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◆日本独自のサッカー文化「高校サッカー」を海外はどう伝えているのか

 第97回全国高校サッカー選手権大会が幕を閉じてから、早1カ月が経とうとしている。青森山田と流通経済大柏で争われた決勝戦は、どういった戦術にも対応できる強者のサッカーで格の違いを見せた青森山田が3-1で勝利し、2年ぶり2度目の優勝を決めた。

 両校とも優勝経験があり、多くのプロ選手を輩出している全国でも名の通った高校同士の対戦となった今年度の決勝戦は、埼玉スタジアムをほぼ満員とする5万4194人の観客を集め、関東地区の視聴率は9.3パーセントと大相撲初場所・初日よりも多くの人がテレビの前で高校生の戦いを観戦した。Jリーグができて25年が経過し、ほとんどの都道府県にプロのサッカーチームができた現在でも、「高校サッカー」の人気は衰えることを知らず、老若男女を魅了する日本のお正月を彩る風物詩として定着している。

 育成年代の国内大会において、ここまで多くの人を集めるコンテンツは、アメリカの大学スポーツであるNCAA(全米大学体育協会)の人気競技くらいしか思いつくものがなく、世界的に見ても非常に稀であることが分かる。100年近く続くこの大会は、もはや日本のサッカー文化の一つと言っても過言ではないだろう。

 そういった「高校サッカー」を、海外の人たちはどう見ているのだろうか――。

 前年度の第96回大会を取材した中国のメディアがドキュメンタリー映画として制作。2月に開催される「ヨコハマ・フットボール映画祭2019」で、その映画を見ることできる。巨額のマネーを投じて自国のリーグにスーパースターを呼び、急速に力をつけてきている中国サッカーは、育成にも同様に巨額を投じて自国のスーパースターを育てようとしている。現在、サッカーに最も力を入れている国家と言える中国の人たちに、日本のサッカー文化とも言える「高校サッカー」はどのように映ったのだろうか。

◆育成年代における実力差の“大きい”中国、“小さい”日本には競争力がある

「日本の高校サッカーが、中国の高校サッカーと全く同じ状況とは言えませんが、参考にできる点があるのは言うまでもありません」

『少年足球養成』と題された中国のドキュメンタリー映画の冒頭で語られた言葉だ。この映画が日本の「高校サッカー」をテーマにし、アジアにおけるサッカー先進国である日本の育成年代から学び取ることを目的として、制作が始まったことが分かる。時代の移り変わりとともに、指導者の労働問題、指導方法、過密スケジュールなどの問題点が取り上げられることが多くなった「高校サッカー」は、日本のサッカーにおいて、すでにその役割を終えているとの見方もある。しかし、海外からの見え方を知ることで、見直せることがあるように思う。

 この映画は、昨年度の第96回大会での取材を基に作られている。今年の決勝戦にも出場した流通経大柏の関川郁万(→鹿島アントラーズ)や、青森山田の三國ケネディエブス(→アビスパ福岡)などが登場する場面もあるが、主軸は青森山田の黒田剛監督や清水桜が丘の大滝雅良監督などへのインタビューを通して、「高校サッカー」を知ろうとしている。

 そのなかで、指導者として日本のサッカーに貢献するトム・バイヤー氏とともに観戦する場面がある。日本をはじめ中国のサッカーも知るトム・バイヤー氏は、両国を比較し中国に「競争力が大事」とアドバイスしていた。

「日本の高校年代のサッカー選手、あるいはもっと下の年代の選手たちには高い技術を持つ人がたくさんいます。選手の実力差はそんなに大きくないと思う。しかし中国だと、こんなに大きな差が出るんですよ。だから競争があまり厳しくないです。“競争”、それが大事ですね。それが大きな問題です」

「高校サッカー」を見ている人には言うまでもないことだが、選手たち個々の技術は年々上がっている。しかも、全国の代表48校のどの選手を見ても同じことは言えるし、トム・バイヤー氏が指摘するように上と下のレベル差が年々小さくなっている。その象徴とも言えるのが、今やどの都道府県の代表の、どの学校が優勝してもおかしくはない戦国時代に突入していることだ。選手個人の向上心も高いうえに、指導者も熱心に勉強する人が増えている証しだろう。その映画の中で、そのことを分かりやすく解説している言葉があった。

