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<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:スペイン―ロシア>◇決勝トーナメント1回戦◇1日◇モスクワ・ルジニキ

 10年大会以来2大会ぶりの王座奪還を目指すスペインと、出場32カ国中、FIFAランキングが最下位70位の開催国ロシアの対戦は、前半41分までシュート0本ながら1点リードするという“珍記録”が続いた。

 その始まりも珍プレーからだった。前半12分、スペインは1次リーグ初戦以来の出場となった右サイドバックのナチョが倒されて、ペナルティーエリア右横でFKを得た。MFイニエスタに代わって今大会初先発のキッカーMFアセンシオが左足で送ったボールは、ゴール前を抜ける。そこにいたのはDFセルヒオラモスと、ロシアDFイグナシェビッチだった。2人が倒れ込む。激しいボールの競り合いだ…と思われた。

 だが、実際は少し違った。イグナシェビッチはまるでボールを見ていなかった。背を向けて、セルヒオラモスを“タックル”で倒すことだけしか考えていなかった。狙い通りに? 倒したものの、すり抜けてきたボールは自らの右足ふくらはぎに当たった。そしてコロコロと、自陣のゴールへと転がった。

 38歳の史上最年長オウンゴールという、少し恥ずかしい形でロシアが失点、スペインは先制点を奪った。流れはこのままスペインとなるかと思われた。だが、そうはならなかった。

 お決まりのパスワークでボールをキープするスペインだが、肝心要のラストパスの精度が低い。その間隙(かんげき)を縫ってロシアが時折、カウンター攻撃を見せる。スペインはシュートをただの1本も打てないまま、しかし、試合はリードするという展開が続いた。

 スペインが最初のシュートをようやく放ったのは、前半45分の終わり間際だった。だが、試合はその4分前に動いていた。

 ソ連時代の70年大会以来のベスト8を目指すロシアは、右CKから身長196センチのFWジュバの頭で合わせた。そのヘディングシュートは、スペインDFピケが後ろ向きで大きく伸ばした左手に当たった。明らかなハンド。これがPKの判定につながった。ジュバ自らが落ち着いて蹴り込み、同41分に同点に追いついた。地鳴りのような大歓声につつまれた。

 ボール保持率が7割を超えるスペインは攻撃がかみ合わないまま、ハーフタイムを迎えることになった。

 膠着(こうちゃく)状態が続いた後半は22分になると、スペインはMFシルバに代えて、イニエスタを投入した。だが、しばらくリズムは変わらずディフェンスラインでボールを回すだけ。大きなブーイングが起こった。

 試合途中にはアイスランド・サポーターが広めた、両手を頭の上でたたく「バイキング・クラップ」をまねて「ロシアン・クラップ」が起こる場面もあった。ロシアにとって8万人収容のルジニキ競技場は、開幕戦でサウジアラビアに5-0で快勝した験の良い場所。心強い支えを背に、強国に立ち向かった。

 何とか勝ち越したいスペインは後半40分、ペナルティーエリアのライン上からイニエスタがシュートを放ったが、GKアキンフェーフの好セーブに防がれた。

 試合は今大会初の延長戦にもつれ込んだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180702-00255699-nksports-socc

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