・ポドルスキとダビド・ビジャの2トップという形だ。
 
 トップチームでの出場機会は限られたとはいえ、さすがはバルセロナの下部組織で育った逸材である。短い時間であっても、随所に才能の片鱗を覗かせている。
 
 常に首を振って敵味方の位置を確認し、ピッチ上にトライアングルを作るべく細かくポジションを修正しながら、ダイレクトもしくはワンタッチで小気味よくボールを捌く。そのプレースタイルは、かつてのシャビ、現在のセルヒオ・ブスケッツを想起させた。さらに最終ラインまで落ちてGKからパスを引き出し、そのままするすると持ち上がる推進力のあるドリブルは、彼が憧れるブスケッツにはない武器でもあるだろう。

◆サンペール投入後の神戸にはプレービジョンの相違があった

 サンペールの投入後、この日はキックオフ直後から鋭かった清水の出足が一瞬鈍ったのは、きっと疲労のせいだけではないはずだ。リージョ監督の狙い通り、神戸のポゼッションは安定し、中盤のコントロールを取り戻している。
 
 ただし、15分のプレータイムでは、サンペールが“神戸のブスケッツ”になれるとの確証を得るまでには至らなかった。
 
 今後、どこまでフィジカルコンディションを上げ、実戦感覚を研ぎ澄ましていけるかがその大前提となるが、加えて不可欠なのがチームメイトとの強い信頼関係の構築であり、プレービジョンの共有であろう。
 
 88分に許した同点ゴールは、初瀬亮のクリアミスが直接的な原因だが、きっかけはハーフウェーライン付近での安易なボールロストだった。その時、サンペールの前方には山口と三田、少なくともふたつのパスコースがあった。しかし、彼が選択したのは3人のDFに囲まれていたイニエスタ。さしものイニエスタもボールをキープできず、そこからショートカウンターを食らっている。中盤でユニットを組むふたりとの信頼関係の希薄さが見て取れたシーンだった。

 また守備の局面で、サンペールと山口&三田との位置関係が逆転する場面も何度となくあった。前線から一枚削り、代わりにアンカー(サンペール)を置いた選手交代を、「残り時間を引いて守ってしのごうというメッセージ」として受け止めたか、「中盤で主導権を握り、相手をいなしながらゲームをクローズさせる一手」と捉えたか。つまりはプレービジョンの相違がそこにはあった。
 
 あくまでもバルサ化を目指すのであれば、たとえ押され気味の展開であっても後者の思考が求められる。「耐えて逃げ切る」後ろ向きの概念は、バルサの哲学にはないからだ。そうしたメンタル面と戦術面のコントロールも、本家のブスケッツと同様、本来はアンカーのサンペールに与えられた役割のはずだが、加入間もない彼にいきなりそこまで要求するのは酷だったのかもしれない。
 
 それでも、焦る必要はない。ここからじっくりと周囲との連係を深め、どんなシチュエーションでも同じ絵を描けるよう、イメージの共有を進めていけばいい。

◆神戸のパスワークを分断しようとするチームは、これからも次々と現われるはずだ

 この日の清水のように、高い位置から激しくプレスを仕掛け、神戸のパスワークを分断しようとするチームは、これからも次々と現われるはずだ。

 リージョ監督もそれを見越して、ゲームを落ち着かせられるサンペールのようなアンカーを求めたに違いない。ポゼッションスタイルを貫くのであれば、3センターハーフの底としての適性は山口よりも上。むしろ山口は、サンペール投入後のようにインサイドハーフとして、持ち前のダイナミズムを発揮させるべきだと思う。
 
 もう少し、時間はかかるかもしれない。けれど、わずか15分、ほんのスプーン一杯分を味わっただけでも、サンペールの技術力の高さ、そしてバルサ時代に“ブスケッツの後継者”と呼ばれた理由は分かった。次はスタメンでどこまでやれるか。代表ウィーク明けのJリーグが楽しみだ。
 
取材・文●吉田治良(スポーツライター)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190321-00055887-sdigestw-socc&p=1