「本田圭佑のような選手でも優勝をしていないどころか、全国大会に一度出場したのみです」

 のちの日本代表エースですら勝てない、レベルの高い大会ということを伝えている。

◆紡がれる思い、感謝の気持ち… 海外の目を通して思い直す日本のスポーツ文化

「高校選手権ではピッチ上だけではなく応援団も闘っています。応援文化は非常に発達しています」

 この映画ではもう一つ、時間を割いて着目している部分がある。中国でバンド活動をするティナ氏が「高校サッカー」を観戦した感想として、「高校生なのに何万人もの前で試合をできるのは本当にうらやましいです」とコメントしている。やはり育成年代の大会で、観客が何万人もいるというのは不思議に感じたようで、応援団として会場に来ていた人々へ取材をして動員の秘密を探っている。

「最近では家族が出場すると、家族全員で応援に行きます。今回も競技場には選手たちの両親、先生、OBが来ています」

 彼らは取材を通して、応援団の多くは家族・友人あるいはOBと分析。それぞれにスポットライトを当てて日本の応援文化を紐解いている。そのエピソードのなかで、これまで当たり前だと思っていたことが特別であることに気がついた。

「OBは『Old Boy』という意味で、外来語ですが欧米にこういう言葉はありません。OBは日本独自の言葉です」

 映画内でOBを解説した言葉だ。言葉は解説のとおりなのかもしれないが、イニエスタがスペインへ帰郷した際にカンプ・ノウで試合を観戦したように、その精神は海外にもあるように思える。

 さらに同映画では、OBを「日本の学校文化」「郷愁の表れ」と続けて説明している。主観ではあるが、ここまでの思い入れがあり、絆があるのは日本独自なのかもしれない。そういった思いが約100年にわたり紡がれて、現在の盛り上がりにつながっている。

 それとは別に、文化の違いを感じる印象に残った言葉がある。昨年度の準決勝で前橋育英に1-6で敗れた上田西の在校生のインタビュー後に、ティナ氏が「最初は理解できませんでした」と言っていた。それは敗退直後にもかかわらず、決勝では「前橋育英に勝ってほしい」と負けた相手を応援する場面だった。

「負けたチームは選手もファンも相手チームを応援することに気づきました。最初は理解できませんでした。でも“自分たちの分も頑張って欲しい”。そう思っているのがよく分かりました」

 この精神は応援団に限らず、選手たちにもある。敗れたチームは自分たちの応援団からもらった千羽鶴を勝ったチームに渡し、自分たちの夢を託す。託されたほうには、負けられない理由が増えると同時に、モチベーションが生まれる。そういった思いのつながりが日本の応援文化なのだと、見直すきっかけになる。

 また、試合後に相手チームや応援団に対して「ありがとうございました」と御礼を言う選手たちの姿を見た中国人のティナ氏は、「そのシーンを生涯忘れないように決めました」と感動しているシーンがあった。こういった感謝の気持ち、応援団との絆といったリスペクトの精神は、他国にも理解される文化であり、大切にすべきものであると改めて思い直すことになった。

 中国メディアを通して「高校サッカー」を描いた映画『少年足球養成』は、2月16日・17日に開催される「ヨコハマ・フットボール映画祭」で一般公開される予定になっている。海外の目を通すことで、気づかされることは多々ある。「高校サッカー」の好き嫌いに関係なく、サッカー好きが気づかされる点が多いと感じる映画だけに、時の流れとともに忘れかけている思いを見直す良い機会になるかもしれない。

川原宏樹 / Hiroki Kawahara
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190208-00169312-soccermzw-socc&p=1



1 2019/02/09(土)
日本では知らない人も多いと思うが、中国には学校の「部活動」というものが基本的に存在しない。学校ではひたすら勉強。
運動に関しては地域のスポーツクラブが細々とある程度で、それ以外はいきなり国家主導のエリート養成機関になってしまう。
つまり一般の中国人は、普段からサッカーとかスポーツをプレーして競争するような環境がない。これが中国サッカーがいつまで経っても強くならない原因。この辺が日本と同様になったら、日本は人口比から言って太刀打ちできる要素がないと思う。でも簡単じゃないだろうね。


