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◆戦術のエキスパート、西部謙司氏がシミュレーション

ユベントスやフランス代表での活躍により3年連続でバロンドールに輝いたミシェル・プラティニ。日本人にとっては85年に来日を果たしたトヨタカップでの鮮烈なパフォーマンスでも記憶される“将軍”がもし、進化を続ける現代サッカーに蘇ったとしたら通用するのか――戦術のエキスパートである西部謙司さんにシミュレーションしてもらった。


文 西部謙司

 9番か、それとも10番か――ナンシー、サンテティエンヌで活躍していたころのミシェル・プラティニには、ストライカーなのかプレーメイカーなのかというポジションをめぐっての議論があった。やがて、プラティニ自身がこの議論に終止符を打つ。結論は「9.5番」だった。

 ゲームを組み立てて点も取る。同時代のスーパースターであるディエゴ・マラドーナやジーコも「9.5番」だ。ただし、マラドーナとジーコにポジションの議論などなかった。ヨーロッパの「9.5番」は南米では10番で、もともとこの役割とポジションは確立されていたからだ。

 ただ、プラティニのポジションが議論になった理由はそれだけではないと思う。

 ゲームを組み立てる時もゴールを狙う時も、マラドーナはマラドーナでジーコはジーコだったが、9番のプラティニと10番のプラティニはまるで別の選手のようだったからだ。

◆共存する矛盾

 10番のプラティニは接触プレーを極端に嫌うように1タッチ、2タッチでボールを離す。そして、機を見て敵の急所を刺すロングパスをピンポイントで供給した。一方、9番の方のプラティニはフィジカルコンタクトを恐れず、球際の勝負や空中戦にも強く、貪欲にゴールを狙った。TPOをわきまえたプレーぶりとも言える。

 一方で9番と10番、いずれのプラティニにも共通していたのが類希なセンスだった。

 右足のアウトサイドに引っかけた強烈なシュートが得意だったが、フックさせた柔らかいループ気味のシュートもあり、左足でもヘディングでも得点した。それが必要な瞬間に最適のプレーを選択する。「2本に1本は決まる」と言われていたFKも、ニアポストとファーポストのどちらも狙っていて、インサイドで曲げるだけでなくアウトサイドでスライスするボールも蹴っていた。壁の位置やGKの動作を計算しながら蹴り分けていたのだ。

 この抜群のサッカーセンスがなければ、プラティニはバロンドールを3年連続で獲るようなスーパースターにはなっていなかっただろう。足は遅くないが特別に速くはないし、コンタクトプレーも弱くはないが頑健でもない。フィジカル能力については平均より少し上という程度に過ぎなかった。

 トヨタカップで、ボールリフティングで敵をかわしてボレーで決めた「幻のゴール」(オフサイド判定で無効)が有名だが、この試合で印象に残っていることが他に2つあった。

 1つはサイドからのFKで、ゴール前にハイクロスを入れようとした時。助走の途中で、プラティニはなぜか誰もいないタッチラインの方向をちらりと見ていた。そんなところを見ても何もないのに、確かに一瞬そこを見たのだ。他のプレーもすべてそうだが、プラティニは周囲の状況をよく見ている。あらゆる情報をインプットしているから、あのTPOにぴったりのプレーが弾き出されるのだろうが、およそ見ても意味のない場所まで見ていたのは恐さすら感じた。

 もう1つは試合前のウォーミングアップ。プラティニは一番にボールとともにフィールドに飛び出してきた。とても楽しそうに、これから公園で遊ぶ子供のように出てきたのが印象的だった。

 1、2秒の間にいろんな場所へ目を走らせている張り詰めた緊張感と、無邪気な遊び心が同居しているのがプラティニの魅力だ。エレガントなプレーメイカーであり、野性的なストライカー。気むずかしさとユーモア、ぶっきらぼうなのに機転が利く……相反する要素が平然と共存していた。

◆「9.5番」生かす変則布陣

 80年代のスーパースターが現代のサッカーでそのまま通用するかどうかはわからない。当時からスタミナ不足と批判されていて、守備の貢献度が低いとも言われていた。フィジカルエリートではないプラティニに現在のチームに居場所があるかと言えば、正直疑問はある。ただ、右足のキックは一級品であり、何よりもインテリジェンスの凄さは時代を問わず必ず武器になるはずだ。意外と現代サッカーにもすんなり適応してしまいそうな気もする。

 プラティニの能力を最大限発揮させることを考えると、フランス代表での変則的なフォーメーションになるだろう。

 ミシェル・イダルゴ監督に率いられたフランスは当初[4-3-3]だったが、1982年W杯の途中で[4-4-2]に変わっている。プラティニ、アラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンジニのテクニカルなMF陣は、84年に優勝したEUROでジャンジニがルイス・フェルナンデスに代わったものの、プラティニ、ジレス、ティガナによるコンビネーションとパスワークの華麗さはヨーロッパ随一だった。