1 2019/03/21(木)
15分とはいえ神戸に足りない色々な可能性を見せたプレーが多かったから、噛み合えばACL出場権とカップ戦はより近づくはず。

2 2019/03/21(木)
普通に良かったと思うけど。
初瀬のミスさえなければ勝っていたし。
怪我さえなければ、前川と共にスタメンに定着するでしょう。

3 2019/03/21(木)
セレッソ戦はボールは持てたけどゴール前に人がいない現象が起きた。ただ、リードしてればボールを回すのみの状況を作りたい。その時のイニエスタゼロトップもしくはトップ下、インサイド三田山口、アンカーサンペールはいいと思う。

4 2019/03/21(木)
ここまでの試合を見ていると、山口蛍はインサイドハーフよりプレッシャーの少ないアンカーの位置の方が楽にプレーできるのは間違いない
ただもう1つ上のレベルに行くにはインサイドハーフで攻守にミスなくプレー出来るようチャレンジするべきだと思う

7 2019/03/21(木)
タラレバではありますが、古橋ではなく、運動量の落ちていたポルディとの交代の方が良かったのでは?サンペール自体はまだ合流間もないから、これからだと思う。

82019/03/21(木)
確かにブスケツと言うよりは、少し下がり目のセスクみたいに見えたね。だからサンペールはサンペールだね。アンカーであんなに繊細にボールタッチする選手、初めてみたかも。ガンバ戦楽しみにしてます。

9 2019/03/21(木)
サンペールが入っても、危なっかしい場面あったから、個人というよりチームとしての選手同士の距離感やポジショニングを修正しないと難しいかなと思った。

10 2019/03/21(木)
次節は先発で使ってくれるかな?
楽しみですね。

11 2019/03/21(木)
神戸所属でスペイン代表に選ばれるようなことがあればいいのにね。
スペイン側からしたら、神戸移籍は都落ちだから....

13 2019/03/21(木)
十分に良かったと思う。今の磐田とやればボーナスステージになりそうな予感。少なくとも5点はいける。

14 2019/03/21(木)
サンペーに限ったことじゃないしどうしても時間はかかるだろ。熟成するなら今年は最悪2部に落ちなきゃいいくらい時間かかると思う

15 2019/03/21(木)
ハイプレスを仕掛けられてもパスが繋がるのがバルサなんだけどね。

17 2019/03/21(木)
彼とイニエスタを見て

これから山口がさらなる進化をするか?
三田くんが化けるか…?

18 2019/03/21(木)
最近フォーメーションを4つに分けていうの増えたなー

20 2019/03/21(木)
なんだかんだでポドルスキがチームのテンポにフィットしてない感じがする。

21 2019/03/21(木)
たった15分で可能性を出すのは流石だね!

24 2019/03/21(木)
1枚目の鄭大世との写真、若いのに流石の風格。他の若手助っ人とはなんか違うね

25 2019/03/21(木)
写真を撮った人は山崎賢人って言うのか

26 2019/03/21(木)
さんぺーるです

27 2019/03/21(木)
結果的に勝てなかったのも初瀬が台無しにしただけ。

30 2019/03/21(木)
シャビはボールタッチが多かったぞ。

31 2019/03/21(木)
無理無理、ブスケツになれる選手ならバルサが放出するわけがない。

32 2019/03/21(木)
写真を撮ったの山崎賢人さんなのね…笑

33 2019/03/21(木)
俺もあそこでイニエスタに出すか?って思ったけど、バルサ出身で論理的なフットボールに携わってきたはずだから、何か俺には理解できない意図があるものだと思ってたが..........。

35 2019/03/21(木)
オフェンシブよりのセンターハーフ

37 2019/03/21(木)
前に運ぶドリブルは、いわゆるコンドゥクシオンてやつですね。

38 2019/03/21(木)
サンポール

40 2019/03/21(木)
バルサ出身は守備をしない
三平が穴になる

41 2019/03/21(木)
この試合見に行ったけど、日本人のファンって誰も声かけない。サンペール初試合だったのに誰もサンペール!声かけないので何故か下向いてた。私だけイニエスタ!イニエスタ!と声かけたら、試合終了後、こっちを見て手を振ってくれた。ポドルスキも自らファンに近寄りユニフォームを脱いでくれてた。声かけたらイニエスタもくれるかも。サンペールに誰も声かけなくてポドルスキの横であれ?みたいな様子の顔してた。初試合なのにサンペールにも声かけてあげだら良かったと思った。イニエスタは優しい。わざわざ私が声かけてるの探して目を見て手を振ってくれた感動した。

42 2019/03/21(木)
初瀬クビにしそー











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