2019/02/09(土)
まぁ、これは日本の強みだね。高校サッカーはユースに上がらなかった子も救済される場所だから、本田や岡崎、長谷部、長友はその年代なら絶対にユースに行けてなかったと思うが、高校サッカーのおかげで後々、海外で結果を残し、日本代表の主力として牽引してくれた。最近はユース世代も台頭して来ているけど、これからが楽しみな鹿島の安部君や三国ケネディ君とか他にも高体連出身の選手が出て来るから、今後の活躍に目が離せないね。


2019/02/09(土)
ちゃんとしたチームは、社会規範も徹底するよね♪
力が全てではなく、環境との調和をも配慮する
これが日本文化の一つなんだと思う
相手をリスペクトする。周囲に感謝する。
大切な事だと思います


2019/02/09(土)
Jリーグ発足時は高校チームが上だったのに、次第にユースチームに選手が流れて強さが逆転し、それをひっくり返そうと、高校が頑張って、シナジー効果を生み出していると思う。

ちなみに自分の出身中学では従来、サッカー部に入るはずの有望選手が、いきなりジュニアユースに入ってしまい、部が成り立たないという理由で、県大会常連、かつ全国大会に出場した名門サッカー部が廃部になりました。

これもJリーグ、あるいはそのユースによる影響だと考えたら、複雑な想いもあります。
もちろん、少子化の影響もあるとは思いますが。


2019/02/09(土)
良くも悪くもあるのが日本の高校サッカー。
スペインをはじめとする欧州強豪国の高校年代はひたすた基礎重視で、蹴る、止めるなどのワンプレーの正確さを追求する。数年後にはプロ環境の中で試合を通して実戦&理論を身に付けていく。
日本の場合、選手権で勝ち抜く事ありきで、基礎はそこそこ、勝つために必要な技術や知識を詰め込む。


2019/02/09(土)
高校野球なんかもそうだけどさ、日本の高校スポーツ文化って、近隣諸国から見れば、作ろうと思っても作れない、うらやましい限りのスポーツ文化だと思うんだよな。
球数制限とか選手の安全とか女子マネージャーの活動範囲の拡大とか、わからなくはないんだが、安易に海外の常識に合わせようとせず、高校スポーツのような部分こそ、日本ならではのガラパゴスを貫いて欲しいと思うのだが。


2019/02/09(土)
スポーツ留学はあっても良いと思うけど、高校や大学などで海外からの留学生を参加させるのには疑問を感じます。マラソンやサッカーなど他にもあるかもしれない。日本の学生の競技として徹底してほしい。


10 2019/02/09(土)
高校サッカーも高校野球も、華やかな裏ではほとんどの学校で教師が大した手当ももらわずに顧問をさせられている。プロ監督がいるのは強豪校のごくごく一部なのが現状。

「だったら学校の部活は止めて、クラブチーム化すればいい」という意見が出るけど、そう単純な話ではない。

日本人は他の国よりも郷土愛と母校愛が強いんだと思う。「〇〇県代表〇〇高校」って響きが好きなんだよ。だから高校スポーツがあれだけ盛り上がるんだと思う。


11 2019/02/09(土)
歴史的に日本スポーツにプロが出来たのは第二次大戦後。それ以前は学生スポーツに熱狂していた。プロが結成されてから選手育成という目的が出来たけど、日本人は「プロは技術力とパワーを見る世界、アマは感動を見る世界」と目が肥えているから、それぞれを楽しんでいると思う。


12 2019/02/09(土)
既に役割を終えているというのは的を射ている気がする。昔はプロリーグが無かったから、サッカーをやる者にとっては国立競技場が最後且つ最高の舞台だったんだよ。


14 2019/02/09(土)
名の通った高校のサッカー部はともかく、多くの学校で上手な子はユースに入っていて部に入らないから、有名ではない学校は人数を集めるだけでも大変な状態。少子化がさらに進んでしまえばサッカー部や野球部などの人数多い競技はできないかもしれない。


15 2019/02/09(土)
中国は人口が多いから時間かければ日本を脅かす存在になるのでは??
クラブユースと高校サッカー2つあってこそ日本のサッカーが成長していると思うからマネしてみたら??