 変則なのは、2トップのドミニク・ロシュトーとディディエ・シスはどちらもウイングプレーヤーで生粋のストライカーではなかったところにある。2トップがサイドに開くCFがいない形で、得点力のあるプラティニ、ジレスが中央へ入って行く特殊なフォーメーションだった。ジャン=ピエール・パパンはまだエースではなく、ベルナール・ラコンブという点取り屋はいたが、中盤の4人が確定してからはプラティニが得点源になっていた。「9.5番」の特性を生かすためにカギになるのはプラティニへパスを供給するジレス役と、前線のスペースを空けるとともにプラティニのパスをゴールに変えられるウイング、そして2人の10番を支えるティガナの役割だ。

 小柄な相棒ジレス役にはシャビ・エルナンデスが良さそう。ティガナ役にはエンゴロ・カンテがぴったりハマる。ついでにフェルナンデス風のハードワーカーとしてスペイン人のサウールを抜擢したい。

 ウイングはリバプールのコンビ(サラーとマネ)。SBには彼らとの相性を考慮してリバプールの2人がいいだろう。GKとCBは世界チャンピオンのロリス、ウムティティ、バランの3人で固める。

 プラティニのパスで快足ウイングを走らせ、フィニッシュにもプラティニが絡む。ゲームメイクはプラティニとシャビのコンビをカンテ、サウールがサポート。5人がフランス人でマネもフランス語がわかるのでコミュニケーションも悪くない。プラティニが作り、プラティニが決める。プラティニ仕様のチームである。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181005-00010000-fballista-socc



1 2018/10/06(土)
プラティニが 今の時代に生まれて 育っていれば 違う進化を遂げて 違うプレースタイルで素晴らしい選手になっていると思いますよ



2018/10/06(土)
ワールドカップでのプレーも印象に残るけど、84年のヨーロッパ選手権は衝撃的だった。あれを思い出すと見てみたいし通用するとも思うけど、周りの10人で彼を支えるようなチーム作りが必要になる。それだけの決断ができる指揮官が現代サッカーにいるのか? 多少のリスクを負ってもプラティニの特性を活かそうする監督の存在がカギですね。



2018/10/06(土)
ジレスはシャビというよりは、イニエスタに近かったと思います。ティガナはカンテよりも、やや攻撃的でドリブラーの資質も持っていました。ブラジルが黄金のカルテットと言われていた時に、フランスはシルバーカルテットと言われていた程、美しい中盤でした。現代でも通用するとか、しないとか、よく議論になりますが、一度90分試合を見たら、サッカーを理解している人なら誰でも分かりますよ。どうなのかが。



2018/10/06(土)
その時代の超一流が今の時代に生まれれば現代のサッカーに合わせて成長していくわけだからね
今の超一流が昔に生まれたら昔の時代に合わせて成長していく



2018/10/06(土)
サッカーに興味を持ったのはキャプテン翼がきっかけだけど本当にハマったのは85年のトヨタカップでプラティニを見てからだった私には最高の記事でした。ありがとうございますorz



2018/10/06(土)
現代サッカーは守備をしないで自由に動き回る選手は居場所がないからな。

プラティニは中盤の真ん中に置くには守備力が低過ぎる。かと言ってサイドをやるには縦のスピードが足りない。現代サッカーならFWに置いてずば抜けたテクニックで点を取ることに専念してもらうのがベストだと思う。



10 2018/10/06(土)
プラティニが現代に居たらちゃんと現代のサッカーに適応してるよ。それほどセンス溢れる選手だよ。ちなみにプラティニは走らないという批判があった時に、自分の分を他選手が賄えればいい。みたいなこと言ってたけどね。



11 2018/10/06(土)
78、82、86W杯をNHKで見た世代としてはあのインパクトは忘れられない。特に82年スペイン大会、86年メキシコ大会・・ティガナ、ジレス、ジャンジニ(フェルナンデス)との連携の美しさは目の保養だった。あえて現代に置き換えなくてもあれはあの時代でいいんじゃないかな。



12 2018/10/06(土)
間違いなく通用するけどあくまでも中堅のスター止まりかな

ワンマンだしトップ下(かセカンドトップのみ)だしドリブルで運べるわけでもないので現代のビッグクラブでは厳しい、仕上げの天才だが他の貢献度がなさすぎる
むしろ現代ならジーコの方が通用するだろうな