16 2019/02/09(土)
ユースの有望な選手でも選手権に憧れて高校の部活に転入するくらいですから、高校サッカーもヨーロッパに劣らない文化だと思っています。
中共では習近平がサッカーエリートを造ろうとしていますが、どうなるでしょうか?


18 2019/02/09(土)
勉強&スポーツもしくは芸術。
日本の学校こそ総合的な人間教育を行ってると思う。配分は人それぞれでイイけれど、どっちかだけって奴は絶対人の上には立てない。


19 2019/02/09(土)
高校野球もそうだが、外国人が日本の少年たちのスポーツ文化を見たら驚くだろうね。
青春のすべてが凝縮されているとでも言うか、

少年時代に体を鍛えておくと、30代以降にモノをいう。
いくら残業してもへこたれない強靱さが養われる。
これが日本の経済を支えているんだよな。


21 2019/02/09(土)
部活動って学校生活の延長だもんな。
よく最後のロッカールームとかで、監督は選手たちに『この先の人生に何らかの形で、サッカーの経験を活かしてほしい』
そんなコメントを聞くよね。
クラブチームで得られない経験も間違いなくあると思う。


22 2019/02/09(土)
大迫半端ないの動画の高校、あの選手と監督とチームの雰囲気、あれこそが高校サッカーの良い所だよな〜、最後に相手チームを応援しようって締めくくってたのはカッコイイ。


24 2019/02/09(土)
まあ だからといって 日本のマネをして上手く行くという簡単な事ではないでしょうけどね。
中国は中国の育成方針を模索するしかないと思います。


25 2019/02/09(土)
学校に当たり前にグラウンド、体育館、プールがあり、部活や体育祭のある国は世界的に見て極めて異質。海外からの留学生はまず驚愕する。ましてや全国大会で数万の観客が集まるとは。


26 2019/02/09(土)
日本代表の組織的なプレーの原点はこういう部活動で養われてるんでしょうね。
ただ日本代表が将来的により世界と戦うためにはこの年代から久保君や中井君みたいに世界にどんどん飛び出してほしいという思いもあります。


28 2019/02/09(土)
フランスのパリ郊外の小学校も 校庭がすごく小さなものだった 日本の部活のようなものが学校にない国も多い 日本の高校部活の経験者の方たちでも インターハイ インカレを経験していても30代までにスポーツを離れてしまう方が多いので残念


29 2019/02/09(土)
補欠が多すぎて人材発掘のチャンスを逃してる気がしてならない。


30 2019/02/09(土)
個人でも、家族でも組織・会社でも、外部からの視点の方がその良いところ、悪いところがわかるって事あるなー。


31 2019/02/09(土)
高校サッカーも高校野球も春高バレー等々は日本の文化!いろいろな問題あるが、将来的にも続けてもらいたい!


32 2019/02/09(土)
日本国内でも地域差がかなりあるよ。
関東では高校サッカーが人気でテレビ中継も多いが、関西では高校ラグビーのほうが断然人気が高い。

関西で高校サッカーの話題なんか話してる人なんか当事者たちくらいのものだからね。


33 2019/02/09(土)
独裁体制では、厳しいな!!


35 2019/02/09(土)
クラブと高校サッカーといえば中村俊輔。
マリノスユースに上れず、桐光学園で脚光を浴びる。もしも高校サッカーが無い国に生まれたらプロ選手としての彼は居なかったかもしれない。
学校スポーツの良い面を体現している。


37 2019/02/09(土)
何を言おうが日本のサッカーが弱い事にかわりない。日本の、野球は世界トップ5に入る強さだったが今やそれでさえ危うい。もはや、厳しい練習をせざるを得ない


38 2019/02/09(土)
今後はJリーグのユースチームも混合した、対戦を見てみたい。


39 2019/02/09(土)
甲子園、春高、国立とか学生にしかできないこと、悔しい思いをした人、彼らを見て何かやれば良かったと思うのは人様々だけど、これは日本の文化で世界に誇れる1つ!











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