13 2018/10/06(土)
プラティ二はヘディングが上手かった。
ジーコとマラドーナほど足元上手いとは思わないけどヘディングに関しては上だった。
マラドーナはジーコとプラティ二には無いスピードを含めた身体能力があった。
マラドーナ、ペレ、ディステファノ、クライフ、ベッケンバウアーは身体能力が高いってのが根本にある、メッシやクリロナもそうだけど
ベッケンバウアーもテニス選手ならウィンブルドンで優勝できたと言われてた。

マラドーナの相棒のブルチャガ、バチスタも優秀だったよDFのルジェリもそうだし、マラドーナ以外は雑魚みたいな扱いされてるけど当時からそれなりのメンバーはいた。



15 2018/10/06(土)
プラティニに限った話しではないよね。

マラドーナ、ジーコ、バッジョ等々挙げたらきりがない。

バッジョみたいな選手いないかなー。トラップやパスで相手を無力にする、メッシやロナウドみたいな圧倒的スピードで相手を置き去りにするプレーとは違うプレーが見たい。

まあ、昔と違って今はトップ下にも運動量が求められて、80分くらい消えるプレイヤーはいなくなってしまったけどね。



17 2018/10/06(土)
ワールドカップでは大量得点とはいかなかった(プラティニ本人は「ベストコンディションで臨めなかった」と言う)けど、EURO84やユベントスでの得点力は凄かった…。



18 2018/10/06(土)
少しずつ全盛期がズレてるけど、ほぼ同時代に、マラドーナ、ジーコ、プラティニが存在していたのはすごい事。

今は、サッカーにおいて最も華のあるファンタジスタが輝けない時代。

彼らの系譜を継いだ最後のスターは、ジダンだろうか、ロナウジーニョだろうか。



20 2018/10/06(土)
その時代でトップの人間は、他の時代にいてもトップである。



22 2018/10/06(土)
過去のサッカーがなければ現代のサッカーは構築されていないことだけは言える



25 2018/10/06(土)
守備の貢献度が低いとも言われていた。
ちゃんと試合見たのか??
ディフェンス滅茶苦茶してたし身体も相当強かった。



26 2018/10/06(土)
とても面白い考察ありがとうございます。
こんなが楽しめる記事が沢山読めると嬉しいです。



28 2018/10/06(土)
スペインWCのフランス代表の試合を見て、初めてサッカーをおもしろいと思った。華麗で変幻自在なパスワークで、シャパンサッカーと呼ばれていましたね。その中心にいたのがプラティニ。結局、WCは取れなかったけど、あの頃のフランスサッカーが一番好き。



29 2018/10/06(土)
近代サッカー選手の筋肉と写真のプラティニや他の選手の筋肉を見れば一目瞭然、しかもあの頃のサッカーのスピードと現在のスピードじゃ話にならない。通用しません



30 2018/10/06(土)
通用しない訳が無い。
いつの時代だって正確な技術があれば通用する。



35 2018/10/06(土)
個人的には良くも悪くも戦術リケルメが好きだな〜。まぁ今の時代にはフィットしないだろうけど。



36 2018/10/06(土)
そのうち、ロナウド、メッシは現代のサッカーで通用するのか?みたいな記事が出てくる時が来るのかな。
サッカーはどこまで進化するんだろうか。



37 2018/10/06(土)
やっぱり82'スペインは最高の大会だったな。



38 2018/10/06(土)
選手のころのプラティニからはUEFA会長は想像出来なかった。
殺し屋DFが多く居たあの時代に3年連続バロンドールはメッシ・クリロナより偉大だと思う。



39 2018/10/06(土)
欧州選手権準決勝ポルトガル戦、メキシコW杯ブラジル戦、何十回も見たな、、トヨタカップも徹夜した、懐かしい!



42 2018/10/06(土)
リトバルスキもスーパースタ!



43 2018/10/06(土)
不毛な議論を許さない感じ、好きじゃないね



44 2018/10/06(土)
9.5番を実際ある背番号にすると7番に近いよね。



46 2018/10/06(土)
使い方次第だろ



47 2018/10/06(土)
サウールの使い方、それだよな



49 2018/10/06(土)
俺もソックス下げて真似してたなぁ



51 2018/10/06(土)
この記事で行くと、メッシって現代でその理想を体現してるよね



53 2018/10/06(土)
通用するかと言えば通用しないですね。
当時の守備レベルならメッシは11人抜きできるでしょうし(笑)
それにプラティニが現在の戦術を理解すればなんてタラレバは意味がない。。。



54 2018/10/06(土)
現代サッカーでは無理だね。



55 2018/10/06(土)
この仏・プラティニ、そして、独・ベッケンバウアーの二人が、FIFAの要職に在って汚職・不祥事に手を染めて失脚するとはね・・・。そんなことをする必要のないほどのレジェンドだったのに。

そういうことは、アフリカとか南米とかあたりの汚い政治に塗れたサッカー協会、理事のやることだろ。

もう復活の目はないぞ。











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